妥協ないモデリング/アンプシミュレーター・サウンド。プロ仕様のおすすめギター・マルチエフェクター BOSS GT-100
その充実した機能とサウンド・クオリティ、そして操作性において圧倒的なパフォーマンスを誇るBOSSのマルチ・エフェクター。
単に個々のエフェクターを集約しただけではなく、コンパクト・タイプのエフェクターを組み合わせただけではおよそ成し得ない程、多彩な音作りを可能にしています。
1996年に発表されたGTシリーズの機能はモデル・チェンジを繰り返すごとに充実の一途をたどり、そのクオリティは今やプロ・ミュージシャンも頼りにするほどです。
今回紹介するGT-100は、BOSSのマルチ・エフェクターのラインナップにおいても、まさにフラッグシップ・モデルと呼ぶにふさわしいモデルです。
膨大な機能を搭載するGT-100の特徴や仕様の中から、主要なものを解説します。
使いやすさを向上させるシンプル設計
GT-100は、内蔵された豊富な機能とは裏腹に、マルチ・エフェクターとしての外観は非常にスッキリしたデザインになっています。
そのシンプルさは前身モデルのGT-10と比較すると一目瞭然。
多数の新しい機能が追加されているにも拘らず、シンプルなデザインなデザインを採用したその理由は使いやすさを追求したからに他なりません。
また、GT-10と比較してもスグに気づくのが2つのLCDディスプレイです。
ディスプレイが2つになったことで、サウンド作りの際に左側の画面で各エフェクトの接続図を表示し、右側の画面で各エフェクトのパラメーター表示をするなど、直観的な操作が可能になっています。
また、PAGEボタンでディスプレイをスクロールさせることができる点も使いやすさを向上させています。
ディスプレイが一つの機種の場合、目的のエディットまで何度も画面を切り替える必要がありましたが、その煩わしさを一掃することで操作ミスを格段に減らすことができます。
このデュアル・ディスプレイは大型で視認性にも優れており、実際のライブなど暗いステージ上での使いやすさも格段に向上しています。
計25種類のモデリング・アンプ・サウンド
BOSS独自のCOSMテクノロジーによってモデリングされているアンプ・サウンドは、そのサウンド・クオリティから様々な製品で大きな支持を得ています。
GTシリーズはこれまでもCOSMテクノロジーを活かしたモデリング・アンプを内蔵し、アンプ・シミュレーターとしても非常に高いクオリティでギタリストのサウンド作りを支えてきました。
GT-100では、従来のアンプ・シミュレーターのようにヴィンテージ・アンプのサウンドを再現したVINTAGE AMP、そしてヴィンテージ・アンプのモデリング・サウンドを超えるべく新たに搭載されたADVANCED AMPという二つのセクションから選択することができます。
VINATGE AMPにはローランドのJC-120やフェンダー・デラックス・リバーブ、VOXのAC30にマーシャル1959など、アンプ界の定番機種とも言うべき名機のサウンドがズラリと揃えられています。
その数は実に17種類にも上り、GT-10から比べればサウンド・バリエーションそのものは減っているものの、基本的なアンプ・タイプそのものは残されています。
ベースとなるアンプ・サウンドを選択し、そこに各エフェクトで色付けをする作業を考慮すると、これだけのバリエーションでも十分すぎると言えるでしょう。
また、多くのギタリストに馴染み深いヴィンテージ・アンプ・サウンドとは一線を画するADVANCED AMP。
たとえばSTACK CRUNCHはスタック・アンプ並みのパワー感を与えつつ、ヴィンテージ・コンボ・アンプならではのレスポンスをミックスさせるという、実存するアンプでは出し得ないサウンドを実現しています。
「あのアンプと、このアンプの良いところだけを足して使いたい」という、ギタリストが今までに理想としたサウンドを、ここから見つけることができるかもしれません。
また、新パラメーターのT-COMPを使用することにより、チューブ・アンプならではのコンプレッション感を引き出すことも可能です。
内蔵されたエフェクターは、どれも“使えるサウンド”ばかり
そのクオリティの高さからモデリング・アンプ・サウンドに目を奪われがちですが、GT-100 に内蔵された多数のエフェクターは、BOSSの各エフェクターのクオリティをしっかりと引き継いでいます。
また、音色の選択幅も幅広く、たとえば歪み系のOD/DSであれば、PREAMPと同様に既存エフェクターのサウンドをモデリングしたVINTAGEと、オリジナル・サウンドからなるADVANCEDのセクションからベースの歪みを選択できます。
VINTAGEモードでは、BOSSブランドの象徴ともいえる名機OD-1をはじめ、MXRのディストーション+やエレクトロ・ハーモニクス社のビッグ・マフなど歪み系エフェクターの定番ともいうべき名機をモデリングした音が揃っています。
内蔵されたエフェクターは、好きなものを選択できるのはもちろん、その組み合わせの順序も自由です。
更に、エフェクターの組み合わせ配列を2系統用意し、それらを切り替えることはもちろん、ミックスさせて使用することも可能です。
また、設定したエフェクターの配列の中にDIVIDERを入れると、そこから配列がAチャンネル、Bチャンネルと分岐されます。
分岐された配列には、更に自由にエフェクターを組み合わせることができ、その配列をMIXERでミックスするということも出来るのです。
ベースとなる音作りの部分だけでも膨大な選択肢を作ることができるGT-100 は、それ以外の機能も十分すぎる程充実しています。
ギタリストにとっては飛び道具ともいうべきサウンドを内蔵したACCELペダルや、最大38秒のフレーズを録音可能なループ機能、もちろんチューナーやメトロノームは実用的なレベルで搭載されているので、不足しているものを探すほうが難しいくらいでしょう。