楽しく楽器を購入するための5つの注意点【ドラム編】
ドラムという楽器は、複数の楽器の集合体であります。
ピアノやバイオリンは、数百年前から形が決まっていますが、ドラムは1つ1つの太鼓の進化もしつつ、組み合わせは無限大なので、未だ完成されない未知の楽器とも言えるでしょう。
- 太鼓
- シンバル
- ハードウェア
と、大きく3つに別けることができると思いますが、種類やメーカーも多く何が良いか迷ってしまいますよね。
楽器を購入予定だけど何が良いか?
何を買うべきか?
そんな時に、1つの助けになればと思います。
何が欲しいのか?をよく考える
漠然と買い物をすると八割五分失敗すると思ってよいと思います。
少額ならあきらめもつきますが、高額となると脂汗ダラダラです。
例えば「シンバルが欲しい!」っと思った時に、どのシンバルが欲しいのかをよく考え自問自答してください。
ハイハット、ライド、クラッシュ、エフェクト系などなど、まずはそこから決めましょう。
ちなみに、僕はチャイナシンバルは使いません。
どうしても必要な時しか使いません。
なぜなら、自分の演奏スタイルにチャイナシンバルの出番が少ないからです。
ここで自問自答してもらいたいのが、「自分がどんな音を欲しているのか?」です。
各メーカーによって音も違うし、同じシリーズでも個体差で随分と変わります。
- 明るい音が良いのか?
- 暗い音が良いのか?
ココが決まっていないなら、財布の紐はキツく縛っておくことをおすすめします。
特にシンバルは、個体差で変わります。
可能なら、同じシリーズのシンバルを何枚か試打させてもらうことをオススメします。
注意点として、シンバルの試奏は耳に負担をかけます。
ワンワン鳴り過ぎて、耳が疲れて来て、最終的にはよくわからなくなります。
直感やファーストインプレッションも大事な購入要素の1つです。
どんな音が好きなのか?を知る
僕の好みの話ですが、太鼓は渇いた音よりも、少々湿っぽいツヤのある音が好きです。
なので、カラッとしたヴィンテージにはめったに手を出しません。
太鼓は浅胴が好きです。
80年代ジャパメタブームの頃のタムは、ほぼほぼ深胴でしたねぇ、セッティングがやりにくかったなぁ……
シンバルについては、自分の好みを模索中です。
これを培う方法は、やはりいろんな音楽を聴くしかないのです。
そこには、必ずこだわりを持ったプレーヤーが存在します。
若い時はどうしても演奏スタイルに耳が行っちゃいますが、ぜひとも「音色」に着目して聞いてください。
ここでしっかり覚えてもらいたいのが「太鼓はチューンできる」ということなんです。
自分の好みの音にチューンする
先程も書きましたが、ドラムは未知なる楽器で完成されていません。
ですので、チューンするだけで劇的に音が変わります。
1番簡単なのが、スネアの打面の上にガムテープを貼るミュート(音の良し悪しは別)。
また、表ヘッドと裏ヘッドのチューンを変えることで、別物の楽器のように変わることもあります。
ヘッドもたくさん種類があります。
すべてを試そうと思ったら、天文学的な数字の組み合わせですね。
昔、対バンしてた仲の良い女性ドラマーは、ピッコロスネアを使っているのに打面のヘッドはユルユルにチューン。
「ボゥン!」みたいな音が印象的でした。
ピッコロスネアの特徴が生かせてるかどうかは分かりませんが、バンドのサウンドにはピッタリだったので、最高でした!
シグネイチャーだと思いました。
固定概念をぶっ壊す
ピッコロスネアはシャープな音。
そんなイメージでしたが「チューン1つでこんなに印象が変わるんだなぁ!」「俺、まだまだ石頭だなぁ……」っと反省しました。
ドラマーのちょっと辛口な妹botから、
お兄ちゃん「TAMAのドラムに~~は合わない」みたいなことを友人に言ってたね。
でも例えばTAMAのドラムだって、STARCLASSIC, SUPERSTAR, SILVERSTAR, IMPERIALSTARといろいろあるのに、すべてそれらを叩いた上でそういうことを言ってるの?
