ギターシンセで自由自在な音作り。初心者にもおすすめローランド GR-20
ギターシンセサイザーと聞いて「どんなサウンド?」「どのように音を鳴らすの?」と気になられる方も多いと思います。
今回は、普段わたくしも愛用しているRoland GR-20について少し紹介したいと思います。
もくじ
エフェクター感覚で操作できる本格的ギターシンセ GR-20
ギターシンセサイザーと聞くと一見難しそうなイメージを持たれる人も多いかもしれませんが、ギタリストが普段使い慣れているエフェクターの感覚で操作できるのが、このギターシンセ音源部「GR-20」と専用ピックアップの「GK-3」のシステム。
現行で発売されている「SY-300」とは違い、専用のピックアップやケーブルを必要としますが、本格的なシンセサイザー機器としてギターを扱うことができ、今なお人気の機種です。
ただ現在は販売完了になっており、製造はしておりませんが、中古品などで多く出回っていますので気になる方はチェックしてみてください。
こんなギタリストにおすすめです!
ギターを使ってトリッキーな音を出したい!
電子機器としての技術で、普段ギターでは演奏できない「ピアノ」「ドラム」「ストリングス」「エスニック楽器」「各種シンセサウンド」等の音源を、ギターで演奏することができます。
GR-20では、様々なジャンルの高品位な音色469種類をプリセット・パッチとして内蔵し、ユーザー・パッチでは99種類を記憶可能。
それぞれのフィルターやアタック、リリースなどの設定、そしてその音色のエフェクト設定も記録できるので、ライブなどの際にも役に立ちます。
MIDIコントローラーとして
ギターシンセサイザーは、専用のGK-3ピックアップをギターに取り付け、ギターの信号をMIDI信号に変換し、音源を発音します。
GR-20のMIDI OUTから、他のMIDI音源に繋げると、ギターをMIDIコントローラーとして扱えます。
1人2役を目指したいギタリストへ
GR-20では、シンセサウンドを鳴らすことはもちろん、同時に通常のギターサウンドも出力することが可能です。
例えば「ストリングスをバックにソロを弾く」「リズム音源を鳴らしながらギターを弾く」と言う演奏が可能になります。
「1人で演奏しながら他のパートも鳴らしたい」アコースティックスタイルとしても、オススメです。
レコーディングで使える!
普段MIDIコントローラーでの演奏、ステップ入力などで作成している音源も、普段弾き慣れているギターを演奏しながら入力することで、デモ音源の作成やレコーディングがスムーズ尚かつより臨場感溢れたサウンドやニュアンスに近づけることができます。
専用のピックアップGK-3について
GR-20を使用するには、Roland GK-3やGK-2Aといった、各弦独立した信号を出力できる専用のピックアップが必要です。
これらを使用し、ギター各弦の信号をキャッチし、シンセサウンドとギター信号の切り換えや音量調節などを行います。
GK-3、GR-20の設定方法
GK-3ピックアップは、通常のエレキギターピックアップとは違い、各弦の弦信号を個別に出力することができます。
はじめにこのピックアップGK-3とGR-20の連携をうまくできるように調整を行わないと誤作動(音名を正確に拾ってくれない、反応してくれない等)の原因になります。
GR-20を扱う場合はこの設定がなによりも重要になります。
ピックアップの取り付け状態や、ピッキングに応じて、各弦の入力感度を設定します。
- ギターシンセは各弦の音程を分析し音源を鳴らしますので、まずギター本体のチューニングをしっかり行ってください。
- GK SENSボタンを押す
- 6弦だけを弾きます。この時にディスプレイの左桁に「6」と表示され、6弦が弾かれたことを示します。右側の桁にはGK-SENSの認定値が表示されます。この時、BANKインジケーターがレベルメーター表示になり、ギターからの信号の強さを表示します。
- NUNBER / VALUE ツマミを回して、感度を調節します。ディスプレイの右桁の数字が大きくなるほど感度が上がります。強くピックキングしたときにレベルメーターが一瞬点灯するぐらいに設定するとよいでしょう。
- 5弦〜1弦も同様に調節します。
- GK SENSボタン または、EXITボタンを押し本体に記憶させます。
GKピックアップ内蔵ギターもあります!
GK-3ピックアップの他にも、規格を開発したRolandとギターメーカーが提携を組み、GKピックアップをボディに内蔵、GK出力(13ピン)を搭載しているタイプのギターもあります。
直接ギターシンセ音源に13ピンのGKケーブルで接続することにより演奏情報をMIDIデータに変換することができ、DTMの際にはMIDI入力用ギターとしても活用できます。
自分でピックアップを取り付けるより信頼性が増しより安定した演奏が可能です。
Roland GC-1 GK-Ready Fender Stratocaster
RolandとギターメーカーFender社の共同開発されたストラトキャスター。
普段のアンプを通したノーマルなストラトキャスターとしての使用はもちろん、シンセ音源に繋げてのサウンドにもピッタリなギターです。
Godin
こちらもRolandと共同開発として進化を遂げてきた、Godinギター。
ナイロン弦、アコースティックタイプのギターにGKピックアップが内蔵されています。
MOOG Guitar
サスティナー内蔵で発音のコントロールができ、シンセ音源の多彩な表現でも活躍します。
Roland GR-20のサウンド
最後に
ギターシンセサイザーの可能性は無限大です。
普段のギターサウンドに飽き飽きした方は、是非使用してみてください。
新たな音楽制作で活躍すること間違いなしです!
スペック
同時発音数 | 48音 |
パッチ | ユーザー=99、プリセット=469 |
ディスプレイ | 7セグメント2桁(LED) |
エフェクト | MULTI-FX(パッチに含まれる)、コーラス、ディレイ/リバーブ |
接続端子 | GK IN、GUITAR OUT、MIX IN L、MIX IN R(MONO)、OUTPUT L(PHONES)、OUTPUT R(MONO)、MIDI (IN、OUT)、AC IN |
電源 | AC14V(付属ACアダプター) |
消費電流 | 600mA |
付属品 | 取扱説明書、ACアダプターBOSS BRC-100、GKケーブル(5m)、ディバイデッド・ピックアップ GK-3 |
別売品 | GKケーブル GKC-3(3m)/GKC-5(5m)/GKC-10(10m)、ユニット・セレクター US-20、GKパラレル・ボックス GKP-4 |
幅 (W) | 314 mm |
奥行き (D) | 245 mm |
高さ (H) | 63 mm |
質量 | 1.7 kg |
幅 (W) | 314 mm |
奥行き (D) | 245 mm |
高さ (H) | 98 mm |
ライタープロフィール
スタジオラグ
中尾きんや
スタジオラグスタッフ
ウェブサイト:https://www.studiorag.com
Twitter:kin_kinya