【ピアノ初心者のための】「エリーゼのために」の練習方法
今回は、人気のピアノ曲「エリーゼのために」の練習方法についてお話ししましょう。
「エリーゼのために」の有名な頭の部分は、「なんとなく弾けている」という人はよくみかけますが、「なんとなく」の人が多いです。
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拍子って?
指は速く動いている、音もリズムも間違っていないのに、かっこよく「エリーゼのために」が弾けていない場合があります。
この理由は拍子をわからずに適当に弾いているからです。
「音楽」になるにはやはり「拍子」が重要です。
拍子というのは音楽の中に流れる規則正しい拍(ビート)のまとまりのことで、2つずつのまとまりだと2拍子、4つずつのまとまりだと4拍子で「エリーゼのために」には8分音符を拍(ビート)とした3拍子です。
1小節に拍(ビート)である8分音符が3つずつ入っている8分の3拍子です。
楽譜としては、1小節に8分音符3つ分が入るということなので、16分音符だと6つ入るのです。
下の楽譜は「エリーゼのために」の頭の部分ですが、下に書いている「1・2・3」という数字が、拍子です。
この拍子を感じて弾くと、ずっと曲らしく弾けるようになるのです。
弱起(アウフタクト)
「エリーゼのために」の場合、拍子以外にもう1つ注意することがあります。
それは、1拍目から始まらない曲だということです。
こういった曲のことを弱起の曲と呼びますが、「エリーゼのために」の場合、3拍目から始まって1拍目に向かっています。
3拍目は1拍目の準備の音でもあるわけです。
音楽はいつも1拍目から始まるわけではなく、最初の音が1拍目なのかそうでないのかでは、全く違った曲になり、弾き方も全く違うのです。
時々「エリーゼのために」の演奏を聴いて、アウフタクトの音になっていないと感じることがあります。
初心者でも、こういった曲の持つ特徴を理解して演奏すると、音楽的な演奏になりますので、まずは拍(ビート)を叩きながらメロディーを歌うなどして、曲らしさを感じるようにしましょう。
アルペジオを練習しよう!
メロディーを3拍子で歌ってみたら、次は伴奏を練習しましょう。
「エリーゼのために」の始めの8小節はAmとE7、次の8小節はCとG7のコードでできています。
伴奏はこのコードをアルペジオで弾く形になります。
アルペジオというのは分散和音とも呼ばれ、コードをばらばらに弾くことです。
ギターなどでもよく使いますね。
「エリーゼのために」では、アルペジオを両手で弾きます。
ピアノ曲では、右手メロディー+左手伴奏という形が多いのですが、この曲では両手で伴奏を弾くのです。
そしてアルペジオの右手で弾く部分はメロディーにもなっています。
1人で2役をこなさなければならないのです。
AmとE7の練習をしましょう
Amの練習
Amは左手(5・2・1)、右手(1・2・4)の指使いで練習しましょう。
右手はアルペジオでありながら、メロディーの役割もあるので、指使いは特に注意しましょう。
この左手(5・2・1)は、「ルート・5度・オクターブ上のルート」という形になっていて、どんなジャンルでもよく出てくるパターンなので、どの音からでも弾けるようにしておくと良いですよ!
ここでは、Am「ラミラ」ですが、後半C「ドソド」でも同じ指で同じ幅で動きます。
Aでも「ラミラ」となります。
GやGmなら「ソレソ」E♭やE♭mなら「ミ♭シ♭ミ♭」、DやDmなら「レラレ」となります。
E7の練習
E7は左手(5・1・2)、右手(1・2・4)の指使いで練習しましょう。
左手の「1→2」の部分は指かぶせです。
前に書いた記事、「ピアノ初心者のための指使いの基本」の「くぐらせる・かぶせる」のところを参考にしてください。
AmからE7に、E7からAmにうつる時のポジション移動も、同じく「ピアノ初心者のための指使いの基本」の「引っ越し」を参考に次に移る鍵盤を見て「とぶ」イメージで練習しましょう。
次にCとG7の練習をしましょう
Cは、Amと同じ指使い(5・2・1)、G7はE7と同じ(5・1・2)の指使いで練習します。
Am・E7の時と同じく「くぐらせる・かぶせる」や「引っ越し」の記事を参考にしてください。
メロディーの練習
メロディーは始めにお話ししたようにアウフタクトで3拍子だということをしっかり意識して練習しましょう。
できれば初めはメトロノームなどで3拍子の刻みを流しながら練習すると良いと思います。
また、曲のコード進行を考えながら弾くとより音楽的な演奏になるでしょう。
この曲は、初めにお話ししたように初めの8小節はAmとE7、次の8小節はCとG7のコードでできています。
E7からAmのドミナントモーション、G7からCへのドミナントモーションを意識しましょう。
まずは初めの8小節を練習しましょう(画像内1の部分)。
初めはイ短調(Am)のキーです。
「ミレ♯」のところに「5・4」の指を用意し、「ミレ♯ミレ♯ミシレドラ」と弾きます。
引っ越しして「ドミラシ」、また引っ越しして「ミソ♯シド」と弾きます。
後半は「ミレ♯ミレ♯ミシレドラ」の前に「レ♯」が付くので4の指から始め、「レ♯ミレ♯ミレ♯ミシレドラ」と弾きます。
その後引っ越しして「ドミラシ」、また引っ越しして「ミドシラ」と弾きます。
次の8小節はハ長調(C)のキーになります(画像内2の部分)。
このフレーズも1拍目から始まっているわけではありませんね。
2拍目の裏から「シドレ(2・3・4)」と始まるわけです。
「シドレ」の部分には、伴奏がないのですが、次の「C」のコードに向かって、「G7」の気持ちで弾くと良いですね。
そして、ハ長調なのはほんの少しの間で、G7からAmへと元の調(キー)に戻っていきます。
そして、また初めと同じフレーズへ進んでいくわけです(画像内3の部分)。
ただ、3にいくまでの他とは少し違う部分(楽譜の緑の下線部分)に注意が必要です。
ここは、次の1に進む部分、つまりAmに進むE7の気持ちが長く続くところです。
このE7の続くところ、切ない感じですよね。
ここも拍子がとりにくくなるところなので、しっかりと3拍子のリズム(メトロノームなど)に合わせ、歌ってから弾くようにしましょう。
両手で練習しましょう
片手ずつで弾けるようになったら両手の練習です。
この曲の前半は、右手が止まっている時に左手が動く、左手が止まっている時に右手が動くので、比較的初心者にも簡単に弾けます。
まとめ
今回ご紹介したのは、初めの部分だけですが、ぜひ後半にもチャレンジしてみてください。
YouTubeにも動画をアップしていますので、参考にしてください。
また、ここで扱った解説付き楽譜は「JUN音楽教室・解説付き楽譜」でダウンロード可能です。
後半はまず、左手をコードで伸ばし、右手のメロディーを弾くという形で練習します。
後半は右手の和音が続きますが、変化する音、変化しない音を意識して、コードチェンジの練習をすれば弾けるようになるでしょう。
コードチェンジの方法は、以前の記事「ピアノ初心者のための。分かりやすいコードチェンジの練習方法」をご覧ください。
ライタープロフィール
ピアノ講師
岡太淳子
横浜在住、ピアノ・電子オルガン・リトミックの指導を行いながらバンド活動を続けています。
音楽が好き、ピアノが弾きたい方のために、初心者でも楽しめる方法を提案します。
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