【演奏中に弦が切れにくい】アコギ弦の交換方法
こんにちは、平田(@hirata_kazuma)です。
わたしはそれなりに、弦交換にこだわりを持っています。
今回、見せるのはアコースティックギターの弦交換ですが、エレキギター弾きの人にも参考になるはずです。
では早速。
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古い弦を外す
言うまでもありませんが、まずは古くなった弦を外します。
基本的な外し方は割愛しますが、ここでポイントがひとつ。
「6弦と1弦→5弦と2弦→4弦と3弦」の順に、同時に二本ずつ弦を緩めます。
何も考えずに、6弦→1弦の順に1本ずつ緩めていくとどうなるか。
最後は1弦や2弦だけが張られたままの状態が発生しますね。この状態が、ネックに負担をかけてねじれなどの原因になります。
弦の張力はすさまじいです。
「そんな一瞬ぐらい問題ないだろう」と油断せずに、ネックに変な負担がかかり得る要因は極力作らないことが大事です。
ただでさえ、梅雨は湿気でネックがダメージを受けていますから。
6→1→5→2→4→3の順に1本ずつでもいいんですが、より均一に弦を緩めていくために、二本ずつ緩めたほうがいいでしょうね。
両手を使えば一度に二つのペグを回すことは、そう難しくありません。
時間短縮にもなります。
指板の汚れを浮かせる
さて、せっかく弦が外れたので、この機会に指板もメンテナンスしておきましょう。
使うのは、楽器屋に置いてある「メンテナンス用オイル」と、どこにでもある「ティッシュ」のふたつです。
ちなみにわたしは、こういったレモンオイルを使っています。
用意したら、オイルを小さく畳んだティッシュに染みこませてください。
10円玉大程度でいいと思います。
これを使って、指板を軽く拭いていきます。
汚れを落とすのではなく、オイルを染みこませて汚れを浮かせることが目的なので、強くゴシゴシする必要はありません。
ここでもポイントをひとつ。
指板に塗装がないギターだけの話になりますが、オイルがよく染みこむよう、「木目の流れに対して垂直」に拭きましょう。
それから、たまにはブリッジもオイルで保湿してやります。
指板ほどシビアではありませんが、明らかに乾燥している場合は必ず行ってください。
オイルを塗り終えたら、しばらく放置。
10分ほどで十分でしょう。
そのあいだに、次の工程へ進みます。
普段手入れしづらい場所を掃除する
指板だけでなく、ほかの場所も掃除しておきます。
掃除にはこの、化粧用のブラシがあると便利です。
わたしは100均で買ったものをもう10年使っています。
これ名前なんていうんだろう。
ブラシを使って、すみっこのホコリを払ってやりましょう。
弦の下になっていて、普段あまり掃除できない場所は念入りに。
こういうところや、
こういうところですね。
うおおおおお。
指板のオイルと汚れを拭きとる
ブラシ掃除が終わったら、放置していた指板をもう一度拭きます。
ここでの目的は、残ったオイルを拭きとることと、浮いた汚れを拭きとることです。
放置しておいた指板の状態によって対応が変わるので、注意してください。
- オイルが指板に残ったままの場合
→保湿が足りているので、乾いたティッシュで乾拭きする。 - オイルが全部染みこんで、指板が乾いている場合
→保湿不足なので、少量のオイルを含んだティッシュで拭く。
さて、ここでまたポイントがあります。
1回目とは違い、「指板の木目に沿って」拭きとりましょう。
木目に対して垂直に拭くと、汚れを木目に擦り込むことになってしまうので、注意してください。
ナットの溝を鉛筆で塗る
オイルと汚れを拭き取ったら、ナットの溝を濃い鉛筆で塗っておきます。
個人的には、2B以上がオススメです。
こうすることでナット溝での摩擦が軽減され、チューニングが安定します。
専用の液剤もありますが、気にならないのであれば鉛筆で問題ありません。
弦を張る
さて、いよいよ弦を張っていきます。
またまたここでポイントをひとつ。
アコギ限定の話ですが、弦のエンド(ブリッジ側)をあらかじめ折っておきましょう。
こんな感じで、二箇所を軽く折ります。
なぜこうするのか、図を使って説明しますね。
これはアコギのブリッジ部分を横から見た断面図です。
弦のエンドボールと、ブリッジ・ブリッジピンが図のように接する状態を作ることが、弦を折る目的です。
この状態なら、エンドボールがブリッジ・ブリッジピンと、それぞれ「面」で接していることになるので、いくらか振動効率が良いハズ。
いやまあ、専門的な話は知りませんが、そういう気分になるじゃないですか。
実際、音はこちらのほうが好きです。
ただ、弦の種類によってはエンドを折ると格段に切れやすくなるものが存在します。
この点は注意してください。
さて、ブリッジ側を固定したら、ヘッド側もストリングポストに弦を通し、そこでいったん弦から手を離して置きます。
こうして弦から手を離すことで、弦がねじれていない状態にしましょう。
ねじれたまま張ってしまうと、チューニングの乱れが発生したり、切れやすくなったりします。
ねじれがないことを確認したら、次は弦のゆとりを決めます。
全くゆとり(余分な長さ)がない状態だと、ポストへ十分に巻けないので不具合が生じやすいです。
ゆとりを持たせる長さは、あなたの愛器に合わせて試行錯誤してみてください。
わたしは、ナット〜1フレット間の長さを基準としています。
ある程度ピンと張った状態を作って、ナットの位置で弦をつまんだら、1フレットの所まで引いてゆとりを作ります。
こうやって長さを決めたら、ズレてしまわないようにポストの所で弦を折っておきます。
ここまでやったら、あとはペグを巻いていくだけです。
弦を緩めたときと同じ理由で、弦を張っていく順番にも気をつけてください。
ネックにねじれた力がかかりにくいように、「4→3→5→2→6→1」と、真ん中から外側へという順で弦を張っていきます。張り終えたら、チューニングを整えて終了です。
おわりに
以上が、門外不出の平田流アコギ弦交換でした。
この方法のおかげか、わたしはもう何年も、演奏中に弦を切っていません。
気になった部分があれば、参考にしてみてください。
さよならを言うのがこんなにもつらい相手がいるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。さようなら!
ライタープロフィール
サウンドクリエイター
平田一真
音楽をつくったり、ラジオ番組をつくったりしています。
音楽ユニット"nomiasari"、Podcast制作"NBC"など
ウェブサイト:https://broadcasting.nomiasari.com
Twitter:hirata_kazuma