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【洋楽】ヒップホップ史に残る名盤!押さえておきたい基本の1枚
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【洋楽】ヒップホップ史に残る名盤!押さえておきたい基本の1枚

ヒップホップの歴史は長く、その影響力は他のジャンルはもちろんカルチャーやファッションにいたるまで及ぶものです。

ここ日本でも、素晴らしいアーティストが商業的に成功を収めている実績も多く見られますが、まだまだある種のイメージで敬遠している方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、今や海外においてはポピュラー音楽の中心といっても過言ではないヒップホップの、その時代時代におけるエポックメイキング的な作品を中心とした名盤を集めてみました。

進化し続けるヒップホップという音楽を、この機会にぜひ味わってみてください!

もくじ

【洋楽】ヒップホップ史に残る名盤!押さえておきたい基本の1枚

Life After Death

HypnotizeThe Notorious B.I.G.

1,000万枚という破格のセールスを記録、ヒップホップ史上において3番目に高い売り上げを誇るアルバムが、ノトーリアス・B.I.G.さんが1997年にリリースしたセカンド・アルバム『Life After Death』です。

前作『Ready To Die』の成功でラッパーとして大成したノトーリアス・B.I.G.こと愛称ビギーさんが、これからの人生を見すえて名付けられたというアルバム・タイトルとは裏腹に、ビギーさんはアルバムのリリース前にいまだ未解決の事件に巻き込まれて亡くなってしまったのですね。

当時のヒップホップにおける東西抗争など、そういった事情も含めて作品のセールスを後押しした面もあるかもしれませんが、ダブル・アルバムで全29曲という大作である本作の価値はそのようなゴシップ的な話題とはかけ離れたものです。

映画のようなMVが話題を呼んだ『Hypnotize』や、同じく特大ヒットを飛ばした『Mo Money Mo Problems』をはじめとして、ずらりと並ぶヒップホップ・クラシックの数々は、ビギーさんの圧倒的な存在感とスキルを余すところなく発揮した楽曲ばかり。

ビギーさんのフロウは重厚ながらも聴きやすく、ヒップホップ初心者にもすんなり耳に入るものではないでしょうか。

ぜひ自伝的な歌詞の意味や、楽曲の引用元などを調べる楽しみも見つけてみてください!

KOH-1

The Marshall Mathers LP

Stan (ft. Dido)Eminem

ヒップホップの枠内をこえて、2000年代以降の音楽シーンにおける最強のスター、最も売れたアーティスト、最も売れたラッパーとして2020年代の今も強烈な存在感と影響力を誇るエミネムさん。

俳優としても活躍しており、2002年に公開された半自伝的な主演作の『8 Mile』を見て、ラッパーを志したという方は多いのではないでしょうか。

ロック畑の音楽ファンも、エミネムさんをきっかけとしてヒップホップを聴き始めたという方、私の世代では多いように感じます。

そんな多方面に影響を与え続けるエミネムさんが2000年にリリースしたメジャー第2弾となった『The Marshall Mathers LP』は、発売後1週間で179万枚を売り上げるなど驚異的な記録を持つエミネムさんの代表作にして、ヒップホップ史上最も売れたアルバムです。

前作のように「Slim Shady」という別人格をタイトルに冠していたのとは真逆で、本名をタイトルとした本作に込められた徹底した怒り、侮蔑的な表現、ポップカルチャーへの揶揄や自己批判はリリースから20年以上が過ぎた今も強烈すぎるインパクトを放ち、アメリカの闇を時にシリアスに、時にユーモラスにラップするエミネムさんの卓越したスキルとストーリーテラーとしての才能は、超名曲『Stan』で頂点を迎えます。

ロックやポップ好きの方にも、一度は聴いてほしい傑作です!

KOH-1

Enter The Wu-Tang

C.R.E.A.MWu-Tang Clan

90年代における東海岸ヒップホップの代表的な1枚であり、金字塔的なアルバムとして評価される傑作です!

『燃えよウータン』という、事情を知らない人からすれば思わず二度見してしまいそうな邦題でも知られる本作『Enter the Wu-Tang(36 Chambers)』は、RZAことプリンス・ラキームさんを中心として、個性豊かなメンバーによる大所帯のMCグループ、ウータン・クランが1993年にリリースした衝撃的なデビュー・アルバムです。

メソッド・マンさんや残念ながら2004年に亡くなったオール・ダーティー・バスタードさんなど、ソロとしても大成功を収めたMCを輩出し、リーダーのRZAさんは映画音楽などでも成功していますね。

そんなウータン・クランによる本作は、往年のカンフー映画のファンであればアルバムのタイトルだけで思わず察してしまうでしょうが、メンバーのカンフー趣味が炸裂した世界観、それぞれタイプの違うスキルを持ったMCたちによる傍若無人なラップの応酬、RZAさんが作る濃厚なファンクネスを誇るトラックが最高に魅力的で、そのカッコ良さはいつの時代に聴いても格別なものがありますね。

ナイーブで内省的な現代のヒップホップとは違う世界を知りたい方は、ぜひウータンの世界へと飛び込んでみましょう!

