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【DJ入門】曲のピッチ合わせ完全攻略法
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【DJ入門】曲のピッチ合わせ完全攻略法

今日はDJの基本、「ピッチ合わせ」についてのお話です。

アナログ、CDJ、PCDJの3つに分けて解説しております。

ピッチを合わせるとは

DJ用ターンテーブル

DJが曲を途切れないように同時に曲がかかった状態でミックスするためには曲と曲の速さ(BPM)をそろえなければなりません。

BPM(Beat Per Minute)とは曲のスピードを表す単位です。

簡単に言うと、1分間に何回ビートを刻むかということ。

BPMが120なら1分間に120拍のビートということです。

例えば今プレイしている曲Aが127BPMで、これからプレイしたい曲Bが125BPMだとすると、Bの曲を再生するスピードを上げて127BPMに合わせます。

Aと同じ速さにそろえた上でミックスすることでスムーズにミックスができるのです。

曲の速さをコントロールするのが、ピッチコントローラーです。

DJ用のアナログプレーヤーやCDJ、MIDIコンなどにも付いています。

PCDJであればソフトウェア内蔵のシンクボタンで自動に合わせてくれるので、BPMが一定の曲をプレイするのであればあまり操作はしませんが、アナログやCDなどでプレイする場合は手動でピッチコントロールを行う必要があります。(CDJの一部の機種にはシンクボタンが付いているものもあります)

ターンテーブルでのピッチコントロール

レコードをプレイするDJがピッチコントロールを行う時はターンテーブル(レコードプレーヤー)のピッチコントローラーを振り子の様に動かして行くと素早く合わせることができます。

次にプレイするレコードBを曲の頭を合わせてホールドしておき、現在かかってるAの曲の一拍目に合わせてリリースします。B曲のピッチコントローラーのメモリは現在±0であるとします。

ここからは耳が頼りです。

Aの曲よりスピードが遅ければピッチコントローラーをプラスの方向に動かします。例えばメモリ+3.0%辺りまで動かすとします。

そうするとBの曲が早くなりました。

Bの曲が早くなってAの曲のスピードを超えてしまう場合は逆にマイナス方向に動かさなければなりません。

メモリをすこし戻して+1.0%まで下げます。

すると今度は少しずつ遅れて来ました。

今度はまたプラス方向に動かします。

+2.0%まで上げます。

しばらくすると少し早すぎることがわかりました。

またマイナスに下げます。

今度は+1.5%くらいに下げて……という作業を、繰り返し行いアタリの幅を狭めて見つけて行くのです。

文書で説明するのは難しいですが、ピッチコントローラーを上下に動かして振り子の様に振りながら合わせると素早くピッチを合わせることができるのです。

メモリのおおよその数字だけで見るとこんな感じ。

±0→上げる+3.0%→下げる+1.0%→上げる+2.0%→下げる+1.5%→上げる+1.3%→下げる+1.2%……

練習を繰り返し行えば15秒くらいあればおおよそミックスできるレベルまで正確に合わせることができる様になります。

私もアナログでDJをやっていた頃は10秒位で合わせる練習をしていたことがあります。

上手い人は数秒でこの作業を行い瞬時にミックスを行えます。

上手いDJほどターンテーブルに触れる時間が短いのは間違いない!

ここは耳が頼りになるのでズレているかどうかが分かる様になるためには自分のミックスを録音して聴くことを繰り返すのがオススメです。

CDJのピッチコントロール

CDJでピッチコントロールを行う場合も、アナログと同じ様にピッチコントローラーを上下に動かして合わせることが可能ですが、もっと便利で早い方法があります。

計算で合わせる方法です。

以前木村コウさんやQ’heyさんも紹介していました。

BPMが125の曲の場合、BPMを「1」上げる場合に必要なピッチコントロールは+0.8%です。

BPMを126にしたい場合はピッチコントローラーを+0.8%にすればいいのです。

BPMを2上げたい時は0.8+0.8=1.6 なので+1.6%に上げればBPMが127になります。

3上げたいときは0.8+0.8+0.8=2.4なので+2.4%に合わせると125→128になるという訳です。

カンタン!

現在かかってる曲Aが126BPMで、これからかけようとする曲Bが125BPMの場合、BPMを1上げて126に合わせなければなりません。

しかし、何も考えずにBのピッチコントローラーを+0.8%に合わせるだけで、あら不思議!ピッチが合う!こりゃあカンタン!

【BPMの差×0.8=】の計算を行うだけでピッチコントローラーを何%動かせば良いかが簡単にわかります。

ピッチコントローラーを上下に動かして合わせるより簡単なのでCDやUSBでプレイする方は参考にして下さい。

最近の高いCDJにはシンクボタン付いていますし、CDJのディスプレイに0.1単位でBPMが出るのでこの計算さえ要らないこともありますが、現場によってCDJの型番が低くて細かい数値が把握できないこともあるので覚えておくと損はないと思います。

しかし!

この、0.8という数字は125BPMの場合です。

120BPMの場合は1BPM変えるのに0.83%、130BPMの場合は0.77%と、BPMによって違います。

簡易な一覧表を作ってみました。

BPMとピッチ調整の表(DJ)

小数点の下の方を四捨五入してるのでBPM違うのに同じ数字が並んでいる個所がありますが、正確に知りたい人は【1÷曲のBPM×100=】を電卓で計算するとBPMを1上げるための数字が割り出せます。

この表を見れば、例えば130BPMの曲を133BPMにしたいときは130の行の(+3)の列、つまり「+2.31%」に合わせれば良いということが一目でわかります。

ピッチを遅くしたいときも計算は同じです。

125BPMの曲を2下げたい(125→123)時は0.8×2=1.6 つまりー1.6%に合わせればOKです。

自分のプレイするBPM帯の数字を覚えて暗算すれば一瞬でピッチを合わせることができますよ。

ただし、この方法は曲のBPMが125とか128とか整数である場合に有効ですが、たまにある126.4BPMみたいな変な数字のBPMの場合には計算が「えーっと……」ってなりますので要注意。

私はいつもDJを交代する時には耳で合わせますが、交代したらBPMをキリの良い数字に合わせています。

後は暗算で楽にピッチを合わせられるので楽チン!

とは言っても……DJしながら暗算をするのは難しいので私はザックリと……

  1. 125BPMより早くなると0.8より数字が小さくなる。遅いと数字が大きくなる
  2. BPMが5変わると0.03%程変わる。125BPMの0.8を起点に考えると簡単

例 : 120BPMで0.83%、125BPMで0.80%、130BPMで0.77%

ということだけ覚えてます。

あとはおおよその感覚で合わせて耳で確認、あとはMIXしながら修正しています。

CDJテンポコントロール

私は長くミックスしたいのでズレないよう細かく調整するためにCDJのピッチコントロール幅の設定は±6%に設定しています。

±10%だと細かい小数点の調整が難しいです。

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