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山下洋輔NYトリオライブの話 |
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〜NYトリオ〜 ひ:まずは山下洋輔NYトリオ結成20周年、おめでとうございます。今回は結成20周年を記念してのツアーですね。 山:ありがとうございます。出会った時はベースのセシル・マクビーが50代、ぼくが40代、フェローン・アクラフ(ドラム)が30代だったのに、今は7、6、5になってしまいました(笑)。 ひ:20年間もメンバーチェンジなしというのはすごいですね。 山:世界的にも珍しいかもしれないですね。一年に一度の逢瀬を20年間続けてきて、これはもう一生、誰かがいなくなるまで続くと思います(笑)。 ひ:セシルも、フェローンも、本当に素晴らしいミュージシャンで、人間的にも温かくて楽しくて魅力的な方々ですよね。 山:セシルはぼくの修業時代、すでにチャールス・ロイドのバンドでキース・ジャレットやジャック・ディジョネットとやっていたスターでした。出会えたのは幸運でした。共演相手にはいつも「私とやるとしたら、崩壊してもらいます」ということを言いたいのですが、セシルはそんなところを気に入ってくれたのかもしれませんね。いつも「自分が一番自由になれるのはこのトリオだ」と言ってくれます。それはぼくも同じで、このトリオがベースにあるからいろんな方面に活動を広げられるんです。 ひ:フェローンはこの夏にも来日して、RAGでも彼のリーダーユニットを聞かせていただきましたが、NYトリオとは全く違ったプレイで幅の広さに驚きました。 山:すごく面白い音楽でフェローンの頭の中はどうなっているのかと思いました(笑)そのままの感性でこちらのトリオでぼくがやりたいと思っていることを必ずやってくれます。二人とは本当に素晴らしい出逢いをしたと思っています。 〜最新作「トリプルキャッツ」〜 ひ:そして、記念に出されたアルバムが「トリプル・キャッツ」ですね。 山:NYトリオのやる音楽はものすごくレンジが広いんですよ。自作のラブ・バラードをやるかと思えば、終わりのパターンだけしか決まっていない即興演奏の曲もあります。亡くなった岡本喜八監督の次回作になるはずだった「幻燈辻馬車」という映画の幻の主題曲もありますし、ガーシュインもあり、20周年記念なので20拍子を使って作ったばりばりジャズ曲もあります(笑) ひ:NYトリオのアルバムにはどの作品にもずっと変わらず漂っている空気があって、新譜を聞く度にまたその空気がよみがえってくる嬉しさがあります。
山:タイトルチューンは、うちの猫達がとっ組みあってあばれている姿を見て出来た曲なんです。「Cats」がジャズマンの俗称だということをリハの時に確認して、タイトルを「トリプル・キャッツ」にしました。演奏しているうちにとても大事な曲になって、とうとうアルバム・タイトルにまでのし上がりました。猫好きがこうじてついに公私混同をやってしまいました(笑)。フェローンは猫がひっかく感じを出すのだといって、ブラシにこだわっちゃって(笑)。そういうところも嬉しいですね。 ひ:今回のライブの予習盤はもちろん「トリプル・キャッツ」ですね。 〜RAG公演〜 山:はい。是非お聴きになってご来場ください。ぼくがそのたびに猫になって弾いている姿をお見届け下さい。これを引っさげて今年のツアーをします。7カ所やるんですが、そのうち2日間がRAGですね。 ひ:公演日は11/13と14ですね。13日がトリオでの演奏で、14日にはサックスとフルートの川嶋哲郎さんが加わります。どちらも聞きたいですね! 山:トリオが自由自在になった頃から、管楽器の人に入ってもらえる余裕ができました。どっちもそれぞれのよさがあるので、両方聞いてほしいです。 ひ:ライブではアルバム以外からも何かされますか? 山:毎年1月に東京オペラシティでリサイタルをやってるんですが、その時は何かしらオーケストラ対応の大曲っていうのを必ず作るんですね。今年の1月にコンチェルトの第三番<エクスプローラー>を発表したんですが、それと「トリプル・キャッツ」のテーマは相当かぶってるんです。この時期、来年に向けて新たに構想中の筒井康隆原作の交響詩「Dancing Vanity」を構想していますので、その中の何かがトリオの演奏に反映してくるということはあるかもしれません。 ひ:あたためている最中なんですね。 山:その最中になりますね。自然にそうなることが多いんですが、まずジャズで実演してみる。聴き手の方の反応も含めて体で感じたものを手がかりに修正を加える。それを元にしてシンフォニーの曲にまとめていく。 ひ:ジャズで実戦しながら、作り上げていくんですね。いいなあ、そんな賢い物事の進め方、私もあやかりたいです。 〜木屋町RAG20周年〜 ひ:話は変わりますが、実はLiveSpotRAGも今の店に移転してこの秋で20周年なんです。株式会社にして。 山:そうですか。同じ年生まれで共に新しい挑戦を始めたんですね。 ひ:NYトリオとは19年のおつきあいになりますから、私の気持ちの中ではほとんど一緒に歩んできたというか、NYトリオに育てられてきたという思いがあります。 山:そうですよね。最初の円山の時の大成功でラグに新しいピアノが入ったという伝説もありますし(笑)。トリオのメンバーも本当にラグと京都が大好きです。 ひ:RAGのお客様にも「レギュラーオーディエンス」とでもいうべき、毎年欠かさずお見えになる方がたくさんいらっしゃいます。 |
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| プロフィール |
山下洋輔(Piano) Arico(Piano) |