【ボーカリストを目指す】知っておきたい「女性の声変わり」の知識
先日メッセージをくださった60代女性の方で「歌う際に高域が出ずに悩んでいる」というお悩みを頂きました。
せっかくなので、今日は女性に訪れる「声変わり」についてお話ししていきたいと思います。
女性の声変わり
まず男性の声変わりと言ったら思春期に訪れることが一般的ですが、女性の場合は閉経と共に訪れます。
閉経後はホルモンバランスが崩れることから声帯がむくみ易くなります。
むくみって何かと言うと漢字で書くと「浮腫み」なのですがこの字からも分かるように、むくむということはいつもの状態より多くの水分を含むことを指します。
結果的にむくんだ声帯の重さは重くなり若い頃に比べ声が低くなります。
またむくみだけでなく、筋力衰退、声帯粘膜の分泌が減少してしまうことから「声が低くなる+嗄(か)れてくる」ような声に変化していきます。
しかし改善していく方法はいくつかありますのでご安心を。
普段なるべくむくまないように、エクササイズをして声帯に働きかけていけば浮腫(むくみ)は多少軽減されていきます。
あと重要なことが常に水を飲むように心がけること
シニア世代の方が大好きな飲み物は温かいお茶だと思いますがお茶は必要な油分も流してしまうことから声帯が乾き易くなります。
できればお茶は3時のおやつの楽しみだけにとっておいて、常に飲む飲料水は常温のお水をおすすめします。
ちなみに私の音大時代の声楽の先生は皆さん60代、70代、80代の先生ばかりでしたが演奏中はそれはそれは圧倒的な迫力と艶のあるお声でありました!
高齢期を過ぎても若い頃と同じように声帯を保ち続けている方もたくさんいらっしゃると思います。
特に80代のおじいちゃん先生はいっつも「恋愛をたくさんしろ!恋愛なしでは歌は歌えん!」が口癖でありました(笑)。
おじいちゃん先生は女の子が大好きでいつもお気に入りの学生を周りに引き連れてハーレム状態でありました。
そういう環境が声を若く保っておられた秘訣(ひけつ)なのかもしれませんね。
肌だけでなく、声のアンチエイジングにもぜひ耳を傾けてみてください。
ライタープロフィール
ボイストレーナー・舞台歌唱指導
詩菜
5歳よりピアノを初める。
尚美学園大学音楽表現学科ピアノコースを卒業。
卒業後は某音楽スクールに勤務。
スクール第1位の人気インストラクターとして評価されチーフインストラクターに任命される。
退職後は、ボイストレーナーとして独立しVoice Arrangemtを立ち上げる。
近年ではメジャーアーティストのバックコーラス、地方コンサート公演など、現役のプロヴォーカリストとしても活躍。
また数々の現場でレコーディングディレクションを担当。
独自のメソットで、仮歌制作→ボイストレーニングレッスン→レコーディングまでの一連の流れでクオリティーの高いレコーディングを実施出来ると定評がある。
プロの現場で培った、現場で使える実践的なコーラスワークや、音楽業界・現場の基盤、基礎なども積極的に教えている。
これまでの経験を生かしアイドルグループ「はっぴっぴ」のプロデューサーとしても活躍中。
ウェブサイト:http://voice-arr.com