【ドラマーのための】グルーブってなんだろう?
理屈ではないので言葉の説明が非常に難しいのですが、ドラムを叩いていて気持ちいいリズムを聴くと、体が自然と動き出します。
「気持ちいリズムとは何か」という問いについては、ドラムをやっている多くの方が悩んでいると思いますので、ここでは少しですが、グルーブについて説明していきます。
自分が気持ちいいと感じるグルーブをドラム全体を使って表現しましょう。
もくじ
ドラムで聴いている人たちを踊らせよう
グルーブといわれるとあまり聞きなれない言葉だと思いますが、いわゆる「ノリ」のことです。
人それぞれもっているグルーブが違いますので十人十色です。
これは感覚的なものなので楽譜には書き表せません。
同じ楽譜を演奏しても一人一人違う「ノリ」になります。
気持ちのいいグルーブの3つの条件
① 3点(ハイハット・スネア・バスドラム)の音量
グルーブを出すには3点の音量が大切になります。
3点を音域別に分けると、ハイハットは高音域、スネアは中音域、バスドラムは低音域に分かれます。
各パートの音量を5段階(1は小さく、5は大きい)で表すとハイハットは3、スネアは4、バスドラムは5となります。
高音域の場合、音量が大きいと耳につきささるような感じがあり、キーンと耳が痛くなりやすいです。
ですので音量は下げるように意識して演奏します。
また低音域の場合、音量が小さいと迫力が少なく、周りの音にかき消されやすいので大きく叩き、聴いている人たちのお腹あたりに衝撃を与えます。
以上のように3点の音量のバランスを考えながらリズムを演奏していくことが重要です。
② 3点(ハイハット・スネア・バスドラム)のタイミング
二番目のポイントは3点のタイミングについてです。前述したとおり、3点を音域別に分けるとハイハットは高音域、スネアは中音域、バスドラムは低音域に分かれます。
下記の楽譜を見てください。
通常リズムパターンを叩いているときは、ハイハットは一定のフレーズを叩きます。
ハイハットに対して、スネアやバスドラムを加えてリズムパターンとなっています。
ハイハットとバスドラムを同時に叩く場合、ハイハットのような高音域の音は音の立ち上がり(音が発生してから耳に届くまでの時間)が早く、バスドラムのような低音域の音は音の立ち上がりが遅いのが特徴です。
ですのでハイハットとバスドラムを同時に叩いた時、若干の遅れが生じて聴いている人たちの耳に届くことになります。
遅れずに同時に音を届けるには、ほんの少しバスドラムを早めに叩くことが理想となります。
ドラムセットには多くのパーツが組み合わさっていますので、音域の関係をつかみ気持ちのよいグルーブを探してください。
③ 自分自身で気持ちいいと感じているか
上記の2つは音量やタイミングを理屈で説明しただけにすぎません。
もっとも大切なのは自分自身の心で感じることになります。
自分の叩いたリズムを録音して何度も聴き、自分自身で気持ちいいと感じられるかが大切になります。
日常の生活の中でなんとなく気分がいい時、好きな曲を口ずさんでみたりしたことはないでしょうか?
そんな感じで自分の好きなリズムを唄ってみてください。
自分自身で気持ちいいと感じるリズムを頭の中で音としてイメージできたとき、そのイメージを両手両足に伝えてドラムセットで表現することが重要になります。
グルーブは大きく分けると2つに分かれます
① 前ノリ
前ノリとはロックなどの激しいアップテンポの曲で使われることが多く、一定のテンポをキープしたまま前へ前へ進もうとするグルーブです。
疾走感を出すために使います。
一般的に使われる2拍目と4拍目のスネアのタイミングが若干早く感じられます。
スネアのタイミングにより聴いている側の背中をぐんぐん押しているかのようなグルーブです。
② 後ノリ
後ノリとはスローテンポで使われることが多く、一定のテンポをキープしたままゆったりと重たく感じさせるグルーブです。
ブラックミュージックなどでよく使われます。
一般的に使われる2拍目と4拍目のスネアのタイミングが若干遅く感じられます。
体全体が横に揺れるような心地よいグルーブです。
ドラムのグルーブと言語の発音について
ドラムが奏でるグルーブは言語でいうと発音に近いのかもしれません。
私たち日本人が話す英語の発音とネイティブの人たちが話す英語の発音とでは明らかに違います。
逆に海外の人たちが話す日本語を聴いても私たちにとっては違和感があります。
ジャズの世界ではジャズのグルーブを出すことは日本人には不可能だと言われています。
やはり言語と同じように幼少期からジャズのグルーブに触れていないと身に付かないということのように思えますが、ドラムは言語とは違い、音楽なのでドラムで自分の気持ちを表現し、自分が気持ちのいいリズムを奏でることができればそれでよいと思います。
気持ちのよいグルーブを吸収しよう
好きなアーティストの楽曲を聴いてグルーブを感じとってみてください。
どのようなリズムの時に自分の体が揺れるかを掴んでください。
音質・音色などによってさまざまなグルーブがありますので好みも分かれてくると思います。シンプルな8ビートでもいろいろなものがあります。
どんなノリが気持ちいいか見つけてみてください。
アメリカのブラックミュージックは心地いいとよく言われています。
ファンクやR&B、ソウルなどのジャンルを聴いてみてください。大切なことは自分の感じているグルーブをドラムを通して表現するということです。
ドラムを叩いているとき、まず自分自身が気持ちよく叩けている必要があります。
いろいろな音楽を聴いて気持ちいい音を感じてください。
グルーブのまとめ
ここでは3点の音量やタイミング、感じることの重要性を説明してきました。
以下はこれまでのまとめになります。
気持ちのいいグルーブの3つの条件
- 3点(ハイハット・スネア・バスドラム)の音量
- 3点(ハイハット・スネア・バスドラム)のタイミング
- 自分が気持ちいいと感じること
2種類のグルーブ
- 疾走感をだすための前ノリ
- ゆったりと心地よい後ノリ
ここではグルーブについて説明しました。
ドラムを演奏するにあたってもう一つ重要なことはテクニックです。
興味のある方はテクニックについてにも目を通してみてください。
ライタープロフィール
ドラマー
川島広明
子供から社会人の方まで丁寧に楽しくレッスンしています。
ドラムといえば男性がやるようなイメージがありますが、意外にも男性より女性の方が多いです。
初心者の方が中心で気軽にドラムを楽しんでいます。
当ドラム教室のレッスンの目的はドラムの演奏能力の向上のみではありません。
ドラムと音楽を通じて、毎日の生活が楽しくなるようにすることが目的です。
ドラムを叩けるようになって、バンドが組めるようになって、音楽仲間が増えて、毎日が楽しくなればいいなと考えています。