ギター初心者にもおすすめの歪みエフェクター。オーバードライブ Ibanez TS9 TUBE SCREAMER
歪み系エフェクターの代名詞、Ibanez TS9 TUBE SCREAMERをご紹介します。
TUBE SCREAMERはあまりに有名なエフェクターであり、その使い方を知っておくことはギタリストの常識といっても過言ではありません。
TS9 TUBE SCREAMERとは
Ibanez TS9 TUBE SCREAMERが登場したのは、1982年のことです。
TS9は、1979年に発売されたオーバードライブペダルの草分け的存在であるTS808の後継機として登場しました。
基本的な回路は同じながらも、大きなフットスイッチを搭載することで操作性を増したTS9は、多くのギタリストに歓迎され、現在もその復刻版の販売が続けられています。
現在発売されている復刻版TS9は、オペアンプなどの回路こそオリジナルと違っているものの、エフェクターとしての基本的な性格は同じです。
ちなみにオリジナルと復刻版は本体の裏に貼られたラベルで見分けられます。
ラベルがシルバーなら復刻版と考えて間違いないでしょう。
※オリジナルの「ブラック・ラベル」
TUBE SCREAMERの特徴
では次に、TS9のエフェクターとしての特徴をご説明します。
先述の通り、TS9はオーバードライブペダルの代表機種であるTS808の後継機種です。
つまり、TS9はオーバードライブペダルなのですが、一般的なオーバードライブペダルとは違った味付けがされています。
オーバードライブにはONにすることで激しい歪みが得られるイメージがありますが、TS9はツマミを全て最大にしても、さほど激しい歪みは得られません。
そのため、ディストーションのような激しい歪みを求めてTS9を購入すると、肩透かしを食らうはめになります。
とはいえ、TS9を使えないエフェクターと考えるのは早計です。
TS9はブースター的に使うことで、最大に威力を発揮してくれます。
ブースターとは、音を歪ませることなく音量を上げるエフェクターです。
たとえば、マーシャルのアンプで基本的な歪みを作っておき、ソロでブースターをONにすると、アンプの歪みを生かしたドライブサウンドを得ることができます。
TS9は原音を大きく歪ませることなく中域をグッと持ち上げてくれるので、ブースターとして使うのに最適なペダルなのです。
特に、真空管アンプとの組み合わせは秀逸で、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどの有名ギタリストが、その魅力を最大に引き出した名演を残しています。
基本的な使い方
さて次に、そんな優れたエフェクターであるTS9の基本的な操作法をご説明しましょう。
TS9のツマミはDRIVE、TONE、LEVELの3つで構成されています。DRIVEはアンプのGAINと同じで、入力される音量をコントロールするツマミです。
DRIVEを上げるとTS9に入力される音量が上がって音が歪みます。DRIVEの右にあるTONEは音の硬さを決定するツマミです。
一番右にあるLEVELは最終的な出音の大きさを決定するツマミになります。
もし、スイッチを入れた時になるべく音を歪ませたいのなら、DRIVEを上げると良いでしょう。
逆にアンプの歪みを生かしたい場合は、DRIVEは挙げずにLEVELだけを上げるとブースターとしての魅力を最大に引き出すことができます。
DRIVEを0、LEVELをマックスにしてブースターとして真空管アンプの魅力を引き出すのが、TS9の定番の使い方の一つです。
また、ほかの歪系エフェクターをTS9でブーストさせるのも、定番の使い方となっています。
ファズやディストーションを更にブーストさせるエフェクターとしてTS9を使用するギタリストは大勢いますし、先述したスティーヴィー・レイ・ヴォーンに至っては、2つのTUBE SCREAMERを繋ぐことで独特の歪みを作り出していました。
最後に
TS9は長い歴史の中で様々なギタリストによって新しい使い方が開発されてきたエフェクターでもあるのです。
そんな多様な使い方ができるTS9は、まさに全ギタリスト必携のオーバードライブペダルといえるでしょう。