ギターピックの種類と選び方・おすすめ(天然素材編)
ギター・ベース用として市販されているたくさんのピックの中から、20種類以上の石や木、貝殻といった天然素材の感触やサウンドの特徴、その使い方・選び方についてをわかりやすく解説します。
音楽スタジオのベテランスタッフがレビューしてみました。
【素材別レビュー】
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骨・角・牙・甲羅など
貝殻
マザーオブパールといわれ、真珠を産み出す貝の貝殻のことです。
ギターのインレイなどに使用される白蝶貝などもこれの一種です。
見た目もキレイで高級感があります。
レビューモデル
PICKBOY ASSUR GENUINE MOP 2.00mm
素材の感触
厚みがありながらも軽量ですが、思ったより削れていくのが早いです。
タッチ感はストーンピックに近いですが、ストーンに比べると通常のピック寄りです。
ホーンとストーンの間くらいの硬さというところでしょうか。
表面が少しツルツルとしているので、ピックが少し回りやすい印象です。
サウンドの特徴
立ち上がりがよく、ハイ~プレゼンスにきらびやかさが出ます。
ミドル抜けが良く芯のはっきりとしたどっしりとした質感になります。
固く締まったローとキレイなミドル、ハイと通常のピックとは違った意味でバランスがいいです。
クリーン~歪みでも問題なく使用でき、厚みもそれなりにあるので音量感もでてきます。
クランチあたりで演奏すると気持ちゴージャス感が出せて面白いです。
ルーツ混じりのフュージョンやスタンダードなロックが向いていると思います。
ゴム
エボナイト
参考:下町のエボ屋さん
硬く光沢をもったゴム素材で、外観がコクタンに似ていることからエボナイトと呼ばれます。
古くは楽器のマウスピースなどにも使われており、低音から高音までバランスが良く、楽器本来の音色をそのままに伝えます。
サウンドの特徴
- 自然な音。自然なグリップ感
メリット・デメリット
- 高価
ラバー(硬質ゴム)
いわゆるゴム素材で作られています。
あらゆる場所で目にする一般的な素材ですが、ピックとしてはかなり珍しい部類になります。
レビューモデル
Clayton PHAT-TONE 2.80mm
素材の感触
元々ベース用として開発されており、素材が柔らかなのでアタックを消す効果があります。
厚さもあるのでギターで使用するのはやや厳しいところです。
リフなどでの低音のフレーズはかなり弾きやすいです。
もちろんゴムのみではピックとしては頼りないので樹脂素材と組み合わせて作成されますが、全く違った音の特徴を持っています。
サウンドの特徴
アタックが消されて、まろやかな発音になります。
フィンガーピッキングに近づけるという思想のもと開発されています。
フィンガーの音そのものとはいきませんが一般的なピックを使用するよりは確かに近くなります。
音は厚く、太く芯もあるサウンドが出せます。
歪みで使用しても思ったよりは潰れず使用してみても面白いかと思います。
その他
皮革(レザー)
一般的にウクレレ用とされているピックで、いわゆる動物の皮、皮革ですね。
皮革でできたピックというとちょっとレアな存在です。
工芸品やコート、靴などで普段から目にしているものですね。
レビューモデル
Famous モンステラ
素材の感触
レザーのキーホルダーを想像してもらうと分かりやすいかと思います。
ふわふわとした持ち心地。
もちろんギター用ではありません。
ウクレレで使用する前提で製作されていますが、ガットギターでもいい感じでしょう。
表面に粘りがありひっかかりますので、演奏には慣れがいるでしょう。
サウンドの特徴
ウクレレで試奏出来ていないのでその真価はわかりませんが、アタックが消えまろやかでオーガニックな音が出ます。
ふわっと広がりがあるのでアコースティックのコードワークがいい感じです。
まさにウクレレにうってつけのピックでしょう。
エレキギターで使用するのはやめておきましょう。
すぐダメになります。
フェルト
一般的にウクレレ用とされているフェルト製のピックです。
ウクレレのやわらかい音色を生かすにはソフトなフェルトが一番良いされています。
動物の毛を圧縮して板状にした不織布のことで、絨毯やカーペットなどでよく目にしますね。
ピアノの鍵盤のカバーなどもフェルト製が多いです。
レビューモデル
PICKBOY S
素材の感触
ピック的には薄いプラスティック材を芯にして、その周りをフェルトで覆って成形している状態です。
もちろんフワフワした持ち心地で一般的なピックとは全く違います。
弦への負担がほとんど無いので弦にはやさしいですが、フェルトがすぐほつれるのでピック自体の寿命は短めかと思います。
サウンドの特徴
基本的にはウクレレ用として生まれましたが、ガットギターなどにも向いているかと思います。
ウクレレやガット・ギターは弦が柔らかいので通常のピックで演奏すると 弦が切れないか不安ですし、アタックが強すぎて本来の響きが出ないこともありますので、こういった柔らかい素材のピックはいいと思います。
音量的には消音作用は意外となくしっかりと出ますが、アタック感はほぼなく柔らかく丸い広がりのある音が出ます。
サスティーンはあまりありません。
スチール弦で弾くと数回でフェルトがほつれてくるので正直オススメできません。
アコースティックでウォームな音を出したいときに使用するといいでしょう。
最後に
ピックが変わるだけで音の出方や、弾き方そのものも変わってきます。
音を変化させるのに一番低コストで済むのがピックです。
表現したいニュアンスによって変えてみてはどうでしょうか。
いろいろ試して、ライブやレコーディングに役立てて下さいね!
参考になれば幸いです。