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【プロ直伝】クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法
最終更新:

【プロ直伝】クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法

今回はクラシックギター・ガットギターのの交換方法について解説します。

古くなったギター弦を新しくすることで、弾きやすくなったり音がクリアになるのはもちろんですが、ギターのコンディションを確認する意味でとても大切なメンテナンスの時間です。

弦をブリッジの穴に通す

クラシックギター

https://pixabay.com/

まずはギターを寝かせた状態にします。

ハードケースをお持ちの方なら入れた状態で大丈夫です。

まず、新しい弦を袋から出して弦の両端を見てください。

1弦から3弦(ナイロン弦)には色がついている方とついていない方があります。

メーカーによっては両端とも色がついていないものもあります。

4弦から6弦(巻き弦)には色がついていて、なおかつ弦の巻きが荒くなっている方とそうでない方があります。

参考:ギター弦のおすすめ。種類と選び方

その色がついていない方、または巻きが荒くなっていない方の側をブリッジの穴に通します。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ブリッジ部)

通した弦をブリッジに固定する

弦をブリッジの穴に通したら、写真のようにして通した弦の端を折り返して、ブリッジを通っていない側の弦の裏側にもぐりこませましょう。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ブリッジ部)

次に、今もぐりこませた弦の端を、写真のようにして、先ほど弦を折り返したときにできた弦の輪に通します。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ブリッジ部)

そうしたら、先ほど弦の輪に通した弦の端を、写真のようにして右手の小指でブリッジの側面に押し当てます。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法

その状態で、もう一方の側の弦を、写真のように左手で引っ張ります。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ブリッジ部)

これで、弦がブリッジに固定されました。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ブリッジ部)

なお、今画像で示したのは6弦の場合ですが、1弦から5弦をブリッジに固定する場合にはこれら作業をもう1回行うと、より強固に固定でき、弦がブリッジから抜けてしまうようなことがなくなります。

もう一方の弦の端をヘッドに固定する

さて、次はもう一方の弦の端をヘッドに固定します。

今度はギターを立てた状態にします。

写真のように右手で弦をナットのあたりで押さえて、左手で弦の端を弦倉(ヘッドの空洞にある白い棒)の穴に通します。

このとき、弦倉の穴は手前の方を向いているようにしましょう。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

弦を弦倉に通したら、左手で通した弦を引っ張った状態で折り返し、写真のように右手の空いている指で弦がたるまないように押さえて固定します。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

そうしたら、左手でペグ(糸巻き)を時計回りの方向に回します。

すると、先ほど手前のほうに向いていた弦倉の穴が上の方に回っていきます。

そして、弦倉の穴が真上を向くまでペグを回します。

弦が引っ張られた状態でペグを回したことにより、弦に型ができたため、弦を押さえていた右手の指を放しても弦がたるむことはなく、次の作業が楽になります。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

次に、先ほど通した弦の端に戻りますが、弦倉が真上に向くまでペグを回したので、弦の端は弦倉の真下から出ています。

その弦の端を裏側に折り返して手前へと持ってきます。

そして、ナットと弦倉の間にある弦の部分に、弦の端をもぐりこませます。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

そうしたら、弦倉の上部を通して左手で弦の端を引っ張ります。

このとき、しっかりと引っ張って弦にたるみなくしごいておくと見た目もキレイに弦を巻くことができます。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

あとは、ペグを回していけば完成です。

弦の端の長く余っている部分はペンチやニッパーで切ってしまいましょう。

クラシックギター・ガットギターの弦の交換方法(ヘッド部)

弦の張り方の余談

今回解説した方法はオーソドックスな方法で、実は、弦の張り方にはいくつか種類があります。

人によっては当然こだわりもあります。

また、張り方によって音に差が出るという話もあります。

その中には物理的に実証できるものもあれば、そうでないものもあり、今回は割愛いたします。

ただ、音にこだわる1人のミュージシャンとして言えば、弦の張り方によって音が変わるというのは正直感じません。

それよりも、この記事を読んでいる方には、頻繁に新しい弦に交換して良い音でギターに接し、弦の交換にもなれてキレイに巻けるように、そして自分なりの巻き方を身につけてほしいと思います。

弦の張り方ひとつとっても個性が出るものですから。

ライタープロフィール

大沢稔

ギタリスト

大沢稔

作曲家、ギタリスト、マルチインストゥルメンタリスト。

パリ国立地方音楽院クラシックギター科卒。

フランスのブーローニュ・ビヤンクール国立地方音楽院、オルセー県立音楽院のクラシックギター科教授歴任。

現在、新潟県上越市にて自身の創作、演奏活動を、また、ギター・英語・フランス語教室を主宰している。

大沢ギター・英語・フランス語教室

http://minoruohsawa.wixsite.com/ohsawaguitar

ウェブサイト:http://minoruohsawa.wixsite.com/minoru-ohsawa

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