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ベーシストにおすすめの効果的なリズムトレーニングの練習方法【上級編】
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ベーシストにおすすめの効果的なリズムトレーニングの練習方法【上級編】

今回も引き続きメトロノームを活用した効果的なリズムトレーニングです。

前回のエクササイズはいかがでしたか?

これをきっかけにメトロノームを使う習慣を身につけていきましょう。

ベースにおすすめの効果的なリズムトレーニングの練習方法 上級編

以前は「オモテかウラ」このどちらかでクリック音を取っていましたね。

今回はその上級編としてまずは、どのような練習方法なのかを順を追って説明します。

エクササイズ1:クリックを減らす

今回は以下のフレーズを題材に練習しましょう。

慣れてきたら他のフレーズでも取り組んでみてください。

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まず最初にメトロノームをBPM240に設定して下さい。

「はやい…」 とは思わず、メトロノームのクリック音を8分音符として聞いてください。

つまり、BPM120です。

これを普通に4分音符と捉えると高速フレーズの練習みたいになってしまいますが、そんなことにはなりません。

2、4でクリックを取る時の方法論と同じですね。

自分の弾いているフレーズとクリック音とで、どこがシンクロするのかを事前に整理してから取り組むとより良いです。

しばらく練習して慣れてきたら、120に設定して今まで通り4分音符として聞いて同じフレーズを練習します。

その次は、さらに半分の60に設定します。

以前取り組んだ2、4クリックの状態でも構いませんが、今回は1拍目、3拍目としてクリック音を聞いてください。

バスドラムをイメージすると分かりやすいかと思います。

慣れてきたら、さらに半分の30に設定しましょう。

こうすると、1拍目のみにクリック音が鳴っていることになりますね。

毎小節、1拍目にメトロノームが鳴っていれば少なくとも1小節の間は大きく乱れてはいないということになりますね。

1拍目以外にも2、3、4拍目や、そのウラ…など、さまざまな場所にも挑戦すると面白いかと思います。

エクササイズ2:クリック音の移動

1拍のみクリック音をならすというトレーニングにも慣れてきたら、そこからもう少し発展したものに挑戦してみましょう。

まずは前回と同じように、

  1. BPM240=8分音符として感じる
  2. BPM120=4分音符として感じる
  3. BPM60=2分音符として感じる
  4. BPM30=全音符として感じる

の順にクリック音を抜いていきます。

自分が演奏しているフレーズはBPM120のまま、メトロノームのクリック音を減らしていくことでタイムキープできているか、パルスを感じ取れているかをチェックしましょう。

注:今回紹介するトレーニング方法は、この前回のエクササイズに慣れてきてからで構いません。

それでは本題に入りましょう。

メトロノームは最後のBPM30のままです。

そして、いったん楽器は置いて下さい。

  1. メトロノームのクリック音を一拍目として感じます。
  2. 4分音符で手を叩いて下さい。冒頭で書いた、前回のエクササイズが出来ていれば難なくこなせると思います。
  3. いままでは4分の4拍子でしたが、今度は4分の5拍子の一拍目として捉えて下さい。
  4. 2と同じ要領で手を叩いて下さい。
  5. 手を叩いた音とクリックの関係はそのままに、今度は4分の4拍子に捉えなおします。

こうすると、クリック音が1小節ごとに移動していきます。

大分トリッキーな状態ですが、これでも乱れずに弾き続けていられれば、タイムキープの精度はかなり上がっていることと思います。

Victor Wotten氏がYouTubeで紹介しているので、この動画をご覧になられるとイメージしやすいかと思います。

KORG社のチューナーメトロノーム TM-50の宣伝用の企画として撮影されたもののようですね。

同じ企画でさまざまなミュージシャンが自身の使用方法を紹介しているので、興味があればいろいろとチェックするのも良いかと思います。

メトロノームはただ単に一定の間隔でクリック音を鳴らしているだけのものなので、使い方次第ではこのように自分のタイム感をチェックするものさしとして使用することができます。

