サックスのリードの選び方。おすすめリード
サックスはダンチクという植物から作ったリードを振動させて音を出す木管楽器です。
そして、振動する張本人がリードなのですから、リードは音色を決定づける「最重要パーツ」といえます。
個人的には、楽器の良し悪しよりも、リードとマウスピースの良し悪しの方が重要だと思います。
楽器屋さんの店頭に、カラフルに並ぶさまざまなリードたち。
今回は、リードの選び方を解説したいと思います。
もくじ
リードの選び方
見ている分には飽きないのですが、選ぶとなると、メーカーもブランドも何種類もある上、番手もさまざま。
これは迷いますよね。
また、そもそも天然素材なのですから、2つとして同じものはないはず。
だから、同じブランドの同じ厚さであっても、1枚1枚すべて個性が違うと言っても過言ではないでしょう。
そうなるともう、自分にぴったり合うものを見つけるのは、至難の業。
終わりなき旅、とも思えてきますよね。
筆者自身もそんな終わりなき「リード探しの旅」の途中です(笑)。
この記事が、そんな「リード探しの旅」序盤のガイドになれば幸いです。
リリースされているすべてのリードを試したわけではありませんので、実際に試したリードについてのみ記事にしましたが、楽器やマウスピースのセッティングによって全く異なる印象になることもあると思います。
そのあたりはご了承いただき読み進めてくださいませ。
そもそもリードって?
リードには「ダンチク」という植物が使われているそうです。
失礼ながら、筆者もこの記事を書くまで知りませんでした。
この「ダンチク」は、バイオマス燃料として注目されているようです。
しかし、日本でリード用に栽培しているという話は聞いたことがありません。
南仏産のものが良いとされていますが、実際のところ、筆者は産地についてあまり考えたことはありません。
他のプレイヤーたちとも「やっぱりリードは南仏に限るね!」なんて会話は一度もしたことがありませんので、きっと彼らも産地にこだわりはないと思います(笑)。
産地よりも、良い鳴りをしてくれるかどうかが重要なのです!
「ダンチク」ついて詳しくはこちらを。
この「ダンチク」を、各メーカーが独自の形状にカットし、硬さなどをカテゴライズし、それぞれのブランドととしてリリースしているわけです。
ほとんどのサックスやクラリネット奏者は市販のものをそのまま使っていると思いますが、中には自分でリードを作る強者もいるようです。
少しだけ紙ヤスリやトクサで削ったりして、自分好みにアレンジする奏者は多いと思います。
上記のようなアレンジをするのは、どのブランドでも、同番手であっても品質にかなりバラツキがあり、例えば、10枚入りのパッケージを開封しても自分好みのリードが入っていないことも珍しくなく、経済的にも時間的にも負担になるからだと思います。
そんなわけで、好みのリードに出会う確率は高くありません。
そのため、自分好みのリードを「アタリ」と呼んだりします。
さらに、イメージぴったりで理想の「大アタリ」リードにほぼ出会えませんし、その「大アタリ」も、使用しているうちに消耗や劣化し、最終的に鳴らなくなってしまいます。
特にクラシック系奏者には、まず「アタリ」リードで演奏することが、自分の演奏クオリティを担保してくれる前提条件。
「ハズレ」リードはゴミ同然の扱いです。
そんなわけで、プロ奏者やセミプロ奏者は、常に一定数の「アタリ」リードを確保しておく必要があり、手持ちのリードに番号やマークを付けて管理や育成をしているのですが、事はそう簡単に運びません。
演奏会直前のリハーサルでは、みんな真っ青になって「リードがないよ(涙)」と悲痛な叫びを上げています(笑)。
保管方法
リードの原材料となるダンチクの繊維は竹のように縦方向に走っている上、リードの先端は非常に薄くカットされていて、非常に裂けやすいです。
リード購入時に個別パッケージされている、半透明のプラスチックケースにリードを差し込む際に裂ける確率が高いのです。
せっかく出会った「アタリ」をうっかり割ってしまったりした時の絶望感は、想像するだけで冷や汗が……。
多くの奏者は「アタリ」リードの大切さを痛感しているので、購入時に付属のケースではなく、専用のリードケースに入れて丁重に扱っていると思います。
リードの破損を防ぐほか、リードの先端がシワシワになるのも防いでくれます。
ガラス板に乗せてパチンと閉じるこんな感じのものが定番。
各社さまざまなデザインでリリースしていますのでお好きなものをどうぞ。
リードは、演奏直後は当然湿っており、その後乾燥していきます。
このウェットとドライを繰り返すことがリードの寿命を縮めるのでは?と言われており、その湿度をコントロールし、リードの寿命を長くしようという「リードバイタライザー」という保湿ジェルもあります。
筆者は使っていませんが結構使っているのを見ます。
ちなみに、クラシック系奏者の場合、リードが疲労しへたってきたと感じるか、その前にリード交換しローテーションさせることが多いです。
その方がリードが長持ちするからです。
一方、ジャズ系奏者の中には、リードの乾燥を嫌い、常に湿った状態にして保管する人が多いようです。
筆者の感覚だと、クラシック奏者が「へたった」と判断するようなリードの状態を前提として、リードの選別作業をしているように感じます。
「へたって」からが勝負のようです。
つねに「へたった」状態にしておくため、小瓶に水を入れ、その中にリードを入れて管理している人もいるようです。
個人的には普段はガラス板のリードケースに保存し、演奏前に十分に湿らせればOK。
「リードバイタライザー」を利用するとなお良いと思います。