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よくわかるギター用コンプレッサーエフェクターの使い方
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よくわかるギター用コンプレッサーエフェクターの使い方

コンプレッサーというエフェクターをあなたは使ったことがありますか?

「どんな時に使うの?」「どんな効果があるの?」と気になっている人は、参考にしてみてくださいね。

今回はギター用のコンプレッサーエフェクターの使い方や効果を紹介いたします。

コンプレッサーエフェクターって?

コンプレッサーエフェクターって?

https://pixabay.com/

コンプレッサー(compressor)は、音を加工するエフェクターの一種で、音の強弱の差を少なくするエフェクターです。

音の三要素(高さ・音量・音色)の音量部分を担います。

他のエフェクターと違い、エフェクターをかけても分かりやすく派手に変化する印象はありませんが、音量をコントロールする上で大変重要な働きをしてくれます。

コンプレッサーは音響機器としてもレコーディングやライブPAの現場でもよく使用されます。

ここで紹介するギター用のコンパクトタイプのコンプレッサーは、ギター独自のアタック感やサスティンなどを調節するために作られています。

音の強弱の激しい楽器や演奏は、バンドアンサンブルの中では聞きづらい音になりがちです。

その中でコンプレッサーをかけると、音のダイナミクス(音量差)を整えることで、粒がそろってどの音も聞こえやすい音量になります。

さて、ここまでで、すでに横文字が多くて混乱してきたという人もいると思います……。

大丈夫ですよ、あきらめないでください!

得られる効果はいたってシンプルなんです。

作り出した人は天才ですが、原理を理解することはそれほど難しくありません。

自動でボリュームを調整してくれる

例えば音楽を聴いているとき、最後のフェードアウトの部分をよく聴きたくてボリュームを上げた経験はないですか?

そして次の曲が始まる前にボリュームを戻す……と。

それと同じことをちょうどコンプレッサーが自動で操作してくれているのです。

これによってサウンドがより安定した音になり、アンサンブル上でも音が埋もれることなく音量をキープできます。

強い音を抑えて、弱い音を持ち上げるのがコンプレッサーの基本的な役割です。

これらの特性を生かして、サスティン(音の長さ)もコントロールできます。

使い方で次第で、楽器自体の音のアタック感を強調させることも可能です。

オーバードライブやディストーション系のエフェクターをつないでいるときには、音は歪んでいる(音がつぶれている)状態なので、あまり変化が分かりにくいかもしれませんが、クリーントーンのアルペジオ(単音弾き)やカッティングの際に、コンプレッサーをかけるとキレイに抜けがよく聞こえるようになると思います。

そしてギターソロなどにも活用すると音圧感が出てサスティンも伸び、より存在感のある音に変化します。

コンプレッサーの接続順は、基本的にギターのすぐ後につなぐほうが好ましいでしょう。

たくさんエフェクターを通過すると、それまで目立たなかったノイズが強調され、聞こえてしまうときがあるからです。

ここまで文字で説明しましたが、音を聞いてもらうと理解しやすいかもしれません。

コンプレッサーのツマミの意味

コンプレッサーのツマミの意味

よく出てくるパラメーター(ツマミ)の意味をまとめました。

Threshold(スレッショルド)

圧縮する音量レベルを決めるツマミです。

下げれば入力が小さくても音の粒がそろい、上げれば特定の音量以上で音の粒がそろいます。

Attack(アタック)

入力した音が圧縮されるまでの時間を調整するツマミです。

下げれば(短くしたら)すぐ圧縮され、上げれば(長くすれば)圧縮されるタイミングが遅くなります。

Release(リリース)、Sustain(サスティン)

圧縮されている時間を調整するツマミです。

通常、サスティンを下げれば音の長さ(サスティン)は短くなり、上げればサスティンが長くなります。

Gain(ゲイン)level(レベル)

圧縮後の音量を調整するツマミです。

Tone(トーン)

音の高さを調節するツマミです。

Ratio(レシオ)

スレッショルドを超えた部分の音に対し、音量を「元の何分の1にするか?」を決定するツマミです。

例:Ratio 2:1 → スレッショルドを超えた部分の音量は元の半分になります。

コンプレッサーエフェクターの使い方

コンプレッサーエフェクターの使い方

長々と原理やパラメータを説明しました、あなたはもう完全に理解できましたか?

さすがにいきなり全てを理解するのは難しいと思います、でも丈夫ですよ。

コンプレッサーは完全にその原理を理解せずとも、十分に扱えるエフェクターですからね、まずはサウンドの変化を理解しましょう。


楽器の音量が大きなときはボリュームを下げて、逆に小さなときはボリュームを上げる、という
操作を超素早くしていると思えば、理解しやすいと思います。

つまり、

どうでしょう?イメージできますか?

数例上げて、使い方を説明します。

音量をガツンと押さえて粒をそろえたい場合は、ThresholdとAttackを下げ、Releaseを上げて、Gainを適正な音量にすることで、リミッターのような効果を生み出すことができます。

このような設定は、ギターだけではなくベースなどで使用されることもあります。

アタック感を保ったまま、音の長さを長くしたい場合(ギターソロ、アルペジオなど)は、Attackを少し上げ、Releaseを上げて使用します。

音量がピークのときだけかかるようにするためには(カッティング時など)、Thresholdを上げ、Attackを下げ、Releaseを下げすることで一時的な音量コントロールとして効果を発揮します。

ただ、ギター用のコンプレッサーは、細かいコントロール値が固定され、サスティンとGainだけで構成されているタイプも多いので、より直感的にシンプルに調節することができます。

演奏時の好みや状況、機種によって設定の仕方は変わりますので、どのツマミがどんな役割かを理解して、実際に演奏しながら調節していくことをおすすめします。