DTM初心者のためのMIDIキーボードの選び方
これからDTMを始めたい、または始めたばかりという方の場合、何を基準にキーボードを選ぶべきか、なかなか迷うところだと思います。
導入する目的についても、
- 普段は歌やギターなどを録っているが鍵盤を使った打ち込みもやってみたい。
- ピアノができるのでそれを生かしてコンピュータで音源を作りたい。
- DTMにも慣れてきたところで多機能なMIDIキーボードが欲しい
など、一概に他人のオススメが自分に合うとは言い切れないのが悩ましいところです。
では何を基準に選べば良いのか?
キーボード選びの際に参考にしてほしいポイントをいくつかご紹介します。
まずはここを見るべし!
まず、どのような目的で導入するにせよ選ぶ基準にすべきポイントは
- 予算は適正か?
- 耐久性に問題はないか?
- 自分のDTM環境で使えるか?
この辺りはまず確認すべきだと思います。
予算についてはある程度条件を絞ってから探していけば、おのずと相場感がわかると思います。
耐久性についてもある程度の評判はネットや口コミで調べておきましょう。
予算だけ気にした結果、安物買いの銭失いでは悔しいですからね!
そして自分の持っているパソコン環境で使うことができるか。
これは「動作環境」と呼ばれていて、それぞれの製品のホームページに詳しく書いてありますので、購入前に必ずチェックしておきましょう。
キーボードの色々なタイプ
シンセサイザーかMIDIキーボードか
キーボード自体に音源を内蔵したシンセサイザーか、それとも音源のないMIDIキーボードで良いのか?
パソコン内の音源を鳴らしたり、打ち込みさえできれば良い、というのでしたらMIDIキーボードで十分だと思います。
また一般的にコンパクトなサイズのものが多いので、作業机に置きやすいというメリットもあります。
ただし通常、MIDIキーボードはそれ自身が音源を持っていないため、スピーカーにつなげて直接音を出すということができません。
あくまで「MIDIの信号を発してパソコン内などの音源を鳴らしてあげる装置」なのです。
MIDIキーボードの例 A-49 / Roland
もしもライブなどでキーボードをプレイする機会があったり、これから鍵盤が弾けるよう練習したいという方はシンセサイザーを導入しましょう。
MIDIでの打ち込みができるだけでなく、音源も内蔵されているため使い方の幅が広がります。
デジタルシンセサイザーの例 KORG KROSS-61
しかしMIDIキーボードに比べると、シンセサイザーは値段が高いので予算や目的に合わせて選びましょう。
大体の目安として、MIDIキーボードが1万円から、シンセサイザーだと5万円程度からとなっています。
鍵盤のタッチ
鍵盤のタイプについては主に「ピアノタッチ」かそうでないかに注目しましょう。
ピアノタッチキーボードは生ピアノのような重さ、あるいはそれに近いタッチ感の鍵盤を持ちます。
一方、多くのシンセサイザーはピアノタッチのものに比べて軽い鍵盤を搭載しています。
もし生ピアノの音源などを使って、アコースティックピアノのような演奏をしたいのであればピアノタッチ。
逆に重い鍵盤に慣れていない方や、メロディラインやシンセサイザー、オルガンやリズムの打ち込みをメインに使う方はピアノタッチでないものを選ぶと良いかと思います。
鍵盤数と大きさ
世界中にあるほとんどのグランドピアノは鍵盤が88個あります。
一方のMIDIキーボードやシンセサイザーの鍵盤数は、用途に応じたたくさんの選択肢があります。
例えば作業机の上や液晶ディスプレイの前に置いて使いたい場合には、あまり鍵盤数が多いと机に収まらない可能性があります。
一概にはいえませんが、およそ30〜50鍵程度のMIDIキーボードが設置しやすく可搬性にも優れます。
M-AUDIO Keystation 49
逆に生ピアノのように扱いたいのであれば、キーボードスタンドを用意した上で、ステージピアノやエレピと呼ばれる88鍵タイプを選ぶと良いでしょう。
シンセサイザータイプでは目的の違いから、80鍵より少なくても事足りることが多いです。
KORG SV1-73
もしもノートパソコンと一緒に持ち運びたい!なんて方は、30鍵程度のミニ鍵盤タイプもおすすめです。
ミニ鍵盤例 AKAI LPK25
いずれにしても、楽器屋さんなどで実際に触れてみてから選ぶのが1番間違いないでしょう。
実際に触ってみる
最近はネットショップでかなり安価に楽器を買えるようになりました。
しかも自宅まで配送してもらえば、わざわざ重い楽器を自分で運ぶ必要もありません。
ただし、どんな楽器を買うにせよ1つ言えることは、買う前に実際に触ってみることが大事だということです。
鮮明な写真も、詳細なレビューも、製品の売り文句も実際に手元で使ってみると、思っていたイメージと違うところが出てきます。
もちろん店頭で慎重に選んでも失敗したり後悔することはあるのですが、少なくとも実際に触った方が失敗は少なくなります。
また、ギター弦や電池などの消耗品とは違って、MIDIキーボードやシンセサイザーはこれから長く使っていくものです。
すぐに壊れたり使えなくなってしまうのはもったいないですし、何より悲しいですよね。
今回紹介したポイントを参考に、みなさんがよい楽器、自分に合った機材を手にすることができれば私も嬉しく思います。
ライタープロフィール
DTMer
Keyta
個人からの依頼を中心にフリーで作編曲を行っている。
得意ジャンルは歌モノのポップスやピアノを取り入れた楽曲。
またクラシック、吹奏楽、ジャズ、ポップス、ロックバンドの経験とR&B、ドラムンベースなども取り入れる幅広い食指を糧に「メロディーを大事に」する楽曲制作を心掛けている。
現在音楽制作、DTMに関するブログを運営中