【DTM初心者のための】フレーズをつなげて曲にしてみよう
前回は短いフレーズを作り、そこに音を足していきながら8小節の短い歌のフレーズを作ってみました。
今回はもう一歩進んでフレーズを組み合わせながら曲に近づけていきます。
完成の目標はボーカロイドのパートを入れて歌にするところまでにします。
まずはどんな曲にするかを考えながらフレーズを作っていきます。
便利な部品を活用する
DAWには最初からたくさんの素材が用意されています。
前回にも少しだけ紹介したループ素材などです。
ループ素材はDAW添付のものだけでなく、曲のジャンル毎に使えそうなフレーズやリズムをまとめたサンプルパックとして販売されている物があります。
そういった販売されているサウンドの一部をフリー配布しているベンダーなどもありますので、いろいろと探してみるのも面白いと思います。
オススメのフリー配布ループ -Samplephonic- | Rainbow Sound Cafe
さまざまなジャンルに向けてたくさんのサンプルパックを販売しているSamplePhonicsが配布しているフリーのループ素材は参考になりますので手に入れておくことをお勧めします。
今回はダウンロードして来たフリー素材などもプロジェクトに組み込んでみたいと思います。
思いついた順に音を並べて作ってみる
DAWに付属しているいろいろな音色を管理できるツールが大体のDAWに備えられています。
ここではCubaseを使っているのでF5キーで呼び出せるメディアベイを開いて確認します。
メディアベイではCubaseに付属しているいろいろな音を確認できます。
ダウンロードしてきた音声などもここに登録することでブラウズしやすくなり、使いたい時に使いたい音を探しやすくできます。
この中から気になる音色をどんどんピックアップしてフレーズを作っていきます。
まずは最初のイメージを作る
たくさんの音色をチェックしながら何となくいいかな?と思うものをトラックに入れてみます。
今回はSamplephonicsのフリー配布のループからコードのパターンをトラックに入れる所から始めてみました。
深くリバーブのかかったエレクトリックピアノの音でコードを鳴らしているループです。
ループをサンプラートラックに読み込ませて鳴らすことにします。
ループだけを鳴らすだけでは曲にはなりませんので、鳴っているループに合わせたくなる音をメディアベイから見つけてみました。
最初の音からイメージをつなげて、こんな感じのフレーズを作ってみました。
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最初にループだけが鳴り、そこからHalion Sonic SE2のAccentricというシンセの音色でピコピコとシンセのリフを鳴らしています。
さらにベースの音が欲しいのでベースの音も探します。
雰囲気から太いベースの音が欲しいのでSteinbergの拡張サウンドパックのHYPNOTIC DANCEからCross Velo Percuというベースの音を入れてみました。
HYPNOTIC DANCEはAbsoluteというSteinberg純正シンセのパッケージに含まれているダンス系のシンセサウンド中心のパッケージです。
ドラムはCubase付属のGroove Agent SEのHardStyle Technoを使用してみます。
どうやら気分はテクノポップに向いたようなので、テクノポップっぽいフレーズをつなげていく事にしてみましょう。
リズムパターンを入力する
Groove AgentもCubaseに付属する純正のドラム音源です。
いろいろなサウンドの他にたくさんのリズムパターンが提供されているので前の回でやったようにリズムを貼り付けるだけでもいろいろな事ができます。
今回はリズムのパターンも自分で作っていきます。
使用するのはMIDIトラックに挿し込むことでリズムパターンを再生できるようにしてくれるBeat Designerというツールです。
ステップシーケンサー、と言って通じる人はそれで構いませんがなんだこれ?という方もいると思いますので簡単に説明すると、ドラムマシンやリズムマシンをDAWの中に作ってくれるツールです。
ここにパターンを作っておけば繰り返しの多いリズムを簡単に演奏できますし、基本のリズムを作ってフィルインだけは別に作ることもできますので仮のリズムを一気に作る時に役に立ちます。
先ほどのデモのリズムの音もBeat Designerで作成したものです。
こういったツールを活用すれば初心者でも簡単にフレーズを作れますし、楽器の練習用のマイナスワンを作るのにも便利です。
次のフレーズをつなげてみる
最初のフレーズはいかにもイントロの雰囲気のあるループだったので、イメージもイントロっぽくなりました。
ここから続くフレーズをどんどん組み合わせていきます。
方針はテクノポップと決めたのでシンセ系の音色をどんどん入れてみました。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/320860847″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
Aメロは定番ですがシンセのコードとアルペジオで構成しました。
ベースを細かく刻みながら上でシンセがキラキラ鳴るよくあるパターンですね。
ここはパターンを使わずにピアノロールで手打で入力を行いました。
最終的には効果音や合いの手を足していきたいと思います。
Bメロでは音を切り替えてアルペジエーターで動きのつく音色を選択しました。
Halion Sonic SEにプリセットされているOrganic Wavesという音色です。
プリセットの音色でも決まったアルペジオパターンを持っているものは結構あります。
こういった音色はコードを入力するだけで分散和音を奇麗に鳴らしてくれたり、ジャンルに合ったパターンを持っているものもたくさんありますのでハマる所にはどんどん使っていくといいと思います。
メロディはAlto Saxの音色で入力しました。
まだ下書きの段階なのでもっと動きを付けるかもしれませんが、テクノポップの場合周りのシンセも細かく動き回る事が多いので最初から詰め込み過ぎると他のパートを足していく時にややこしくなることを避けるためです。
基本になるパターンは多くありません
イントロ〜Aメロ・Bメロまで進めてみましたが、聴いてみるとそんなに複雑な事はしていない事が分かると思います。
ある程度のモチーフが決まってしまえば、それをリフレインしながらベースの音やリズムを変えたり、一緒になっているコードの組み合わせを変えたりするだけでもバリエーションができます。
トランスなどの場合は最後まで一つのモチーフのまま突き通してしまう曲もあります。
イメージにあう音色やリフのパターン、アルペジオなどをたくさん鳴らして見て組み合わせていけばだんだんと形になっていきます。
まずは自分の好きな音やパターンをたくさん作ってみると曲としてまとめやすくなると思います。
今回はサビの手前までをざっくりと形にしてみました。
いろいろな音から自分の気に入った音を見つけて並べていくだけでも意外と形になってしまうものです。
難しく考えずにやってみてください。
次回はサビを決めてまとめられるようにしていきたいと思います。
ライタープロフィール
DTMer
みるくここあ
元IT技術者。
ウィンドシンセを使います。
VOCALOIDやCeVIOを使って曲を作ってみたり、ボーカルを迎えて曲を作ってみたりしています。
元々楽器の練習用にオケを作るだけだった半端なDTMerでしたがVOCALOIDに出会い、その変遷に付き合っていくうちに深みに嵌っていたただの音楽好きです。
VOCALOID 2 MegupoidとVOCALOID 3 IA、そしてCeVIO Creative StudioのONEを使用しています。
ウェブサイト:http://milkcocoa.org
Twitter:milkcocoa_org