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フィンガーピッキングの超基本エクササイズ
最終更新:

フィンガーピッキングの超基本エクササイズ

今回からアコースティックギター(クラシックギター・フォークギター)初心者の方や、エレキギター経験者でフィンガーピッキング(指弾き)の練習をしている方に向けたフィンガーピッキングエクササイズの連載を始めます。

練習曲のようなスタイルではなく困難の原因をピンポイントで修正できるようなシンプルなエクササイズを紹介していきます。

1. 今回のエクササイズ

フィンガーピッキングエフササイズ
今回はこのエクササイズを用いて、弦を確実に捉えてミスタッチを無くし、さらに最大限に弦を振動させられるようなタッチ(弾くこと)を身につける練習をします。

指弾きになれていない方は、しっかり張りや艶のある音が出なかったり、弾く弦を間違えてしまったり、音量・音色のコントロールができなかったりだと思います。

まずはこのエクササイズで確実に弦を捉えることからはじめましょう。

2. 演奏例

エクササイズの動画があるので参考にしてみてください。

動画URL「エレキ」

動画URL「クラシック」

エレキギターとクラシックギター2種類の動画がありますが、フォークギターの方はエレキギターの動画を参考にしてください。

同じエクササイズの動画ですが、違いはギターの構え方にあります。

エレキギターの動画ではギターを右太腿(ふともも)にのせていますが、クラシックギターの動画では左太腿(ふともも)にのせています。

カッティングやピッキングを交えて弾くエレキやフォークのスタイルと、幅広いポジションを弾くことの多いクラシックスタイルでは、ギターの構え方が異なるのが一般的なので2種類の動画をのせておきました。

3. 音の出し方

このエクササイズでは3弦(3番目に細い弦)の開放弦のソの音を、

右手の

で交互に弾きます。

爪が伸びている方とそうでない方がいると思いますが、基本的な音の出し方に変わりはありません。

さて、実際に音を出してみましょう。ギターを構えたら、動画のように右手の親指を4弦の上にのせてください。

これは右手を安定させて良いフォームを作るために行います。

できたらiとmで交互に3弦を弾いていきます。

音を出すときはまず人差し指で弦に触れます。

弦に触れた状態で力を加えていくと弦の張力(反発力)が確認できると思います。

その張力を感じている状態で弾くことで張力が振動に変わります。

これが音が出る仕組みです。

イメージとしては矢を射るときの弓のしなりと全く同じ原理です。

iで弾いた後はmでまた3弦の開放弦を弾きます。

ここでひとつポイントがあります。

動画では音がすぐに切れているのが確認できると思います。

それはiで弾いたすぐ後にmで三弦に触れているからなんです。

言い換えれば、ひとつの音を弾いたらすぐに次の指で触れて次の音のセットをしているのです。

だから音がすぐに切れているのですが、これがこのエクササイズのポイントなのです。

4. 弦を捉えればミスをしない

弦を弾く前に弦が捉えられていれば、弾く弦を間違えることはありません。

つまりミスすることはないんです。また先ほどの弓矢の例のように、弦に触れた状態であれば必ず弦の張力を感じることができるので、音色や音量のコントロールができるようになるのです。

しっかりと弦を捉える前に弾こうとすると、弦に力を伝えられなかったり、弾く弦を間違えたりしてしまうので、まずはこの「弦を捉える」を必ずマスターしましょう。

5. 練習のコツ

このエクササイズの練習のコツは「ループトレーニング」です。

このエクササイズに限らず、あらゆるエクササイズにおいて困難を克服するために必要なのがループトレーニングです。

ループトレーニングとはあるフレーズを中断することなく延々と繰り返す練習方法です。

このエクササイズの楽譜では2小説の繰り返しで計4小節を弾けば終わりということになっていますが、中断することなく何度も繰り返し弾いてください。

繰り返し弾くことで、弾いている最中にいろいろなことを考える余裕が出てきます。

「もっと音を大きくしよう」とか「音が汚いなあ」とか「力んじゃってるなあ」とか。そういったことを弾きながら修正していくのです。

30秒から1分を目安にトライしてみてください。

imができるようになったらiとa(薬指)、mとaなど組み合わせを変えたり、中上級者の方はダイナミクスを変化させたり空いている左手でタッピングオブリガートを入れたりいろいろ工夫してみてください。

今回は「フィンガーピッキングエクササイズ1(弦を捉えるエクササイズ)」について解説しました。

ライタープロフィール

大沢稔

ギタリスト

大沢稔

作曲家、ギタリスト、マルチインストゥルメンタリスト。

パリ国立地方音楽院クラシックギター科卒。

フランスのブーローニュ・ビヤンクール国立地方音楽院、オルセー県立音楽院のクラシックギター科教授歴任。

現在、新潟県上越市にて自身の創作、演奏活動を、また、ギター・英語・フランス語教室を主宰している。

大沢ギター・英語・フランス語教室

http://minoruohsawa.wixsite.com/ohsawaguitar

ウェブサイト:http://minoruohsawa.wixsite.com/minoru-ohsawa

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