【オリジナルギター】フジゲンのEOSギターをオーダーしてみた
今回は、国産楽器メーカー「フジゲン」でセミオーダーしたギターを紹介したいと思います。
細部までたっぷりと見せますので、今後オーダーギターを考えられている方はぜひ参考にしてみてください。
【ギターのオーダーメイド】フジゲンEOSギターの魅力
- メーカー:FUJIGEN
- 機種:Expert OS
- 型式:EOS/AH VNT
- カラー:NATURAL
- シリアルNo:C160454
去年の今頃、少しだけお話ししていたオーダーギターが完成、納品されましたのでご紹介。
じっくり弾き込んでようやくのお披露目です。
このギターに行き着いた事の経緯はまたおいおい書いていくことにして、とりあえずはギターのご説明をば。
メーカーは日本のギター製造でおなじみの「フジゲン(富士弦楽器製造)」さんです。
フジゲンさんではウェブオーダーシステムというものを導入されており、HP上で機種・材質・カラー・各種パーツを自由に選択し、画面を見ながら自分でイメージしたオーダーギターを製作してもらえるというもの。
完全に一からデザインや仕様を発注するフルオーダーとは違い、あるものの中から選ぶセミオーダーという形になるので、全てを自由に製作発注できるというワケではありませんが、それでも追加で変更したい箇所をお願いするとかなり自由度も高く柔軟にいろいろと仕様変更の対応をしてもらえます。
さすがにボディやネックの形状など大元となる変更は不可ですが、その分リーズナブルにオリジナルのギターを手にできます。
そんなわけで、僕がオーダーしたのがこのEOSギターになります。
見事な杢目
主な仕様はメイプルネックにライトアッシュボディのSSHレイアウト仕様。
今までボディ材など全く気にすることなくギターを買ってきましたが、よくよく考えると所有ギターはマホガニーボディばかり。
シェクターのSD2を手放したこともあり、ここはj.custom系とも毛色の違うギターが欲しいということでアッシュを選びました。
まぁ簡単に言えばj.customのような図太いギターではなく「いわゆるストラト」な感じのギターが1本欲しかったのです。
ボディ面で細かな仕様変更と言えば、黒いスイッチでリアのハムバッカーPUをコイルタップできるようにしてもらいました。
あと通常仕様のEOSではボリュームノブの位置がストラトキャスターのようにピックアップのすぐ隣にあるタイプなのですが、
僕はノブがあの位置だとどうにも違和感があって弾き辛いので、ノブ位置をj.customのような位置に変更してもらってます。
おかげで右手は何の違和感もなく扱うことができるので、これは正解でした。
ついでに見た目の問題もあって、ノブをGOTOH製のロータイプメタルノブに変更してもらいました。
ゴールドパーツとマッチして高級感もアップでGOOD。
ボディの杢目も「あんな感じ、こんな感じ」とあれこれ注文させてもらいましたが、見事な杢目をフジゲンさんはチョイスしてくれました。
アッシュの杢目と白木のような明るい色はナチュラルカラー好きの僕としてはたまらん。
フジゲンEOSはボディとネックのジョイントはボルトオンタイプとなり、プレートには「富士弦」の文字が刻印されています。
ハイポジションでも弾き易いように、ジョイント部の角は少し丸くカットされた「ラウンドカットヒール」という形状になっています。
個人的にはこのカット部分をもう1~2mm程度でいいので、もう少しだけ深くカットしてあると良いのになという印象です。
まぁこのギターはそんなハイポジでガンガン弾くようなことを前提で基本設計されてない感じなので仕方ないとは思いますが。
21~22フレット辺りを弾く際は左手の握りを若干気にする必要があるので、そこが僕としては惜しいなと。
太いネック
ネックはメイプル1ピースのUシェイプ。
せっかくのメイプルネックなので、ここは見た目重視でカーリー杢が入っているネックを選びました。(高かった。。。)
このカーリーネックに関しては少しトラブルがあったりしましたが、最終的には良いネックを手にすることができたので良かったです。
ちなみにカーリー杢やバーズアイ杢など特殊なネックをチョイスすると、自動的にクリアー塗装のグロス仕上げ(艶あり)となります。
弾き易さとしては艶なしのサテン仕上げの方が良いのですが、過去に僕は塗装されたネックのギターも長く弾いてましたので問題なし。
このEOSのネックは、太さとしてはかなり太いタイプになるのではないでしょうか。
僕が今まで手にしてきたギターの中でもダントツで一番太いです。
でも不思議なのが、だからと言って弾き難いかというと全くそんなことはないんですよね。
形状もただのUシェイプなのですが、絶妙なRというか握り心地というか、コードワークから速弾きまで特に抵抗はありません。
逆に細いネックだとコードプレイは若干犠牲になる面がありますが、このネックはコードがとにかく弾き易いです。
サークルフレッティングシステム
コードが弾き易いのもそのはず、EOSの指板はローポジションはRが強く、ハイポジションにかけてRが緩やかになる形状をしています。
これのおかげでローポジションでのバレーコードなんかはしっかりと押さえることができるので音が奇麗に鳴りやすいです。
フレットはフジゲンさんの技術としておなじみのフレットエッジ球面加工が採用されています。
これはフジゲン製であるj.customはもちろん、IbanezギターのRGシリーズなどでも採用されています。
そしてフレットと言えばフジゲンギターの目玉でもあるサークルフレッティングシステムというものが一番のポイントではないでしょうか。
通常、ギターのフレットはただ直線的に配置されているのに対し、フジゲンギターのサークルフレッティングシステムとは
フレットがボディ側に向かって弧を描いて配置されています。
フジゲンさんによる説明では
「従来のフレット・スペックは、3つの異なるスケールが存在する。」
「サークルフレッティングシステムは、どの弦でもスペック上のスケール値と一致する。」
「各弦と各フレットが直角に交差するため、単音においてもコードにおいても音の抜けがよく、
音の立ち上がりも良くクリアーなサウンドが得られ、アンサンブル時の存在感も高まります。」
とあります。
確かにギターの弦というのはペグからブリッジに掛けて間隔が広がっていく形で配置されているので、それに対してフレット線がただ直線的に配置されていると、6弦、3弦、1弦ではピッチが異なるという理屈はよく分かる。
実際にこのギターでコードを弾いた時の音やチョーキングをした時のピッチ感は不思議な心地良さのようなものを何となく感じますし。
見た目も肉眼でパッと見は弧を描いているのは分かり難いですが、通常のギターと並べて見比べると明らかにフレットが曲がってます。
これはギターという楽器において、かなり画期的なシステムになるのではないでしょうか。
ペグはGOTOH製のマグナムロックシステムを選びました。
フロイドローズ(ロック式)のギターしか弾いてこなかった僕としては、最初の弦交換の時はさっぱり機構が理解できませんでした(笑)。
説明書を見ながら弦交換をしましたが、これはこれは……便利ですごいモノが今はあるんですね……
チューニングもさすがにフロイドローズ程ではありませんが、かなりの安定感に驚きです。
チョーキング時のテンション感に若干違和感がありますが、これはロック式の感覚が染み付いている僕の慣れの問題ですな。