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カナディアン・ロックの魅力~カナダ出身のおすすめ人気バンド
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カナディアン・ロックの魅力~カナダ出身のおすすめ人気バンド

洋楽ロックに詳しくなればなるほど、アメリカやイギリス以外のバンドに興味が生まれるものですよね。

ジャスティン・ビーバーさんやアヴリル・ラヴィーンさん、ザ・ウィークエンドさんといった世界的なアーティストを輩出したカナダも、実は素晴らしいロック・バンドが多く生まれた土地なのですよ。

本稿では、ロックはもちろんインディーポップやメタル、ポストロックなどさまざまなジャンルから選び抜かれたカナダ出身のバンドをご紹介します!

ロック史に残る伝説的なバンドから注目すべき若手まで、新旧を問わないバラエティ豊かなラインアップをぜひお楽しみくださいね。

カナディアン・ロックの魅力~カナダ出身のおすすめ人気バンド

The WeightThe Band

バンド・メンバー5人の内、カナダ出身のメンバーが4人含まれるザ・バンドは、卓越した技術を持った名プレイヤーたちが集まった、ロックの歴史において非常に重要な存在です。

アメリカで「リヴォン&ザ・ホークス」として活動を続けていた彼らは、1965年にフォークシンガーの新星として人気を博していたボブ・ディランさんのバック・バンドに抜擢されます。

ディランさんの音楽性がエレキギターを用いたフォークロック路線へと移行していた時期と重なっていたことは、偶然ではなく必然だったと言えるでしょう。

ディランさんとの活動を経て、バンドは1968年に「ザ・バンド」と改名し、名盤『Music from Big Pink』で本格的なデビューを果たします。

サイケデリック・ミュージックが盛り上がっていた1968年という自体において、あえてルーツ・ミュージックに着目してカントリーやフォーク、R&Bなどを融合させた渋いサウンドは同業者の間でも高い評価を得ます。

以降、1976年の活動休止までロック史にその名を残す名盤を多く発表する彼らの音楽に初めて触れるという方であれば、前述したデビュー作、1969年リリースのセカンド作『The Band』や『南十字星』という邦題でも知られている1975年の『Northern Lights – Southern Cross』辺りがオススメです!

同時に、彼らの解散ライブの模様を収録した『The Last Waltz』と、同名の伝記映画は60年代~70年代のロックに興味がある方であれば必ずチェックすべき傑作ですよ。

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Wake UpArcade Fire

カナダはモントリオールにて2003年に結成されたアーケイド・ファイアは、その創造性に富んだ作風とオーディエンスを熱狂させる見事なライブ・パフォーマンスを武器として、00年代以降のロック・シーンにおいて独自のポジションを確立したバンドです。

メイン・ソングライターにしてバンドの創設メンバーでもあるウィン・バトラーさんと、ウィンさんとは夫婦の関係でもあり、同じくソングライターを務めるレジーヌ・シャサーニュさんを軸として、一般的なロック・サウンドのフォーマットに留まらない、マルチ・プレイヤーたちによるさまざまな楽器を駆使した重層的かつクラシカルなアンサンブルは、早くから高い評価を受けていました。

2004年にアメリカの名門インディーズ・レーベルのマージ・レコードからリリースされたデビュー・アルバム『Funeral』は、翌年にはグラミー賞のベスト・オルタナティブ・ミュージック・アルバムにノミネートされ、2007年のセカンド・アルバム『Neon Bible』も同じ章にノミネート。

2010年のサード作『The Suburbs』ではイギリス、アメリカ、そして本国カナダでチャート1位を記録、第53回グラミー賞の年間最優秀アルバム賞を受賞しました。

そんな彼らの音楽性は一口で表現できるようなものではありませんし、楽曲単体ではなくアルバム全体の世界観に没入して楽しんでいただきたいですね。

機会があれば、彼らの真価が発揮された素晴らしいライブにもぜひ足を運んでみてください!

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PhotographNickelback

2000年代以降、商業的に最も成功したロック・バンドの1つがカナダ出身のニッケルバックです。

ベーシストのマイク・クルーガーさんが、スターバックスでアルバイトを務めていたときに「5セントのお返しです」という言葉をよく口にしていたことからバンド名が誕生したというエピソードはとても有名ですよね。

ニッケルバックの結成は1995年のことであり、翌年の1996年にはデビュー・アルバムとなる『Curb』をリリースしています。

地道にツアーを回っていた彼らの転機となったのが、2001年にリリースされた3枚目のスタジオ・アルバム『Silver Side Up』の先行シングルとなった『How You Remind Me』の大ヒットです。

グランジ~オルタナティブロック譲りのハードなギター・サウンドと、フロントマンで作詞と作曲を担うチャド・クルーガーさんの艶っぽく力強い歌声が絶妙にマッチした、ニッケルバックの王道と言えるキラーチューンであり、ここから彼らは一気にトップバンドへと上り詰めます。

あまりにも売れすぎたがゆえに批判も多い彼らではありますが、たとえば2005年の大ヒット曲『Photograph』のようなノスタルジックな熱いバラードを聴くだけでもわかるように、ぶれることはなく誰もが口ずさめるような曲を生み出し続ける彼らの魅力を、つまらない先入観で知らずにいるというのは本当にもったいないです。

ベスト盤も出ておりますから、まずはそこから聴いてみるのもいいですよ!

