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ギターピックの種類と選び方・おすすめ(樹脂・プラスチック素材編)

ギター・ベース用として市販されている様々なピックの中から、20種類以上の樹脂プラスチック素材の感触やサウンドの特徴、その使い方・選び方についてをわかりやすく解説します。

音楽スタジオのベテランスタッフがレビューしてみました。

【素材別レビュー】

樹脂・プラスチック素材

カーボン(Carbon)

カーボンナイロン

カーボンナイロンという、複合素材を使用したピックです。

このタイプは先端のとがってるタイプのものが多く、テクニカル系のギタリストが使用されてること多いです。

レビューモデル

PICKBOY Carbon Nylon 0.88mm

素材の感触

しなりはほぼなく、硬くマットな感触が特徴です。

軽いのでピッキングは楽な印象ですね。

削れは少なそうですが徐々に減っていく系です。

サウンドの特徴

音はパキンと硬い印象で立ち上がりが早く、はっきりとした音像なのでスッキリしています。

ミッド~ハイがよく出てローは少なめですが、エッジが立ちすぎず耳障りでないので使いやすさもあります。

クールでダークな音色を使用したいメタル系やアーバンな音楽に向いています。

カッティングもやりやすくキレの良さを出しやすいです。

特にディストーションサウンドとの相性は抜群です。

高音部でソロを弾くとかなり気持ちいいサウンドが得られますので、速弾きにかなり向いていると言えます。

ポリアセタール(Polyacetal)

ポリアセタール

割と広い意味での素材名でセルコン、デルリンやジュラコンなどもポリアセタールの一種。

ポリアセタールと記載されているものは名称がないものの総称ということです。

耐疲労性、耐摩耗性に優れていることから機器の外装、自動車の内装、模型の可動部などに使用されていて 生活に溶け込んでいる素材でもあります。

レビューモデル

ESP 0.6mm ティアドロップ

素材の感触

マットですが、すべすべとした触り心地で気持ちいいです。

一般的な素材のピックと違和感なく持ち替えが可能な素材です。

スクラッチをすると表面が削れはしますが、減りに対しては強い感じです。

サウンドの特徴

セルロイド系に比べるとややライトな音像でハイとアタックがよく出ます。

カラッとしていてロー、ミドルは控えめな印象ですが、変わり種の素材ではないので音はスタンダードです。

歪みではハイよりはミドルハイあたりがよく出ますし、和音もよく馴染む感じになります。

プラスティック系の素材はバランスがとれていてどれも使いやすいので、アタック感や弦へのタッチ感で決めるのもアリです。

デルリン(Delrin)

デルリン

デュポン社のポリアセタール(POM)樹脂、エンジニアプラスチックの一種で軽量で長寿命、耐水性や耐熱性にも優れた素材

セルロイドより柔軟でナイロンよりは堅い。

表面はなめらかです。

サウンドの特徴

メリット・デメリット

ジュラコン(DURACON)

ジュラコン

ジュラコン(POM)は、エンジニアリングプラスチックのひとつで、耐摩耗性や耐薬品性に優れるポリアセタール樹脂で、ポリプラスティック社の製品をジュラコンと呼んでいます。

いろいろ種類があるのですが、基本的にはポリアセタールやデルリンと同じものです。

レビューモデル

AriaProII HYPER TOUCH SMOOTH&TOUGH 1.0mm

素材の感触

表面はサラサラとしてマットな感触で持ち心地もよく、一般的なピックと大差無いので乗り換えも容易でしょう。

ポリアセタール系の樹脂はセルロイドなどに比べると弾性が高く感じますが、あたりが柔らかく、弦になじみやすいでしょう。

適度にしなりピッキングのニュアンス付けがしやすいのでいい感じです。

ピッキングにより音の差を出していきたいプレイヤーは一度お試しください。

バランスのとれた優等生ピックといえるでしょう。

サウンドの特徴

セルロイドに比べると、少し柔らかめの音色で比較的ウェットな響きが出ます。

滑らかで甘い音を出しやすい印象で、ミドル~ローが強調されて出てきます。

発音がしっかりしていて、聴き心地が良いです。

低音はやや音像がぼやける印象なので、メロウなトーンを生かすなら中音域がスイートスポットでしょう。

キレ良い演奏もしやすく奏法を選ばず使用できます。

伸びのあるオーバードライブなどがよくハマりますので、ギターインストなどでメロディーライン弾くときなどに向いています。

ポリカーボネート(Polycarbonate)

ポリカーボネイト

有機ガラスの一種でアクリルよりはピックっぽい物質ですが、見た目には独特の質感と光沢感があり、ややメタリックな印象です。

プラスチック素材の中では最高クラスの耐衝撃強度があり、身近な物ではCDやDVDの素材ですね。

非常に軽量で透明度が高く耐久性が高いので、防弾素材に使用されたり ヘルメットのシールドなどでよく目にするかと思います。

レビューモデル

PICKBOY Edge Polycarbonate

素材の感触

とにかく丈夫なので安心です。

表面はツルツルしており、滑りやすいです。

レビューモデルには滑り止めの加工がなされていたので持ち心地は悪くなかったですね。

あとは非常に軽いのでピックの回転が速くなっても全く問題なく、スウィープがしやすい印象でした。

たくさん種類のあるプラスティック素材ですが独特の弾き心地になります。

サウンドの特徴

いい意味での軽さが出ます。

パキパキとした独特のアタック音が特徴的です。

ロー、ミドルは控えめでハイが目立つ感じですが、若干の柔らかさが残るのが印象的です。

キレのいい演奏を求められるジャンル、ファンクやガレージロックなどが向いているかと思います。

歪みではやや音の薄さが気になり、歪みの良さがあまり出ないような印象を受けました。

クランチくらいで使用するのが良いでしょう。