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選挙演説のマイクはなぜ束になっているのか?
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選挙演説のマイクはなぜ束になっているのか?

マイクは音楽をやっている人にとってはおなじみのアイテムです。

選挙の時期に街頭演説などでもよく見かけますが、なぜそこではマイクを束ねて使用したり、白い布が被さっているのでしょうか?

音楽スタジオスタッフなりに考えてみました。

マイクをたくさん束ねても大きい音は出せない

人の口から出た音(空気の振動)を、電気信号に変換するのがマイクの役割です。

マイクロフォンまたはマイクロホン[1](Microphone )は、音を電気信号に変換する機器である。略称マイク(Mic )。

http://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロフォン

通常はマイク → ミキサー(プリアンプ)→ アンプ → スピーカーの順に繋ぎ、入力された電気信号が増幅され「音」となって出力します。

ですので、大きい音を出したい場合は、出力の大きいアンプとスピーカーを用意してやればいいのです。(近所迷惑にならない程度に)

個人演説会のような屋内ではなく、屋外で行う演説会。

ハードルが低く、資力がなくても候補者なら誰でも行える。

拡声器規制のため、声を出して行える時間帯は午前8時から午後8時までに限られる。

なお、候補者に対して妨害行為を行うと、公職選挙法第225条1項(選挙の自由妨害罪)により罰せられる。

駅前や路上で行うと人、車ともに交通規制が行われることがある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/選挙演説

ちなみにマイクを何本も同じ音像に使用すると、位相のズレが生じることになり音が干渉しあうため、マイクを使えば使う程、その位相の調整が大変難しくなります。(逆効果)

スピーカーは細かく前後に振動することで音を発していますから、この波形が「+」の瞬間にスピーカーは前へ、「−」の瞬間は後ろに動くわけです。

音源に対して複数のマイクを立て、それらの音をミキサーで重ねたときに、この「+、−」の動きがズレていると、お互いの音を打ち消し合ってしまいます。

http://allaccess.co.jp/shure/forum/04/04.html

マイクを同時にたくさん扱うのは、プロでも難しい技術なのです。

2本のマイクの音を同時に再生して、アタックの滲んだ感じの音がしていたら「位相が合っていない」危険信号です。

このとき、片方の音だけに「∅Phase(位相反転)」スイッチで位相を反転させると迫力のあるアタック音に変わります。

が、もし「どっちも大差がないな」と思う音だったら、位相が微妙にズレている状態です。

こういうときは、片方のマイクの距離を少しずつ調整しながら、位相が良い状態のポイントを探しましょう。

でも、これはプロでも難しい技術なので時間を掛けて挑戦してみてください。

http://allaccess.co.jp/shure/forum/04/04.html

なぜ選挙活動で使うマイクは束ねているのか?

選挙マイク

http://www.toonpool.com/cartoons/interview%202_103409

マイクを束ねても大きい音が出るわけではないのに、なぜマイクを束ねているのでしょうか。

あくまで憶測ですが、演説に使用している各マイクが報道各社のレコーダーにつながっており、それぞれによりクリアな声を録音することができるからではないかと思います。

リポーターや記者が、芸能人などにインタビューするときにマイクがたくさん向けられているのと同じ理由です。

一台のレコーダーで録音して、そのデータを報道各社に分配するより、それぞれのレコーダーで録音し持ち帰ったほうが、情報をスピーディーに伝達できるからかも知れません。(あくまで憶測ですが)

マイクを両手でたくさん抱えている光景をよく見ますが…一人で一体何本までもてるのでしょうか(笑)

マイク10本持つと、重さは約3Kg

重さ

http://www.kohnan-eshop.com/shop/g/g4522831435456/

あと気になったのが、マイクを束ねて持つと重たいのではないかと思いました。

定番マイク SHURE SM58 1本の重さが、約300gなので、10本持つと3kgです(そんなに持つ事はないと思いますが 笑)

3kgのダンベルを持っているのと同じ重さなのです!

実際はもっと軽いマイクを用意されていると思いますが…選挙演説にも体力が必要なことがお分かり頂けたと思います。(極論ですが)

マイクを覆っている白い布はなに?

白い布

http://www.ed-rent.co.jp/pop/onkyou%20syoumei/mikeskin.html

マイクを覆っている白い布(ガーゼ)のようなものは、何のためつけているのでしょうか。

それをつける理由の一つとして上げられるのが、ウインドスクリーン(風防)機能です。

野外で演説する場合は、風が拭いていたりするような環境なので、それの風の音が入らないようにするためです。

風の音が入力されると、スピーカーから主に低音として出力され、声の邪魔になるからです。

ただ、元々マイクのヘッドの中にもスポンジのようなものが入っているので、一般的なマイク(コンデンサーマイクで無い限り)ではほとんど気にする必要はないと思われます。

あとは選挙の演説なので、大声を出そうとして勢いよく声を出すと唾が飛んだりして衛生面で清潔を保てなかったり、雨の中だとマイクに水分が付着します。

そのまま放置するとマイクが錆びてしまいますので、それらを防ぐためなのではないでしょうか。

ちなみにスタジオに設置しているマイクは、このようにヘッド部を外し定期交換・洗浄しております◎

ヘッド

色が白い理由は、清潔感をアピールしメディアに写る印象を好印象にするためなのかもしれませんね。(憶測)

選挙用マイクのカバーの作り方が載っているサイトがありました。(ご参考までに)

マイクガーゼ

http://go2senkyo.com/article/103

選挙演説セットはレンタルもできる

選挙演説セット

http://e-shop.u-rent.co.jp

ちなみにマイクや選挙用車載アンプ・スピーカーなどは、レンタルもできます。

参考:レンタルショップ・アーバンレント

参考:楽器レンタル・音響レンタル スタジオラグ

最後に

同じ音響システムでマイクを束ねると音をしっかり吸音できなかったり、ハウリングの原因にもなります。

1本だけでもしっかりマイクに口を近づけることで、マイクの性能は十分発揮されます。

ミュージシャンの皆さんは、マイクを束ねることはマネしないようにお願いします(笑)

ライタープロフィール

中尾きんや

スタジオラグ

中尾きんや

スタジオラグスタッフ

ウェブサイト:https://www.studiorag.com

Twitter:kin_kinya

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