単にメトロノームに合わせて練習するのではなく「メトロノームを利用した練習」をオススメします。

エクササイズ3:2拍3連について

2拍3連という符割り(ふわり)があることはご存知かと思います。

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譜面に起こすとこのようなリズムになります。

これは正確に言うと、2拍3連のオモテです。

ウラの2拍3連は譜面に書くと以下のようになります。

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メトロノームをウラの2拍3連に感じるというエクササイズがあるのですが、今回はその前段階として、2拍3連・3連符について一度整理しましょう。

3連符の定義として「1拍を3等分したもの」と、2拍3連を説明する時には「4分音符2拍分を3等分したもの」とよく書かれますが、実際には「3つの音を一つのグループとしてくくったもの」として、捉えなおしたほうがよい場合があります。

以下、は3連符・2拍3連について書いたものです。

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このようにとらえると、それまであいまいだった一つ一つの音の長さ(音価)が明確に捉えられるかと思います。

楽器は使わずに、両手で以下のようなエクササイズに取り組んで、まずは3連符の感覚を養ってください。

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エクササイズ4:2拍3連でクリックを取る

さて、本題のウラ2拍3連ですが、

  1. 最初は楽器を使わずメトロノームとハンドクラップ(手拍子)で挑戦しましょう。
  2. 今回は3連符を常に意識して下さい。
  3. BPM100程度からじっくり取り組みましょう。2拍3連と4分音符のどこがシンクロするのかを把握することが最初の1歩です。
  4. 2拍めはJAZZの4ビートでドラマーがよく演奏するシンバルレガートをイメージして下さい。ちなみに、BPM140を越えた辺りから、それっぽく聞こえてきます。

2拍3連で説明していますが、クリック音が1拍半(付点4分音符)ごとに鳴るといった方法でメトロノームを使うことも可能です。

ジャズベーシストの納浩一さんが、ご自身の教則DVDでも紹介されていたトレーニング方法でもあります。

ちょうど13小節目でクリック音が1拍目に帰ってくるので、12小節で1コーラスになるブルースを題材に取り組むと良いかと思います。

エクササイズ5:タイミングをキープする

今度は違うアプローチで取り組んでみましょう。

今回はお好きなテンポ・フレーズで構いませんし、メトロノームでもリズムマシンでも結構です。

以下の手順に沿って進めていきます。

  1. しばらく演奏を続けます。
  2. メトロノームを1小節の間ミュートします。(フレーズは演奏し続けます)
  3. 再びメトロノームを鳴らします。

上記のエクササイズを繰り返していき、クリック音の鳴らない時間を徐々に伸ばし、最終的には4小節に1音しかならないような状態まで持っていきます。

このようにすると、ただフレーズを弾くのではなくドラムのパターンや、そこに存在するパルスを意識し続けないと途端にずれてしまいます。

練習する人と、音を消す人の2人必要になるので個人練習には取り入れにくいですが、挑戦したい方はパターンを打ち込めるリズムマシンやDAWソフトなどであらかじめ作成しておきましょう。

ランダムミュート機能のついたメトロノームアプリも存在しているので、そういうものを利用するのもよいかと思います。

参考:ベースに人気のおすすめ音楽アプリ

アプリ「Dr.Betotte TC Lite」のリンクが見つかりませんでした。


ライタープロフィール

土井重彰

ベーシスト・ベース講師

土井重彰

平成17年 biwako record よりoutergarden でCD リリースし、滋賀県で開催された1000人規模の野外音楽フェスティバルやNHK テレビなどに出演。

その後新たに加入した清水リゾート.Rで自主製作CDを複数リリースし、ミナミホイールなどの音楽フェスティバルやFMラジオ NHKテレビ等に出演。

同時期より並行して多くのアーティストのサポート演奏やレコーディングに参加し、ポップスやロック、ジャズ、ファンクやラテンなどの幅広いジャンルで経験を積む。

現在は大手楽器店でのエレキベース科講師やワークショップ、音楽教室の主催やその他複数の音楽教室で指導を行う傍ら、自身のラテンファンクバンドやビッグバンドでの演奏、ジャムセッションのホストメンバーやWEBマガジンへの執筆など多方面に渡り活躍中。

エレキベース奏法全般、及び音楽理論を黒石昇氏に師事。

レッスンや演奏依頼などをご希望の方はHPよりお問い合わせください。

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