ナチュラルハーモニクス奏法で弾くペンタトニックスケール
今回はナチュラルハーモニクスを使ってペンタトニックスケールを弾くという、ちょっとしたアイデアをご紹介します。
ナチュラルハーモニクス奏法とは?
ギターの指板上に存在する「ハーモニクスポイント」に指を触れて音を出すテクニックです。
代表的なハーモニクスポイントとしては、5フレット・7フレット・12フレットで、フレットの真上の弦に左手で軽く触れ、ピッキングすると同時に左手を離すと「ポーン」という音が出ます。
これがナチュラルハーモニクス(以下N.H.)です。
ハーモニクスポイントはある一定の法則で指板上に存在しているので、ハーモニクスが鳴る場所と鳴らない場所が存在します。
ロック系のギターではリフやフレーズのアクセントに使われることが多い奏法です。
フレーズ解説
まずはこちらを聴いてみてください。
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1・3小節目が実音(通常弾くようにフレットを押さえて鳴らした音)、2・4小節目がN.H.で同じフレーズを弾いたもの、5小節目からは同じ順番で下降フレーズを弾いたものになります。
実際に弾いてみると分かりますが、N.H.は12フレットを境にローポジションまたはハイポジションに行くにしたがって音程が高くなります。
これはハーモニクスポイントが12フレットを中央にして左右対称の場所に存在しているからです。
例えば、7フレットと19フレットのN.H.は同じ音程です。
そのため音の並びがバラバラなので最初は戸惑うかもしれませんが、繰り返し弾いて手になじませてしまいましょう。
N.H.を奇麗に鳴らすポイント
一般的にはリアピックアップで弾くと奇麗に鳴ります。またピッキングする位置をブリッジ寄りにすることでも鳴りやすくなるので、うまく鳴らない場合は試してみてください。
3フレットのN.H.は厳密にいうと3フレットの真上ではなく、若干4フレット寄りの位置で弾くと奇麗に鳴ります。
今回のフレーズは6弦から4弦、5弦から3弦という風に弦を飛ばしてまたぐ「スキッピング」が多用されていますので、ミスピッキングに注意して練習しましょう。
N.H.をフレーズに取り入れた楽曲の紹介
Van Halen – Neworld
アコースティックの小曲です。
45秒あたりからN.H.のみでメロディーを弾いています。
チューニングはドロップD(6弦のみ1音下げ)です。
ハーモニクスポイントは音程も音数も限られているので、チューニングを変えるといった柔軟な発想もN.H.奏法の可能性を広げるヒントになりそうです。
CHON – Bubble Dream
1分19秒からのツインギターによるN.H.のプレイは圧巻です。
レギュラーチューニングによる限られたハーモニクスポイントの中での、これほどまでにメロディアスなフレーズはセンスの塊としか言いようがありません。
ライタープロフィール
ギタリスト
木村洋平
1986年生まれ。
岩手県出身。
14歳からギターを始めアマチュアとしての活動を続けており、現在は本業と並行して作曲・レコーディングの仕事や、自身の楽曲制作・動画の投稿などの音楽活動を行っている。
誌面やネットを通した海外のギターコンテスト等での入賞実績もある。
YouTubeチャンネルの累計再生数は300万回以上。
2016年現在までに、ギターインストアルバムを4枚(CD&配信)リリースしている。
ヤングギター誌上コンテスト「ヌーノに挑戦!
Jamming with Nuno 2016」でグランプリを受賞。
ウェブサイト:http://yoppeguitar.jimdo.com
Twitter:yoppe0131
Facebook:poteto.yaochushi
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