フレットの消耗が原因?特定のフレットだけビビるときの対処法
ベースやギターを弾いていて、結構気になるのがフレットノイズ、ビビりです。
弦高が低すぎたり、ネックが反っている場合なんかに起きるんですが、その場合ポジションによってビビり具合に多少の差はありますが、全体的にビビリが発生するんですよね。
そういう場合は、弦高やネックを調整すれば大体は解決するんですが、特定のポジションだけやたらビビるという時はフレットそのものに原因がある場合があります。
今回はフレットについてお話をしていきたいと思います。
フレットの消耗
特定のポジションでだけビビりが発生する原因として、まず考えられるのはフレットの消耗です。
フレットは弾けば弾くほど減っていきます。
前日まで21フレットあったものが、3時間弾いたら翌日には20フレットに……。
その日また3時間弾いたらその次の日には19フレットに……。
なんてことにはなりませんが、フレットは弦との摩擦で徐々に削られ減っていきます。
減り方は使っている弦の素材や、その人の弾き方にもよりますが、早い人では1年から2年ぐらい、遅くても5年以内にはフレットがすり減って、特定のポジションでのビビリが目立ってきます。
全体的にすり減ってくんだったらまだいいんですが、よく弾く特定のポジションだけが削られていくので、例えば5フレットがかなり減っていて6フレットはそんなに減っていない場合、5フレットを押さえた時に6フレットに当たりやすくなってしまい、それがビビりの原因となります。
対処法
まず、最初の対処法としては「すり合わせ」というものがあります。
これはフレット全体をヤスリなどで削って、すり減って一番低くなってしまっているところの高さに合わせる方法です。
一番低いところに合わせるので、フレット全体が低くなってしまいます。
フレットの高さの好みもありますが、1回、2回程度ならそんなに気にはならないかと思いますが、3回目以降になると結構厳しいかもしません。
「すり合わせ」はそう何回もできるものではありません。
また、素人にできる作業ではないので、必ず楽器屋だったり、工房にお願いしましょう。
価格は大体8,000円から1万円ぐらいが相場ではないでしょうか。
もうこれ以上フレットが削れないといった場合は、フレットそのものを交換するしかありません。
フレット交換となると結構工賃も高くなります。
大体3万から6万円ぐらいでしょうか。
また、フレットを交換したことによってナットも交換しなくてはならないケースも出てくるので、そこはケチらず一緒に交換してしまいましょう。
フレット交換となるとかなりの技術を要するので、値段も高くなってしまうのはしょうがないです。
クラフトマンにとってもフレット交換は自身のスキルを披露するのに最適な作業なので、うまい下手がはっきり出てしまいます。
なので、できれば信頼できる人にお願いしたいものです。
フレットの素材
フレットに使われている素材についても一応触れておきたいと思います。
現在、フレットの素材として一番よく使われているのは銅、ニッケル、亜鉛などの合金である「ニッケルシルバー」というものです。
成分の割合によって、硬いものもあれば柔らかいものもあります。
一番安定性が高く、比較的柔らかいので加工もしやすく、お値段もお手頃なのが特徴です。
ただ、柔らかいので、定期的な「すり合わせ」や「打ち直し(リフレット)」が必要になってきます。
音的には柔らかいので丸めの音になります。
他に錆にも強く、耐久性の高い「ステンレスフレット」というのもあります。
強度が高いので加工に手間がかかるみたいですが、消耗が少なく、「ニッケルシルバー」に比べ歯切れの良い音になるそうです。
メチャクチャ硬くて、擦り減ることはまず考えられないという石英製の「クリスタルフレット」というのも存在するみたいです。
逆にフレットが硬すぎて弦が切れやすくなるそうです。
お値段も相当するみたいです。
あと、ブラスでできた「ブラスフレット」というものもあります。これは耐久性が低く、錆びやすいという欠点があります。
音的には「ニッケルシルバー」より更に丸い音になります。
まとめ
特定の場所でだけビビリが発生しだしたら、とりあえずフレットの消耗具合を触ってチェックしてみましょう。
気持ち良く弾くにはこういったメンテナンスが必要不可欠になってきます。
特にトラブルがなくても、日頃からいろいろとチェックしておく方がいいかもしれませんね。
ライタープロフィール
ベーシスト・サウンドクリエイター
Broad Person
ベーシスト、サウンドクリエイター、ブロガー。
14歳の時にベースを手にし、バンド活動を開始。
その後、大阪の某音楽専門学校へ進学。
これまでにいくつかのインディーズバンドを渡り歩き、全国規模での活動を展開してきたが、限界を感じてあえなく就職。
就職後はベースの講師業も隠れてこそこそ行い出す。
DTMにも手を出し、ひとりで曲作りも開始。
自身のペースで地道に活動中。