歪み系の元祖。ジミ・ヘンドリックスのサウンド。おすすめのギター用ファズコンパクトエフェクター BOSS FZ-2
歪み系エフェクターの元祖として知られるファズ。
オーバードライブやディストーションを始め、歪み系のエフェクターにも名機と呼ばれる製品が多いBOSSですが、そのラインナップの中には当然のようにファズも揃えられています。
現行のFZ-5の前身モデルにはFZ-2、FZ-3の2機種がありますが、今回はFZ-2 Hyper Fuzzについて、サウンドの特徴や使用などを説明します。
もくじ
歴史あるファズ独特のサウンドを継承
歪み系エフェクターの歴史を辿っていくと、その元祖として現れるのがファズです。
元々はギターの音を歪ませる目的ではなく、レコーディングの際にミキサーが壊れて出たサウンドを再現することから生まれたと言われています。
その歴史は古く、1960年代初頭のエフェクター黎明期にMAESTRO社のファズ・トーンが発表され、66年にはファズの代名詞とも言えるファズ・フェイスがArbiter Electronics社から発売されます。
このファズ・フェイスのサウンドを広めた代表的なギタリストこそ、あのジミ・ヘンドリックスです。
単なる歪みだけでなく、マーシャル・アンプの大出力と併せたフィードバック・プレイなど、エレキギターの可能性を一気に飛躍させた彼のプレイは多くのギタリストに影響を与えました。
数多くの歪み系エフェクターが存在する現代においても、その独特の歪みを好むファンは多いのですが、実は歪み系のエフェクターの中でも好みが分かれるサウンドでもあるのです。
オーバードライブやディストーションと比較してもファズの歪みのキャラクターは強烈で、単音プレイの際は野太いサウンドで派手なリード・プレイを演出してくれます。
しかしコード・プレイになると、その歪みからコードを構成する一音一音の鳴りが綺麗に得られず、音の塊がガーンと前に出てくるような独特のサウンドになります。
前述したファズ・フェイスのようなヴィンテージのファズには特にその傾向が強いのですが、それこそがファズの個性とされています。
FZ-2もファズの王道的な歪みを受け継ぎ、そこにBOSSならではの味付けもしっかり為されています。
各MODEで選べる個性的なファズ・サウンド
FZ-2のコントロールは、エフェクト音の音量調節のためのLEVEL、TREBLEとBASSをそれぞれ調整できるTONE、歪みの強さを調整するGAIN、そしてFUZZ1、FUZZ2、GAIN/BOOSTの3つのモードを設定するMODEの4つから成り立っています。
FZ-2を使いこなすという点においては、やはりMODEの選択とTONE、GAINでの調整ということになります。
FUZZ1のサウンドは、いかにも王道のファズと言った感じで、低音域寄りの歪みが得られます。
FUZZ2は反対に高音域寄りというか、いわゆるドンシャリの歪みになります。
ファズが登場した時代にメイン・ストリームとなっていたサイケ・ミュージックやグループ・サウンズ的な歪みが好みな人にピッタリ、という感じのサウンドです。
そしてFZ-2ならではの機能がGAIN/BOOSTモードです。
このモードにするとLEVELコントロールは機能せず、TONEとGAINだけで調整をするブースト・エフェクターになります。
このサウンドがFUZZ1、FUZZ2とも違う独特な音で、使用するアンプとの相性によって、かなり使えるサウンドになるとの評価を得ています。
TREBLEとBASSを個別に調整できるTONEコントロールも独特の仕様ですが、このTONEの効きが大変良いこともFZ-2の特徴のひとつです。
これら各モードのサウンド特性を強調・補正するのに大変役に立ちます。
チューブ・アンプとの組み合わせがお奨め
ファズの王道的なサウンドと、よりファズの個性を強調したサウンドのどちらも兼ね備えているのがFZ-2ですが、やはりチューブ・アンプとの組み合わせで、出来るだけ大きな音量で弾くのがFZ-2の魅力を引き出すポイントでしょう。
ロック系のシンプルなリフを弾くと、FZ-2の魅力を大いに感じることができます。
もちろん、エフェクターやアンプに限らず様々なテクノロジーが発達している現在では、他の機材との組み合わせを色々と試してみると面白いサウンドが得られるかもしれません。
歪み系エフェクターの中でも暴れん坊的なイメージのあるファズですが、バンド・サウンドの中で効果的に使用することで、よりギタリストの個性を際立たせることのできるエフェクターです。
あると便利なBOSSアプリ
定番のコンパクトエフェクターをアプリ内で|BOSS Pedal Sketch
演奏する曲ごとにセッティングを登録したり、お気に入りのアーティストのセッティングを登録したり、使い方は様々。