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Hartke HA3500 真空管の簡単な交換方法
最終更新:

Hartke HA3500 真空管の簡単な交換方法

真空管にはフィラメントが使われていて、いわゆる「電球」みたいな仕組みです。

電球みたいにフィラメントが弱ったり・切れたら使えなくなります。

つまり、真空管アンプは数年使っていると故障するか、音は出ていたとしても音質は少しずつ劣化していきます。

交換した時に新しい真空管の鳴りの良さに「ハッ!」とする事もしばしば。

もちろん故障する箇所は真空管以外にも発生するわけですが、真空管アンプや真空管エフェクターのオーナーさんは交換の手順を覚えておいて損は無いかなと思うのです。

機材の蓋さえ開けてしまえば交換自体は簡単ですので。

簡単な真空管の交換方法

という事で今回、ノイズが出るようになったハートキーを修理した時の手順を紹介していこうと思います。

他の真空管アンプは様々な種類の真空管があってややこしいですが、HAシリーズはプリ管が1つだけなのでわかりやすいのではないかと思います。

Hartke HA3500

分解

まず、外に着いているこれ。

これを取っても電気的には一切関係無く、蓋も開きません。

怖がらずバッと外して大丈夫です!

Hartke HA3500

これは防具みたいな物で、あくまで外の衝撃から守る役目。

スタジオに置く分には・・・というか私的には不必要で、メンテナンスの時に開ける手間・閉める手間が増えるだけなので外しておこうかいつも悩むのです^^

しかし、いつ事故って落ちてしまうかもわからないので、安全策を取っておくに越した事は無いですよね。

防具を取ったらあとはネジ10本で蓋が空きます!

※一応注意点ですが、防具用と蓋用のネジが地味に違う種類です。

後で混ざってしまわないように、袋に入れるなどして分けておきましょう。

内部清掃

埃が凄い!

Hartke HA3500

基本的に定期的に埃取りをしたり、もちろんこうやってメンテナンスで開ける機会には取り除くのですが、うまくその機会を潜り抜けてきたということでしょうか。

開けられてすらいないという事は、良く言うとこいつは「壊れにくい証」でもありますね(笑)

さすがスタジオのスタンダードに登り詰めたハートキーさん!

とはいえ、埃がもし湿気を含むと通電してしまい、そのまま発火する事すらも考えられます。

燃えてしまうとにっちもさっちもいきませんので、そんな事になる前に掃除機で吸ってやりましょう。

開ける時にこういう汚れ等も掃除してやるのも大切なメンテナンスです。

Hartke HA3500

奥の方だけ吸い取った図。

Hartke HA3500

↑これがこうなる↓

Hartke HA3500

交換

それでは、外してみましょう。

まずは固定の為に上から押さえている物をズラして、

Hartke HA3500

真空管を抜くのですが、垂直にグッっと抜こうとしても、9本のピンがしっかりグリップしてるのでなかなか抜けません。

(種類によって本数が違います。)

グリグリ・ジワジワと抜いていきましょう。

Hartke HA3500

Hartke HA3500

Hartke HA3500

この時入っていたのはGROOVE TUBES製。

こちらも素晴らしい球ですが、品質の安定感と入手のし易さからELECTRIC HARMONIX社製(通称エレハモ)を入れます。

こういう電子パーツ類はロシア製がすごく造りが良くて信頼度が高いです。

追々真空管の違いで音がどれほど変わるのかっていうのを実験してみたいですね。

12AX7

※注)挿す時は、ピンの無い所を合わせて挿します。

ここに注意せずに挿そうとしてピンを折っちゃうと使い物にならなくなるので気を付けてください。

挿す時にもグリグリして挿していきましょう。

案外押す力をかけないと挿さってくれないです。

力が必要なので、先ほどの点に気を付けて行わないと、ピンがズレていて変に当たっている時も気付かず頑張ってしまう事があります。

実際私もピンを曲げてしまう事が時々あります。

もし変に曲げてしまった場合はラジオペンチ等で真っすぐに戻してやりましょう。

Hartke HA3500

Hartke HA3500

Hartke HA3500

しまう際は逆の手順を踏むだけですね。

押さえを着けて、蓋を閉めたら完成ですね!

必ず音がなるかチェックする事を忘れずに!

どうでしょう? 新品の真空管から鳴るコシのある音は出ましたでしょうか。

交換作業時の注意点

今回紹介した真空管はプリ管といって型番さえ間違わなければ細かな調整の必要無い部分です。

代表的な物に “12AX7” “12AT7” 等があります。

これと違ってパワー管という物の代表的な物に “EL34” “6L6” 等があります。

そして『バイアス調整』という作業がほとんどの場合必要です。

故障した物から正常な物に交換するだけで音は鳴るようにはできるのですが、この作業をしないとパワー管の本気を引き出す事ができないのです。

大切な作業なので、バイアス調整については改めて。

そして特に大切な事が、真空管周りには数百ボルトの高い電圧がかかっているという事です。

今回は機材を充分に放電させてから行ったのと、撮影の便宜上手袋をしませんでした。

もちろん真空管のガラスの部分には電気は流れていませんが、必ずゴム手袋や革手袋をして行うようにしてください。

アンプなど扱う電気の大きな機材は電源ケーブルを抜いてもコンデンサー等がしばらく多くの電気を蓄えています。

『恐いな』と思う方は『こことここは大丈夫』という風に知識を付けて理解してから自己責任にて触るようにしてくださいね。念のため。

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