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実は苦手な人が多い?速いテンポの8ビート(エイトビート)の叩き方
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実は苦手な人が多い?速いテンポの8ビート(エイトビート)の叩き方

今回も引き続きリズムのお話です。

そしてテーマは「速いテンポのエイトビートの叩き方」です。

しかし「速いテンポ」とは、人それぞれ。どこから……つまりBPMでいうといくつからを速いとするか微妙なところだと思います。

はじめに

今回は恐らく皆さんが速いと感じるであろうBPMでいうと180あたりのエイトビートについて書いていきましょう。(BPM180でも右手を4分音符で叩けば楽ですが、今回は8分音符で叩くことを想定します)

ちなみに「BPM 180」で検索してみると、邦楽ではこのあたりだそうです。

BPMが200を超えても8ビートでリズムを刻む曲もあるにはありますが、私的には速い曲の入り口としてはBPM180が一つの入り口かなと思うので、今回はこのテーマで参ります。

では行ってみましょう。

早いテンポを習得するための「定説」を検証してみました

エイトビート

まず、「早いテンポを習得するために」教則教材などでよくいわれる事をいくつか挙げてみます。

  1. 速いリズムは無理なく叩けるゆっくりとしたテンポから始めてだんだん速くしていけば叩けるようになる
  2. まずは練習パッドで速く叩けるようにしてからドラムセットで練習する
  3. メトロノームを鳴らしてそれに合わせて練習する

こんな感じでしょうか。

もちろんすべて間違ったことは言っていません。

しかしこれらの中には不足していることがあるために頑張って練習を繰り返しても今いち成果が出ないこともあります。

それぞれ検証していきましょう。

①について→ドラムはテンポによって体の使い方の質がかわってくるので、ゆっくりしたテンポのドラムと速いテンポのそれは別の質の動きと考えたほうがいいでしょう。

このことが分かればだんだんテンポを上げる練習も有効に活用できます。

②について→例えば速いテンポの「スネアドラムのみ」のシングルストロークの練習であればある程度有効ですが、今回は速いテンポのエイトビートを「ドラムセットで」叩くことが目的。

ですので各パーツのバランスがとても大切です。

ハイハット(もしくはライドシンバル)でリズムを刻む他にもバスドラや、特にスネアの入れる位置についてはドラムセットに座って練習する必要があります。

③について→これも状況によっては必要な練習です。

しかし今回の目的の場合、まずは体の使い方を覚える必要があります。

楽に叩ける体の使い方の感覚をつかむ前にこの練習をすると、メトロノームに合わせることに気を取られ、体の使い方に関する悪いくせが固ってしまう可能性があります。

ではどうすればいいのか?

以上、紹介したように教則教材で定説とされているやり方も、ときには効果が上がらないということは楽器の習得のプロセスではよくあることかと思います。

というわけでまずどこから手をつけるか?ですが……一番は自分が叩きたい曲を叩いているドラマーの体の動きを観察することです。

あえて音を消して見るのもいい練習でしょう。

ただし骨格や筋肉のつき方は人それぞれなので真似をしろというわけではありません。

むしろ観察をすることで自分の体に合ったドラムの叩き方を考えるきっかけをつくるということが目的です。

次にドラムセットにすわり、右手だけにスティックを持ち、メトロノームは使わずに自分が速いと思うテンポの八分音符をどうしたら力まずに叩けるかいろいろ試してみます。

この際にいろいろ注意点はありますが、あまり一度に考えるとかえって逆効果。

まずはスティックのグリップを右手のひらのなかでドリブルする感覚をつかむことのみを目標にするといいと思います。

ここでのポイントは指だけでドリブルをするのではなく、腕や肩、最終的には全身を使ってどうやってドリブルができるか?をいろいろ試行錯誤してみることでしょう。

おわりに

というわけで今回は速いテンポの8ビートをどう叩くか?についてでしたが、BPM180がある程度楽に叩けるとそれ以上のテンポも意外とできちゃったりします。

なにより叩いていて楽しいことが大優先なので、速い曲を楽しく叩くためにご自身なりのマニュアルを考えてみるといいと思います。

ではでは。

ライタープロフィール

Hazime

ドラマー

Hazime

ドラム歴20年。

プログレッシヴ・ロックバンドのドラマーやってます。

「セレクトーン」という音楽教室にてドラム講師もやっております。

https://www.selec-tone.com/

物理学や心理学をからめてドラムの楽しさを広めていくことをモットーとしています。

ウェブサイト:http://www.drum-lesson.net

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