【上級ギタリストのための】さまざまなタッピングバリエーション
音域を最大限に有効活用し、楽曲の広がりを持たせられるタッピングスレーズの数々。
今回は、そんなタッピングフレーズを数例ご紹介したいと思います。
慣れないうちは難しいかもしれませんが、慣れてきたらご自身の楽曲などに活用できるはずです。
もくじ
今回のフレーズ紹介
今回は右手複数指使用、左手先行のタッピングフレーズをご紹介します。
こちらのギターコンペ用動画の、32秒からの部分です。
こちらがTAB譜です。
キーはDmです。
左手先行、右手複数指を使ったタッピングフレーズ1
前半2小節の部分を解説します。
まずは6弦10フレット、5弦12フレットを左手タップで発音し、続いて6弦13フレット、5弦15フレットを右手中指・薬指の順でタッピングします。
この4音を単純に2オクターブ上昇していきます。
音の構成としてはDm7のアルペジオとなっています。
左手先行、右手複数指を使ったタッピングフレーズ2
次に同じ要領で6弦13フレット、5弦15フレットを左手、6弦17フレット、5弦19フレットを右手でタッピングし、2オクターブ上昇して弾きます。
音の構成としては、Fmaj7のアルペジオとなっています。
左手先行・右手複数指を使ったタッピングフレーズ3
2小節目最後の6連譜は右手は中指1本のみ使います。
左右の手の動きがバラバラでポジションを見失いやすいので何度も繰り返し練習し、片方の手は見なくてもポジション移動が出来るようになれば理想的です。
ここも音の構成としては、Fmaj7のアルペジオとなっています。
左手先行タッピング
3小節目はまた別のパターンのタッピングです。
Greg Howe(グレッグ・ハウ)やGianluca Ferro(ジャンルカ・フェロ)などが得意とする左手先行のパターンです。
各弦ごとに「左手先行→右手タッピングからのプリング」の流れで統一されています。
1小節間のポジション移動が結構大きいので、3拍目の1弦17フレット・21フレットをしっかり狙ってください。
音の構成としてはC#オーギュメントであまりなじみがないかもしれませんが、長3度ずつ重ねていくだけの単純な構成なので、ポジション移動しても指板上の動きは全く変わらず、その点は覚えやすいと思います。
実はこのソロは4小節目、フルピッキングからスウィープの部分が最も難しいのですが(笑)。
それはまた別の機会に解説したいと思います。
フレーズを作る際のヒント
今回取り上げたように、4音程度にまとめたフレーズを6弦〜1弦に渡ってオクターブ違いで上昇・下降する手法は弾き手側からすればポジションを覚えやすく、聴き手側からしても理路整然としていてすっきりした印象になるので僕は多用しています。
また、鳴っているコードがマイナーの場合、そのコードの構成音から出来るメジャーコードのアルペジオをぶつけると洗練された印象に聴こえます。
今回であればDm7上でFmaj7アルペジオを弾いたのがそうです。
ご自身のフレーズストックにお役に立てれば幸いです。
ライタープロフィール
ギタリスト
木村洋平
1986年生まれ。
岩手県出身。
14歳からギターを始めアマチュアとしての活動を続けており、現在は本業と並行して作曲・レコーディングの仕事や、自身の楽曲制作・動画の投稿などの音楽活動を行っている。
誌面やネットを通した海外のギターコンテスト等での入賞実績もある。
YouTubeチャンネルの累計再生数は300万回以上。
2016年現在までに、ギターインストアルバムを4枚(CD&配信)リリースしている。
ヤングギター誌上コンテスト「ヌーノに挑戦!
Jamming with Nuno 2016」でグランプリを受賞。
ウェブサイト:http://yoppeguitar.jimdo.com
Twitter:yoppe0131
Facebook:poteto.yaochushi
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