大学生の時、バンドマンとして何をしておくべきか
この春から大学3回生となる後輩から、このような質問をされました。
「僕は次3回生になるのですが、3回生の時は何をしておくべきでしょうか?3回生の時は何をされていましたか?」
彼は、特に「音楽活動の上」のみを対象とした訳ではなく、学業として・その後に控える就職前準備として、そのような意味で尋ねたのだと思います。
もくじ
正直、答えに窮しました。
私は大学3回生の頃、ほぼ「バンド」と「バイト」しかしておらず、彼が期待する答えを返しようがなかったからです。
「ごめん…。僕は勉強においてはほぼ断念してしまったし、就職のことなんか一切考えてなかった。ひたすらバンドとバイトしてたなぁ。ただ、バンドについてはメンバーと本気で取り組もうとバンド名も変えて心機一転し、一番ライブも活発に行ってたかな?バンドで当時新商品として登場した4tr MD MTRを購入して、自分達で音源録音も頻繁にしていた」
辛うじて答えたその言葉は、質問を投げかけた後輩には一切意味をなさなかったでしょうが、あらためて3回生の頃や大学時代何をしていたか、私的には久々に思い出すきっかけとなりました。
前置きが長くなりましたが、今回は「大学生の時、バンドマンとして何をしておくべきか」ということについて考えてみたいと思います。
大学時代の楽しみか、ミュージックライフか
音楽活動を自分の人生においてどういう位置づけにしているかで、何をするべきかは変わってきます。
と言っても、最初から割り切って位置づけられる訳でなく、活動を続けるうちに位置づけられていくことの方が多いとは思います。
仲間とのコミュニケーションや学生時代の思い出として、在学中のみの活動と割り切ることもある種潔いでしょう。
しかしここでは、ミュージックライフとして形はどうあれ何らかの活動を続ける、また続けて欲しいという思いから、そういう視点で話を進めたいと思います。
私の経験と反省から
では私自身は大学時代どのような音楽活動をしていたか、恥をしのんで振り返りたいと思います。
1回生
大学の軽音楽部に所属し、同級生のドラム・ベースと、見つかるまで仮でということで3回生のヴォーカリストと大学初のバンドを結成します。
最初はエアロスミスやヴァン・ヘイレン等のコピーから始めましたが、夏頃に同級生のヴォーカリストが見つかりオリジナルも制作開始。
冬に行われた1回生発表会のようなライブが磔磔であり、そこでライブデビューしました。
この頃はジャンル問わず色んな音楽を聴くようになりました。
また、先輩方がすご過ぎて完全にビビっていましたね。
卓越した技術を持つ方もおられたということもありましたが、皆強烈な個性を放っていて近寄りがたい存在でした。
ギタリストとしては、ひたすらCharのプレイスタイルを研究していたように思います。
2回生
ギタリストが卒業されたということで、後任として上回生のジャミロクワイのコピーバンドも始めました。
「アルバム1枚コピーしろ」等の無茶ぶりもされましたが、おしゃれなコード使いやファンク系の16ビート等、大いに勉強になることがありました。
オリジナルバンドの方もちょくちょくライブハウスに出演していましたが、まだ青春の1ページの域を出ない非常に青臭いものだったと思います。
3回生
冒頭で述べましたが、「どう転ぶか分からないけれど、もっと本気でバンド活動に取り組んでみようぜ」とバンド内で一致団結し、ライブも録音も最も活発に行っていた時期です。
年半ばで私が事故でしばらくギターが弾けなくなり、数ヶ月活動休止になってしまいましたが…。
バンドの音楽性としては、いいと思えない曲にははっきりダメ出ししたり、プレイ面で至らぬところは互いに指摘し合ったりして、以前よりは納得のいく楽曲制作・演奏が出来るようにはなっていたと思います。
1年休学
4回生に進学するにあたり、私は「まだ満足できる音楽活動に至れていない。どこまで出来るのか試したい。就職のことを考えられない」ということで1年休学しました。
他のメンバーも大学院進学や残念ながら留年(笑)等で就職活動者はおらず、バンド活動を継続します。
秋くらいに完成した自主音源は当時かなり満足度の高い作品で、1曲だけデータが残っていますが、今聴いてもぼちぼち頑張ってたなと思えます。
しかしその直後、バンド活動とは全く関係ないやむを得ない事情で、このバンドの活動は終了を余儀なくされました。
4回生
何となく就職活動的なこともしてみましたが、やはり普通に働こうという気にもなれず、後輩達と新しいバンドを始めたりもしてみましたが、何もかも中途半端で音楽的にも人間的にも全く成長のなかった1年でした。
ある種ぬけがらだったのでしょう。
しかし新しいバンドのドラマーとは、卒業後からインストバンドを10年くらい一緒にやることになります。
休学してなかったら出会うこともなかったかも知れませんので、人生における縁とは不思議なものです。
ここに書き切れないことも多く、振り返れば意外に出来ていたことも、やっぱり出来ていなかったこともあります。
自分の経験も踏まえ考えてみると以下の3点が重要な点だと思います。
音楽に時間をかける
学生時代が「モラトリアム」と言われるように、将来を見据え「時間」を自分の好きなようにデザイン出来る唯一の時期が学生時代です。
学業、恋愛、友人、アルバイト、色んなことがあると思いますが、音楽にかける時間を大事にする・作る。
一人で練習する時間、バンドで練習する時間、音楽を聴く時間、勉強や研究をする時間、音楽を作る時間。
お金はかけられなくても、時間はかけられます。
この時期音楽にいかに時間を費やすかが、その後のミュージックライフにおいて大きな財産となります。