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Cubase(キューベース)付属のリバーブプラグイン4種類を比較してみた
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Cubase(キューベース)付属のリバーブプラグイン4種類を比較してみた

今回は、Cubase Pro 8.5に付属する4つのリバーブ「REVerence」「REVelation」「RoomWorks」「RoomWorks SE」を紹介します。

まずはそれぞれの簡単な特徴から説明したいと思います。

REVerence(コンボリューション・リバーブ)

REVerence(コンボリューション・リバーブ)

一般的な部屋やコンサートホールは時間とともに音が減衰していきますが、この諸々の特性が詰まったデータ(=インパルス応答、IR)を用いて残響を予測・計算するタイプのリバーブです。

特徴として、部屋の残響のニュアンスが出しやすいこと、また後述するアルゴリズム・リバーブと比べると音の密度がやや薄いことの2点挙げられます。

REVelation(アルゴリズム・リバーブ)

REVelation(アルゴリズム・リバーブ)

Cubase 7.5で新しく追加されたリバーブ。

山びこのような効果を持たせるエフェクトとして「ディレイ」がありますが、アルゴリズム・リバーブはこれの応用ですね。

ディレイを何度も複雑に重ねたもの、といえばわかりやすいでしょうか。

RoomWorks(アルゴリズム・リバーブ)

RoomWorks(アルゴリズム・リバーブ)

REVelationとは異なり特定のハードウェアを参考にしたというわけではなく、またGUIもシンプルです。

「Efficiency」というパラメータで残響音の品質をコントロールできます(値が小さいほど高品質・高CPU負荷)。

RoomWorks SE(アルゴリズム・リバーブ)

RoomWorks SE(アルゴリズム・リバーブ)

RoomWorksの簡易版。操作できるパラメータが少なくなっています。

Cubase Artist以下のグレードではこのプラグインのみが付属します。

ピアノで聞き比べ

それではさっそく4つのリバーブを聞き比べてみましょう!

パラメータは上の4つの画像と同じです(リバーブはCubaseのFxトラックに作成しセンド&リターンで使っています(センド量はすべて同じ)。

またWet100%で、PreDelayは5ms、DampingやFilterなどのEQ的なセクションは触っていません)。

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/276579527″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

リバーブなし、REVerence、REVelation、RoomWorks、RoomWorks SEの順番です。比較しやすいようにリバーブを深めにかけていますが、いかがでしょうか?

厳密に同じパラメータにすることは不可能なのですが、個人的に、REVerenceはしっとりした響き、REVelationは高域に特徴がありデジタルな感じ、RoomWorksはその中間、という印象です。

アコースティックギターで聞き比べ

続いてアコースティックギターで聞き比べてみましょう。順番はピアノと同じです。

[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/276579205″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]

どうでしょうか?さっきより違いが分かりやすいかもしれませんね。

REVerenceはやや中域が膨らんでいるのに対し、RoomWorksの残響はスッキリしている気がします。

RoomWorks SEは、RoomWorksと比べると少しメリハリに欠ける印象です。

最後に

楽器2種類だけの比較ですが、RoomWorksの音が良いのが少し意外でした。

また、REVelationは密度が濃いためボーカルなどに合いそうですが、ややハイがシャリシャリしている印象なので、リバーブの後にEQを挿してハイをカットするなどのケアが必要かもしれませんね。

REVerenceはこの中では唯一のコンボリューション・リバーブなので、これも使う頻度は高いと思います。

Cubase付属のリバーブはどれも質が高いので、これらに満足できなくなったときに、サードパーティのプラグインを買うのがいいのではないでしょうか。

Snowdropでした!

ライタープロフィール

トラックメーカー・DTMer

Snowdrop

関西を拠点に活動している若手トラックメーカー。

インディーズアーティストやアイドルグループなどへの楽曲提供後、現在はR&B/Hip Hopの制作がほとんどを占める。

West Coast Hip Hopから最新のTrapまで幅広く対応し、これまで15組以上のアーティストにトラック提供歴あり。

トラック制作依頼お待ちしています。

SoundCloud:

https://soundcloud.com/snowdrop_jpn

ウェブサイト:http://snowdrop.main.jp

Twitter:snowdrop_music

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