反戦歌。戦争に反対する名曲
太平洋戦争以降、日本人にとっては戦争を意識する機会は随分と減りました。
しかしベトナム戦争や湾岸戦争、さらには2022年のロシアとウクライナの争い、2023年のイスラエルとガザの武力衝突など、いまだに世界中で争いは絶えません。
この記事では、戦争反対への気持ちを込めてミュージシャンたちが手掛けてきた反戦歌を紹介していきます。
戦争の恐ろしさやむごさ、関わった人たちの悲しみ、二度と過ちを起こしてはいけないという決意など、平和に向けてのさまざまな感情が込められた楽曲ばかりです。
私たちも歌詞に込められた思いを読み解き知ること、できることをやっていきたいと思います。
これから紹介する楽曲とともに、あらためて平和について一緒に考えてみましょう。
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反戦歌。戦争に反対する名曲
戦争は知らないThe Folk Crusaders
フォークルという略称でも知られ、デビューシングル『帰って来たヨッパライ』をはじめとした数々の名曲を世に送り出してきた音楽製作集団The Folk Crusadersの楽曲。
戦争そのものは知らなくても、それが原因で人生に影を落としてしまう世代もいるということをつづった歌詞が切ないですよね。
取り返しのつかない悲惨な出来事があっても幸せをつかんでいくという歌詞からは、誰もが幸福を求めているという人間としての当たり前の願いが感じられるのではないでしょうか。
戦争による負の影響をリアルに描きながらも、先人から与えられた命を未来につないでいくことの尊さを教えてくれる反戦歌です。
(星野貴史)
黒い雨古謝美佐子
原爆が落とされた際の爆発によって舞い散る泥やホコリなどが降ってくる様子を表した、黒い雨。
日本で原爆が落とされた際にも、実際に黒い雨が降ったそうです。
その黒い雨のことを歌ったのが、こちらの楽曲。
歌うのは、沖縄出身の古謝美佐子さんです。
沖縄民謡のメロディーに乗せて歌われているのは、とめどなく黒い雨が降る様子。
歌詞を読むとそのときの恐ろしい光景が目に浮かびます。
二度とこの雨が世界のどこにも降ることがないように、歌詞の内容をかみしめながら聴いてみてください。
(SAKI)
極東戦線異状なしソウル・フラワー・ユニオン
日本固有の民族が持つ民謡をはじめとした幅広い音楽性を融合したサウンドで精力的に活動しているソウル・フラワー・ユニオンの11作目のシングル曲。
時の権力者を実名で名指したストレートな反戦声明は、誰もが多かれ少なかれ持っている感情を代わりに歌ってくれているようなカタルシスを感じられるのではないでしょうか。
トラディショナルな空気感を持つメロディーとシニカルなメッセージは、音楽が持つパワーを信じさせてくれる説得力がありますよね。
戦争がもたらす現実と人々の心の叫びが集約された、ノスタルジックな空気感を持つ反戦歌です。
(星野貴史)
RussiansSting
ロックバンドのポリスを結成し、さまざまな名曲を世に放ってきたイングランドのミュージシャン、スティングさん。
『RUSSIANS』は彼が1985年に発表したソロデビュー作品の『The Dream of the Blue Turtles』に収録された楽曲です。
ロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフの組曲である『キージェ中尉』第2曲が引用されており、1980年代の東西冷戦の中で生まれた反戦歌。
加害者と被害者という視点だけではない、同じ人間として同じように子供を愛する心を問いかけている歌詞が刺さります。
この曲を聴くとよりいっそう、立場は違えどそうした愛情を持って接する大切さを考えられます。
(KEI)
Soul Dier feat.SORASANZENOZROSAURUS
オリジナルメンバーの脱退やレーベル移籍などの困難を乗り越え、現在は6人組で活動しているヒップホップバンドOZROSAURUSの楽曲。
ロックバンドRIZEを率いるJESSEさんの別名であるSORASANZENをフィーチャリングアーティストに迎えた楽曲で、憂いを帯びたトラックと畳みかけるようなラップに耳が奪われる方も多いのではないでしょうか。
戦争と平和という表裏一体のジレンマや映像が頭に浮かぶリアリティーを描いた歌詞は、凄惨な戦争を始めさせたくないメッセージとも受け取れますよね。
誰もが当事者として戦争について考えさせられてしまう、現代でも続く争いに一石を投じるヒップホップナンバーです。
(星野貴史)
タガタメMr.Children
J-POPシーンにおいて誰もが親しみやすい名曲を多く歌ってきたMr.Childrenですが、中にはこういった強いメッセージソングもあります。
2004年にリリースされた名盤『シフクノオト』の収録曲。
子供たちの未来を自分たちで壊してしまうことの愚かさや嘆きが描かれた激しい怒りと同時に、人とのつながりや寄りそうことの真を歌っていて鋭く突きつけられます。
アルバムで最後の楽曲『HERO』に続く位置付けでもあり、一人の人を思うことにつながる1曲ではないでしょうか。
(KEI)