低い声が出せると歌はうまくなる!低音の出し方。トレーニング方法
あなたは歌うことを楽しんでいますか?
ボーカルなら誰もが、一度は高い声に憧れるものです。
確かに、無理なく綺麗に高い声が出せるとかっこいいですが、高い声が大事であるのと同じくらい、あるいはそれ以上に大事なのが「低い声」なのです。
なぜ低音が大事なのか?
「低い声は出せるよ」とか「別に出せなくていい」なんて思ってる人!
それは間違いです!
今回は低音について書いていきたいと思います。
さて、なぜそんなに低音が大事なのか。
大きく分けるとポイントは2点あります。
- 聞く側に安心感を与えることができる
- 声に太さや深みを足すことができる
低音の音域そのものが、安定感、安心感、落ち着きがある印象を与えるため、低音をきちんと出せるとしっかりとした安定感のある声に聞こえます。
これは、低音を担当する楽器(ベースやコントラバスなど)が「音楽の中でも支えとしての役割を果たしている」とよくいわれるのと似たようなイメージかと思います。
つまり、しっかりとした低音が出せれば、音楽をより安定させられる効果があるんです。
もう一つ。
「声に太さや深みを出せる」というのは、少しテクニカルな話ですが、「低音を混ぜて発声することができる」ということです。
ある音程の声を出す際、ただその音程を出すだけでは、あまり面白くない声になってしまうことがあります。
例えばこんな感じ。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/252016800″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
特に問題なく声を出せていますが、この声だけで歌ってしまうとなんとなく真面目すぎるイメージになることがあります。
それに対して、少し低音を含ませてやると、こんな感じ。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/252017008″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
少し太さや、深みが加わったかと。
極端な例を言うと、福山雅治さんのように低音からぐっと持ち上げるような声の出し方をイメージしてみてください。
男性のセクシーさを感じる声の出し方になりますね。
女性の場合だと、力強さやおおらかさを感じるような声になります。
「どちらの声が良い悪い」というわけではないのですが、場面によってより適した声を選択して出せるようになると、表現の幅がぐっと広がります。
低音が実際に使われている例
実際には、AメロやBメロなどの、少し落ち着いた雰囲気の中で使われることが多いと思います。
男性の例でいうと、斉藤和義の歌うたいのバラッドにある「頭の中をからっぽにするだけ」の「あ(たま)」と「か(らっぽ)」がA1です。
BUMP OF CHICKENの天体観測から「ベルトに結んだラジオ」の「ラ(ジオ)」がA♭1です。
さきほどの発声の音源でいうと、最後から3つめの「ボボボボボー」の最低音がA1、最後から2つめの最低音がA♭1です。
女性でいうとMISIAのEverythingから「すれ違う時のなかで」の出だし「す」と、「と(きの)」がG2です。
宇多田ヒカルのFirstLoveから「タバコのFlavorがした」の「タ(バコ)」がG♭2です。
さらに低くなると、美空ひばりの川の流れのようにから、出だしの「知らず識らず」の「し(らず)し(らず)」がD2です。
さきほどの発声の音源でいうと、最後の「ボボボボボー」の最低音がD2、最初から5つめの最低音がG2、6つめの最低音がG♭2です。
正直、D2は相当低いのではないかと思います。
どうやったら低音が出せるか
では、低音を出すにはどうしたらいいか。
よく語られるイメージとしては「胸のあたりで声が響いているイメージを持つこと」といわれます。
実際「あ、あ、あー」などと発声しながら音程を下げていくと、だんだんと声が胸のあたりで響いているような感覚になってくるかと思います。
さらに、低くなればなるほど、しっかり息を吐かないと声が出なくなってきます。
その感覚も感じておきましょう。
そして、発音は崩れないように。
「あ、あ、あー」といっているつもりが、「お、お、おー」のような発音になってしまっていた、というのはよくある失敗例です。
低い声の練習
さて、低い声の練習方法ですが、スケールに合わせて声を出してみましょう。
こちらに音源がありますので、合わせながらどうぞ。
音源では「ボ」で発音していますが、慣れてきたら「マ」に変えてみたり、実際に歌いたい曲に出てくる歌詞に当てはめたりして練習してみてはいかがでしょうか?
ポイントは、最低音を伸ばす際、丁寧に声を出すこと。
その時、しっかり声を伸ばしましょう!
実際、音源でも低い音へいくにつれて、テンポを下げてゆっくりにしています。
最初はテンポから外れてもいいので、丁寧にしっかり出すようにしてください。
最後に
低い声も歌には大切な要素です。
単純に低い音が出せるというだけでなく、表現の幅を広げる意味でもしっかりとした低音を出すことはとても大事です。
これらを意識していけば、あなたの声はもっともっと魅力的になるはずです。
それでは、楽しいボーカルライフをお送りください!
ライタープロフィール
ボイストレーナー
でんすけ
大阪で活動するボイストレーナー。
プロの卵たちを育成中です。
ボイトレに関するブログも更新中ですので、当「スタジオラグへおいでやす」の記事と併せてぜひご覧ください。
また、最近DTMも始めて少しずつ曲を作るようになりました。
練習で作ったインストっぽい曲をSoundCloudに載せていったりしているので、ご興味持っていただけると幸いです。
SoundCloud:
https://soundcloud.com/densuke_osaka
ウェブサイト:http://dn-voice.info
Twitter:densuke_snail