【プロが選ぶ】キックが心地よいダンスミュージック10曲
ダンスミュージックにおいて最も重要なパート、キック。
何重にも重ねて作られ、作り手の個性が垣間見えることから「かっこいいキックが作ることができれば、まずはOK」などと言われることもあります。
それと同時に、キックはグルーヴを司るカギとなるパートでもあります。
特に4つ打ちでは、常に一定なので、この部分が頼りないと、せっかくのかっこいい曲も台無しです。
この記事では、ミニマルの教祖、リッチー・ホゥティンも認めたアーティスト/AbletonのオフィシャルトレーナーのToru Ikemotoに幅広いジャンルからキックの優れた楽曲をピックアップしてもらい解説してもらいます。
キックのサウンドにこだわっている人、作り手の方はぜひ参考にしてみてくださいね!
【プロが選ぶ】キックが心地よいダンスミュージック10曲
Moon Rocks [Drumcode]Enrico Sangiuliano
心地よいDistorted kick!
あえてキックをクリップまたはディストーションをかけて歪ませて存在感を出す。
その結果、他のパートの主張が強くてもはっきりキックのミドルでもリズムが取れるいいバランスですね。
Elektriciteit [HD]Egbert
驚異的なキックとベースとの分離を感じさせられるトラック。
通常キックとベースは近い帯域のため互いに輪郭を消し合うことになりがちですが、このトラックはしっかり自然に分かれて、お互いにいい作用をもたらしてますね。
Papercut (feat. Troye Sivan) [Grey Remix]Zedd
このトラックはキックをベースの邪魔にならないように思い切って帯域を分けて、別々で鳴らす、またどうタイミングでも鳴らすことでグルーブを作ってますね。
キックとベースのピッチ感をしっかり考えて作っているのでとても奇麗に耳に入ってきます。
そしてこのトラックはSoundCloudでフリーダウンロードできます。
A Brain In A BottleTHOM YORK
特にわかりやすいキックの多様性を感じる作品。
キック単体としては高音成分と音程でのアタック感をなるべく抑えたモコっとしたユニークなキック。
このトラックの全体的な怪しい雰囲気はキックがこうでないと成立しなかっただろうと思わせる。
Strobedeadmau5
他のトラックと異なり、アタック感はクリック音または、クローズドハイハットを重ねたような高い音の成分で構成されカチカチといった感じ、TR-909のような下がってくるピッチ感はほぼないキック。
この手法もよく使われますね。
StrandStephan Bodzin
ついついメロディーが壮大かつエモーショナルで連れていかれそうになりますが、キックも秀逸。
鳴り始めから即座にピッチエンベロープが一気に50hz以下に下がり、プツっというようなミドルのアタック感を生むことで絶妙なエンベロープ処理を感じるキック。