うーん、耳が痛い……
当然、ジャズドラマーでもTAMAを使っていらっしゃる方なんて、たくさんいらっしゃいます。
YAMAHAなイメージなんですかね?
コージー・パウェル
や、トミー・アルドリッジ
もYAMAHAのエンドーサーですよ(笑)。
リハーサルスタジオの機材を参考に
かなりの確率で、
- バスドラム=22インチ
- タム=12インチ&13インチ
- フロアタム=16インチ
- ハイハット=14インチ
- クラッシュ=16インチ&18インチ
- ライド=20インチ
かと思います。
そこから入って、まず間違いないでしょう。
それは「普段使い慣れている大きさだから」と言えるからです。
扱いづらいモノを買って、失敗してはおもしろくないですからね。
しかし、入念なリサーチの元で、あえて冒険することも1つのチャレンジでもあります。
13インチのハイハットは個人的には扱いやすかったです。
スティーブ・ガッドのライドシンバルは18″ですしね。
ハードウェアもそうですが、ダブルレッグとシングルレッグでは、安定感は全然違います。
しかし、持ち運びを考えるとシングルレッグレッグの方がラクですよね。
また、
- バスドラムからタムをマウントするタイプ
- スタンドからマウントするタイプ
- ラックからセッティングするタイプ
安定感、鳴りの違い、運搬方法などなどを考慮してみてください。
自分のこだわりと直感を大事に
「新品のドラムセットを買う!」「シンバルやハードウェア、ケースまで一気買いだぜ!」っとなった場合、中古車が1台買えるくらいの値段になります。
置き場所も家具並みのスペースを必要とします。
なので、兎にも角にも慎重になってください。
旦那や奥さんに内緒で買えるほどコンパクトでも安くもありません(笑)。
よく考えて買うことをオススメしますが、若い時は、楽器を持つということが1つのステータスでもあります。
ですので、自分の感情を抑えられない情熱で買っても良いと思います。
- ピンク色のスティックがかわいいから買った!
- 好きなドラマーと同じスネアを買った!
- 誰も使っていないから26インチのバスドラムを買った!
すばらしいことだと思います!
購入した楽器は財産です。
それを買うことでモチベーションも上がりドンドン練習したくなり、上達に拍車が掛かります。
また、購入した楽器をキチンとコントロールしようと、楽器が購入者を育ててくれます。
高額な楽器が良い音とは言いません。
また、安かろう悪かろうでは意味がありません。
カスタマイズできる楽器なので、無理して高額の楽器を買って、カスタムに失敗して手離すなんてもったいないし、粗悪な楽器で、自分の耳を育てない事も問題です。
買って終わり!ではないところが、ドラムのおもしろいところではないでしょうか。
いろんな音楽を聴き、知識を高め、情報を可能な限りかき集め、自分好みの「ドラマー」になってください。
ライタープロフィール
ドラマー
中村"NOBU-san"暢晃
乙女座 AB型 12歳の秋、両親の勧めでドラムを始める。
この頃は、音楽の楽しさが理解出来ず、塾に行く感覚で通い始める。
中学生の頃に課題曲でやった、Suzanne VegaのLukaという曲から、面白さ・凄さを見いだす。
高校生の頃は、多数バンドに参加(ドラマーが僕しか居ないという事態)。
ここでも、ドラムの重要性を痛感する。
高校卒業後、専門学校に入学し、ドラム、ラテンパーカッション、ドラムコー、人間学を学ぶ。
また、この時期に出会ったBlack Musicは、僕の一生を左右するくらいの衝撃の出会いだった。
現在は、POPS、FUNK、ROCK、歌謡曲、演歌、JAZZ、HARD ROCKなどジャンルに納まらないLIVE活動やサポート活動の他、インストラクターとしての顔も持つ。
また、イベント主催やミュージシャンコーディネーター(インスペクター)としても、高い評価を得ている。
演奏サポートやLesson希望の方は、Mailにてお問い合わせ下さい。
ウェブサイト:http://nakamuranobuaki.org