KOH-1

Illmatic

N.Y. State of MindNas

ヒップホップと聞いて、なんとなくマッチョで悪そうなイメージだけを持たれている方は2020年代の今も多いかもしれません。

ストリートの現実や自身のハードな人生、社会的なメッセージなどを独創的な詩情を兼ね備えたリリックでラップする「神の子」ことナズさんの大傑作ファースト・アルバム『Illmatic』を聴けば、そのイメージはきっと変わるはず。

幼少期のナズさん本人の写真が使われたアートワークも印象的な本作は1994年にリリースされ、当時は西海岸のGファンク勢の盛り上がりに押されていたヒップホップ界において、ニューヨークから現れた若き天才的なMCの誕生はシーンに大きな衝撃を与えました。

当時20歳そこそこ、という年齢とは思えないほどの落ち着きと洞察力は、ナズさんの突出した才能を物がるものでしょう。

DJプレミアさん、ピート・ロックさん、ラージ・プロフェッサーさんというレジェンド級のプロデューサーが参加したことでも知られていますが、ラップの客演は1人だけで基本的にはナズさんのラップだけで構成されている、というのも重要な点ですね。

本作に影響を受けたと語るラッパーは多く、アルバムを題材としたドキュメンタリー映画が2014年に公開され、2017年にはハーバード大学の図書庫に永遠に保管されることが決定されるなど、その影響力は多岐に渡ります。

KOH-1

All Eyez on Me

Life Goes On2Pac

ヒップホップ史における最も有名なレジェンドの1人であり、25歳という若さで最期を迎えた2パックさん。

カリフォルニアを拠点として活動していた2パックさんと、ニューヨーク出身で同じく若くして亡くなったノトーリアスB.I.G.さんとの確執、東西のラッパーによる抗争はヒップホップ史上の悲劇的な出来事であり、歴史的な事件として記憶され続けています。

その人生自体が90年代ヒップホップの歴史そのもの、といった2パックさんの生前最後のアルバムにして代表作『All Eyez On Me』は1996年3月にリリースされ、特大ヒットを記録した説明不要のヒップホップ・クラシックです。

伝説的なプロデューサー、ドクター・ドレーさんがプロデュースした先行シングル『California Love』、兄弟デュオのケーシー&ジョジョを迎えた『How Do U Want It』といった全米チャート1位に輝いた名曲を筆頭に、これを聴かずしてヒップホップは語れないと言わんばかりの楽曲が揃ったダブル・アルバムの大作となっており、まさにマスターピースの名にふさわしい作品だと言えるでしょう。

その破滅的なライフ・スタイルは今や神格化され、ロック・スターやポップ・スターとして同列に語られる2パックさんの人となりを知りたい方は、2017年に公開されたアルバムと同名の伝記映画をご覧になってみてはいかがでしょうか。

KOH-1

It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back

Bring The NoisePublic Enemy

問答無用、ヒップホップ史上最も影響力のある作品の一つであり、強烈なメッセージの数々は混迷を極める現代社会であればこそ、ますます鋭利な刃の如き切れ味を発揮するのです。

カリスマティックなMC、チャック・Dさん率いるパブリック・エナミーは、ニューヨーク出身でシリアスなメッセージ性を持つヒップホップ・グループの代表的な存在。

そのリリックや斬新なプロダクションもさることながら、時代に呼応した柔軟な姿勢で活動の幅を広げ、ロックやメタル・バンドとのコラボレーションやツアーを実施するなど、ジャンルをこえた影響を与えた偉大なグループなのですね。

そんなパブリック・エナミーが1988年にリリースしたセカンド・アルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』は、プロダクションを担当したボム・スクワッドによるノイジーかつファンキーな骨太サウンドがとにかく強烈で、初期メンバーのターミネーターXさんによるスクラッチの存在感もすさまじい。

どれか1つが欠けても成立しない、才能あるミュージシャンたちと1980年代後半という時代が生み出した必然の1枚と言えるのではないでしょうか。

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやリンキン・パークといったバンドが好きなロック・ファンも、一度は聴くべき大傑作です!

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