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ギターピックの種類と選び方・おすすめ(天然素材編)

ギター・ベース用として市販されているたくさんのピックの中から、20種類以上の石や木、貝殻といった天然素材の感触やサウンドの特徴、その使い方・選び方についてをわかりやすく解説します。

音楽スタジオのベテランスタッフがレビューしてみました。

【素材別レビュー】

木(ウッド)

エボニー

エボニー

いわゆる黒檀とよばれる木材で、黒が美しい木材で硬さがかなりあります。

ギター、ベース、バイオリンなどの弦楽器の指板に使われる木材ですね。

ピアノの黒鍵なんかもエボニーです。

レビューモデル

PICKBOY EBONY WOOD Hand made

素材の感触

持ち心地がツルツルで高級感があり、やや軽量でしっかりとした硬さがあります。

木材らしい感触ですが、硬さが際立ちますので、取り回しもしやすく様々な奏法に使いやすいかと思います。

減りも少ないので経済的です。

サウンドの特徴

木材ピックらしいすっきりとしたオーガニックな音色ですがレスポンスが良く、しっかりとした音量が出せます。

ハイ、ローが良く出てきていてゴリっとした質感です。

ハイが痛くなくまろやかで、クリーン~オーバードライブサウンドによくはまります。

木材ピックは基本的に分離が良いのでコードワークが弾きやすいです。

カリン(パドウク・パドック)

カリン

赤みがかった色が鮮やかで様々な工芸品などに利用されています。

ギターではボディー材として使用される事があります。

木琴などもカリンで作られているものがあります。

加工時に出る粉塵が人体に有害であるとされていて、利用が制限された時期があります。

レビューモデル

Clayton Exotic Padauk

素材の感触

硬さはしっかりとありますがエボニーに比べるとやや柔らかめ。

重さも詰まり具合が影響しているのか少し軽く、減りは少し早めです。

持ち心地がよく吸い付く感じがあります。

全般的な奏法で使用できるピックだと思います。

サウンドの特徴

分離が良くコードワークやカッティングをしても各弦の音がつぶれません。

カラッとしていて、すっきりとした空気感があり、ミドルが良く出てきてハイ、ローもバランス良く出てきます。

ややメロウなサウンドキャラクターがつくのも特徴です。

クランチあたりで演奏すると甘めのブルージー感がでて気持ちいいです。

ココナッツ

ココナッツ

ココナッツの殻を使用したピックです。

殻は強靭な繊維質の塊で、死亡事故が起こるほど硬いです。

南国のおみやげに工芸品などにもなっていますね。

レビューモデル

Montreux Coconut shell large pick 3.00mm

素材の感触

ココナッツは硬い素材でピッキングでは減りません。

殻にカーブがついているので持ち心地は好みが分かれるでしょう。

木材の中では重い方なのでしっかりピッキングできます。

かなり厚みがあるので速いフレーズの取り回しはやや苦手というところです。

サウンドの特徴

カラッとした音像ですが重みがあり丸い音が発音されます。

立ち上がりが早く、はっきりとした音色で、こちらはクリーンサウンドに向いています。

フルアコやアコギで使用してみるとおもしろいかと思います。

竹

生活の中でもお馴染みの竹。

実はタケとササとバンブーは別の種類で、試奏モデルはバンブー製。

乾燥させたものは硬さと柔軟性が兼ね備わっており様々な用途に用いられている。

レビューモデル

Bambee Bambee pick Hard

素材の感触

しなりがありピッキングニュアンスが出しやすいです。

軽いので取り回しもよく、キレのいい演奏がやりやすいピックです。

手になじみやすく触り心地がいい感じです。

減りがかなり速いので耐久性はイマイチで、強く握っただけでミシッという音がするので強すぎる演奏には不向き。

サウンドの特徴

カラッとした音像で分離がよくコードを弾いても潰れません。

エッジが効いて抜けがよくバランスよく発音されます。

オーガニックな音質でブルースらしさが出ます。

クランチ~オーバードライブで弾くと大変相性が良いのでブルースロックなどに向いています。

とにかく分離が良いのでディスト-ションでの低音リフでもはっきり聞こえます。

石(ストーン)

石

メノウや水晶、オニキス、ブラッドストーンなどが有名。その他にもなんと「隕石」から作られた変わりダネまであります。

形状は極端に厚手のものが多く、石ならではの独特の倍音を含むその音色は、今なおたくさんのギタリスト達を魅了し続けています。

メノウタイプを試してみましたが、大きくはっきりした音が出やすく、特に高音弦のサステインがとても気持ち良い感じです。

サウンドの特徴

メリット・デメリット

瑪瑙(メノウ)

瑪瑙

様々な色の鉱物が折り重なってできる変種で宝飾品としても扱われ、英名ではアゲートと呼ばれます。

もともと色鮮やかな上に、着色も可能なので様々な色のものがある。

組成によってたくさん種類があり、それぞれに名前が付いています。

瑪瑙という名前は縞模様が馬の脳に似ていることから。

ピック材としては大変高価な部類に入ります。

レビューモデル

PICKBOY STONE AGATE green

素材の感触

ストーンピックらしいなめらかなタッチ感が特徴で、イメージほどの重さもなく軽やかに弾けるかと思います。

振動はほぼ伝わってこないのでピッキング技術は多少必要でしょう。

メカニカルな速弾きは少しやりにくいですね。

ピッキングによる減りはほぼ無いと言っていいです。

サウンドの特徴

丸くふくよかで、太さと広がりのある優しい音色です。

反面、発音はやや遅くキレのある演奏に使用するのは難しいでしょう。

クリーンサウンドでフロントピックアップを使って演奏するジャズ系のテーマ~ソロで威力を発揮します。

アンプやミキサーで高音やプレゼンスを補正してあげるといいと思います。

リバーブとの相性もいい感じで、アルペジオで広い空間がつくれます。

歪みで使用するとモコモコとしてつぶれてしまい、あまりいい感じにはなりません。