裏コードとは?ドミナントに対する音楽理論
1. ドミナントの代理コード
主要三和音であるトニック、サブドミナント、ドミナントには代理コードがありました。
と以前、紹介しました。
参考:ダイアトニックコードの機能「主要三和音」「代理コード」とは?
しかし、実際にはドミナントとの代理としてIIIかVIIが使われることはほとんどありません。
しかしながらドミナントの代理コードとして使えるコードが存在します。
それは「♭II7」です。
CメジャーにおけるD♭7に当たります。
なぜ♭II7がドミナントの代理として使えるのか説明しましょう。
以前音程のお話で、ドミナント7thコードにはトライトーンという不安定な音程(減5度)が含まれており、それがIに進むと安定な長3度の音程が生まれるということをいいました。
♭II7も同じドミナント7thコードなのでトライトーンが入っているわけです。
ここで、もともとのVであるG7と♭II7であるD♭7を見てみましょう。を見てみましょう。
なにか気づきませんか?
ヒントはトライトーンです。
実はG7とD♭7のトライトーンを作っている音は全く同じなのです。
トライトーンにあたる部分が
- G7が「シ」と「ファ」
- D♭7が「ファ」と「ド♭」
ですね。
一見みてみると違う音に見えますが、ド♭=シなので同じ音になります。
トライトーンが同じで、Iに進む際にVであるG7と同じように不安定な音程から、安定な音程に向かっていることから♭II7がドミナントの代理コードとして使われます。
ちなみに♭II7コードは「裏コード」とも呼ばれています。
裏コードを用いてこのようなことができます。
本来のツーファイブであるII→V進行から、裏コードを使ってII→♭II7という進行を作ることができます。
- II→♭II7→I(Dm→D♭7→C)
- Dm7→D♭7→C
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これを使うことによってベースがD→D♭→Cという半音進行できます。
2. IV/VとIIm7/V
IV/VとIIm7/Vは少し変わったコードで、こちらもドミナントの代理コードとして使用できます。
Cメジャーにおける、F/G、Dm7/Gにあたります。
なぜこの2つがドミナントの代理コードとして使えるのかというとこちらをご覧下さい。
この2つのコードはV7sus4すなわち、CメジャーにおけるG7sus4と共通する音を2つ以上持っています。
使用例を見てみましょう。
尾崎豊 I LOVE YOU(1983)
https://www.youtube.com/watch?v=7hSRZwhx3Ro&feature=youtu.be
この曲はドミナントコードを使う際にIIm7/Vを使っています。
イントロやサビの最後のコード、にそれが出てきます。
キーはAメジャーなので、Bm7/Eが使われています。
終わりに
これで主要なコードの業はほぼ紹介しました。
今ままでのセカンダリードミナント、サブドミナントマイナー、裏コードなどすべてを複合して曲作りに役立てて頂ければと思います。
ライタープロフィール
キーボーディスト
佐々木祐
北海道札幌市出身。
19歳の時に専門学校に入学し、音楽理論などを2年間学ぶ。
キーボーディストとしても活動しております。
こちらの方で音楽理論の記事を作っていました。
ウェブサイト:http://mrpianoman0620.blogspot.jp
Twitter:sasasa_maegami