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I Hate Everything About YouThree Days Grace

たとえばニッケルバックなどもそうですが、カナダには北米のいわゆるポスト・グランジ~オルタナティブ・メタルと呼ばれるサウンドに影響を受けた名バンドが多く存在しています。

本稿の主役、スリー・デイズ・グレイスはまさにその代表格といっても過言ではない人気バンドです!

彼らの結成は1997年にまでさかのぼり、当時はトリオとして活動していました。

2003年にはギタリストが加入して4人組となり、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリース。

こちらのアルバムは現在世界中で200万枚以上という売り上げを記録し、彼らは一気にトップ・バンドの仲間入りを果たします。

2021年の現時点で計6枚のアルバムを発表しており、そのどれもが高いクオリティを誇る作品で、商業的にも安定した成績を収めているのですね。

ミッドテンポでグランジやオルタナ譲りの静と動のダイナミズムを駆使したギター・サウンドを軸として、内省的な歌詞をハスキーな声質のボーカルがメロディアスに歌い上げるスタイルは、なかなか日本では広まりにくいものではあるのですが、その分熱狂的なファンも多く存在していますよ。

近年はよりスケールの大きなロック・サウンドを手に入れた彼らですから、まずは初期の作品を聴いてから、順を追って彼らの音世界に触れてみることをオススメします。

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Afraid Of HeightsBilly Talent

残念ながら日本における知名度はやや寂しいものがありますが、本国カナダでは国民的なロック・バンドであり、ヨーロッパにおいても絶大な人気を誇るのが、カナダはオンタリオ州のミシサガ出身のビリー・タレントです。

もともとは1993年に前身バンドのPezzという名前で活動を開始したのが彼らの始まりで、1999年には同名のバンドがアメリカに存在していることを知り、現在のビリー・タレントへと改名したのですね。

2002年にはメジャー契約を交わし、翌年の2003年にセルフ・タイトルのアルバムで本格的なデビューを飾ります。

ハスキーでエモーショナル、非常に耳に残る特徴的なボーカルが熱く激しく歌い上げ、パンクロックを軸としながらもどこか哀愁を帯びたアグレッシブなサウンドから織り成す楽曲群はどれも素晴らしく、本国ではチャート6位を記録。

2005年のカナダにおけるグラミー賞「ジュノー・アウォード」で、あのシンプル・プランを押さえてアルバム・オブ・ジ・イヤーとグループ・オブ・ジー・イヤーを獲得しているというエピソードだけでも、彼に対する高い評価が理解できるでしょう。

その後リリースされたアルバムはすべてカナダのチャートで初登場1位をマークし、強烈なライブ・パフォーマンスで魅せるライブが評判を呼んでヨーロッパでの人気も高まります。

冒頭で述べたように残念ながら来日経験はサマーソニックで2回、と極端に少ないのが災いして知名度につながらないもどかしさはあるのですが、熱い「歌」を聴きたい方には大推薦のバンドです!

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BloodmeatProtest The Hero

2000年代のメタルコア・ブームにおいて、10代という若さでシーンに殴り込みをかけたカナダ出身のプロテスト・ザ・ヒーローの登場は衝撃の一言でした。

圧巻のテクニックに裏打ちされたプログレッシブで複雑怪奇な楽曲展開、パワーメタルのようにオペラ調のボーカルもシャウトも自在にこなすシンガー、ジャンルで括るのが不可能なほどの音楽性の強烈さは、2005年のデビュー・アルバム『Kezia』の時点で十二分に感じ取れましたね。

2年後の2007年には日本でも同作品がリリースされて来日も果たし、ラウドなロック好きやメタル好きをあっと言わせました。

とはいえ、彼らの本領が発揮されるのはそれ以降から。

2008年のセカンド・アルバム『Fortress』では初期のカオティックな要素を残しながらもプログレッシブな方向性へと舵を切って、政治的な主張が強かった歌詞も、より物語性に富んだものや哲学的なものへと変化し、バンドとしてのレベルの違いを見せつけます。

2013年に自主制作でリリースした通算4枚目のアルバム『Volition』以降はメンバー・チェンジも経験し、オンライン上での楽曲のリリースを経て2020年には久々のフル・アルバム『Palimpsest』を発表しました。

普通のメタルやパンク~ハードコアとは違う、刺激的で類を見ないヘビー・サウンドが聴きたいという方は必ずチェックしてください。

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