マンションでの電子ドラムの騒音振動対策
前回「初心者でもわかる電子ドラムの概要」の記事で、私の友人Yから「電子ドラムのなんたるか」を教授してもらった訳ですが、その彼が最近住んでいるマンションに電子ドラムを設置したようです。
しかし、マンションなどの集合住宅に電子ドラムを置く場合、やはり騒音や振動が問題になります。
そこで今度は、Yが実際に集合住宅に電子ドラムを導入した方法をご紹介いたします。
この方法により振動や騒音はかなり軽減できるので、これらの問題で電子ドラムの導入に乗り出せない方必見の内容となっております。
もくじ
騒音・振動について
電子ドラムの打音については扉や壁を1枚を隔てるだけでほぼ気にならない程度になるので、結局は床や壁を伝わっての振動による影響が最大の弊害となります。
そこで今回は、バランスディスクを採用した「ディスクふにゃふにゃシステム」を導入して振動を減らす方法について重点的に解説させていただきます。
ふにゃふにゃシステムについて
タイヤふにゃふにゃシステム
ふにゃふにゃシステムとは、当初自転車などのタイヤチューブを膨らませたものを床と電子ドラムの間に咬ませ電子ドラムをフロートさせた状態とし、床への振動の伝達を拡散・抑制する目的で考案された防振台です。
用いる資材が比較的安価で導入できることもあり、ドラマー界では有名です。
上記の通り、タイヤチューブを用いることから「タイヤふにゃふにゃシステム」と呼ばれています。
ディスクふにゃふにゃシステム
タイヤチューブではなく、ダイエット・エクササイズ・体幹強化の目的で利用されるバランスディスクへ切り替えたものが「ディスクふにゃふにゃシステム」と言われます。
タイヤチューブよりもより防振効果が高く、導入コストがそこまで変わりません。
もともとダイエット目的の商品であるため、耐加重も1つあたり80kg~100kgあることから申し分ないと言えるでしょう。
購入資材内訳
購入資材は、Amazonなどのネット通販や、ホームセンターなどでそろえることになります。
物によってはネット通販とホームセンターで値段の差も出てくるので、より安くそろえたい方は両方見てみるのが良いでしょう。
下記に記載する商品リンクはあくまで参考として記載しています。電子ドラムのサイズなどによって大きさが変わってくるものもあるので、ご自身の環境に合った資材を選んでいきましょう。
1. バランスディスク
2. 風呂マット
1枚あたり500円程度×2枚
3. 合板
1枚あたり1,500円程度 ×1枚(ホームセンターで必要な大きさにカット)
サイズは電子ドラムを乗せて多少余裕がでるくらいが良いでしょう。
※注意!:ただし、後述する問題点の影響によりスツールは防振台に乗せないので注意が必要です。
4. ゴムマット
1枚あたり3,000円~4,000円程度 ×1枚(Amazonが最も安価で購入可)
大きめのサイズを購入してカットします。
上部だけでなく側面も補える大きさを購入した方が見栄え良くなります。
またカットした不要な部分を、特に振動の伝わるポイントであるキックペダルやハイハットペダルの下に重ねて利用するとより効果的です。
合計金額
組立(構成)
組立方法は簡単で、合板とゴムマットのサイズ調整だけしておけば重ねていくだけです。
ただし、壁に接触させて設置してしまうと壁を伝い振動が発生するため、必ず壁から数cmは離して設置することが重要です。
重ね終わったら電子ドラムを上に設置して完成となります。
振動の計測
ふにゃふにゃシステムの導入によりどれだけ振動が減少したかを測定してみましょう。
今回は振動計測アプリ(iSeismometer)を使用します。
携帯アプリとは思えないほどに感度が高く、同アプリ起動中の端末を床や机に置いた状態で付近を指で軽く叩いただけでも振動が計測されます。
iSeismometer画面
計測結果を見ても分かる通り、防振台を設置すれば、軽く床を直接叩いた時の振動よりも電子ドラムを叩いた時の振動の方が少ないことがわかります。
というかほぼないに等しいですね。
設置するバランスディスクについて
当初バランスディスクは多ければ多い程に床に伝わる振動を抑えることができると考えていましたが、実際は5個設置した場合よりも4個設置の場合の方が振動が軽減されました。
4個設置の状況で電子ドラムを叩いてもほぼ振動は計測されず、ふにゃふにゃシステムが防振にいかに有効であるかがわかりました。
また、同システムを導入している他のユーザーにおいて、上記の構成よりもさらに多層にしている方もいましたが、測定結果から今回の構成でも必要十分であると言えます。
俯瞰図(ちょうかんず)
完成図
その他問題点等
以下の内容は私(Y)が防振台を導入した際に発生した問題であり、今後導入を検討している方の参考になればと思い記載いたします。
スツールの置き場所について
スツール(椅子)まで載せることを想定したサイズで防振台を作成すると、占有するスペースが増えるのみでなく体が横揺れして不安定になります。
よってスツールのみ防振台ではなく床に直接置けるよう再度大きさを加工しました。
ドラムセットのセッティングについて
防振台の高さが10cm以上となることにより、ドラムセット自体も自然と高い位置でのセッティングになります。上記の通りスツールを床に置いているので、高さの調整が必要不可欠となります。
私の場合は、特にハイハットスタンドが最大限まで下げてセッティングをしても好みの高さに達しなかったため、ハイハットスタンドのパイプを一部カットして調整する必要がありました。
ちなみにパイプのカットは金属切断用の鋸を用いて容易に行うことができます。
Amazonで1,000円~1,500円程度で購入可能です。
切断面は100均などで購入した金属用のヤスリで整えれば問題ありません。
函南助教授のあとがき
以上が、Yが実際に集合住宅に電子ドラムを設置した方法や問題点になります。
私は最近まで電子ドラムの知識はほとんど無かったんですが、Yのおかげてなかなかマニアックな知識を身に付けられている気がします(笑)。
電子ドラム完全初心者である私でもわかりやすく理解できる内容となっているので、電子ドラム導入で悩んでいる方は、ぜひこの記事の内容を活用してみてください。
ライタープロフィール
DTMer
カンナミユート
都内在住のDTMer・ベーシスト・ブロガー。
普段は会社勤めのプログラマーで、週末ミュージシャン。
主にYouTubeやニコニコ動画などで音楽活動中。
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