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【第3回】ねじ梅タッシ(ねじ梅タッシと思い出ナンセンス)×たなかけんすけ対談「yesterday」「TODAY!」「tomorrow」
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【第3回】ねじ梅タッシ(ねじ梅タッシと思い出ナンセンス)×たなかけんすけ対談「yesterday」「TODAY!」「tomorrow」

「ねじ梅タッシと思い出ナンセンス」の2ndアルバムの発売を知って、ボーカリストのねじ梅タッシさんにお話を伺えませんか?と連絡をしました。

すると、元「THEロック大臣ズ」のボーカリストたなかけんすけさんとの対談を提案してくれました。

実は、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスのニューアルバム「二度とない日々」の中に、THEロック大臣ズの「TODAY!」というミディアムバラードのカバーが入っているんです。

今回はそのカバー曲「TODAY!」のことを中心に、曲名にかけて、2人に「Yesterday(今までの活動について)」、「TODAY!(ニューアルバムのことやカバー曲について)」、「tomorrow(今後の活動)」に分けてお伺いしていきます。

tomorrow(これからの活動について)

みんなの生活はそれぞれ変わっていってるんやけど、一緒におるやつらの気持ちは全然変わってない

たなかけんすけ:タッシさんはバンドを11年もやってたら変わらないといけないのかなとか、逆に変わらない方がいいんじゃないかなとか、迷ったりすることはありますか?

ねじ梅タッシ:変わらないといけないとか、変わった方がいいとか、そういうことを考えることがない。

でも自分が変わらなくても、ものすごいスピードで時代は変わっていってるよね。

みんなの生活はそれぞれものすごく変わっていってるんやけど、一緒におるやつらの気持ちは全然変わってないから。

無理に何かを変えようと考えたことはないなあ。

そりゃ、もっとうまくなりたいとか、そういう向上心は常にあるけど。

じゃあ、今日は板前の格好じゃなくてパン屋さんの格好で出てみようかなみたいなことは全然思わない。

メンバー同士でよく話はするんだけど、この11年間変わらなきゃいけないんじゃないかとか、違うやり方でやっていこうとか、そんな話をしたことは一度もない。

だから、あいつらもそれは気にしてないと思う。

もっとバンドで良い音を出すにはとか、もっと面白いことやるにはとか、そういうことは気にしてると思うけど。

めぐれる

子どもが布団の中で夢みてるころ、お父ちゃんはスタジオでロックの夢見てる

———メンバー全員がきちんと仕事しながら、家庭を持って子どもがいるメンバーもいる中で、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスは11年間ずっと、ほぼ月1回のペースでライブを続けてきているんですよね?

他にもスタジオに入ったり、音源を作ったり、想像するだけで大変なのがわかります。

ねじ梅タッシ:子どもがいるメンバーとかは子どもを寝かしつけてからしか来られないから、スタジオ練習の時間を遅くしてます。

子どもが布団の中で夢みてるころ、お父ちゃんはスタジオでロックの夢見てる。

で、朝目覚めると何事もなかったように、お父ちゃんが隣にいるっていう。

———遠征された時はどうなるんですか?

ねじ梅タッシ:東京でライブしても同じですね。

ライブ終わってぶっ飛ばして帰って、子どもが朝目覚める時にはお父ちゃんが隣に寝てる。

以前は仕事の始業時間に間に合うように帰ってたんですけど、今は子どもがいてるメンバーの一番早起きする子の起床時間に間に合うように帰ります。

———その中で続けてきたってことですもんね。

ねじ梅タッシ:俺たちだけじゃなくて、そうやってバンド続けてる人もたくさんいらっしゃる。

きっと、みんな簡単なことではないと思うんですけど。

就職しても上見て本気でやってるバンドが近くにいるやんって思ってもらえる存在になれたら

———仕事があっても、家庭があっても、好きなことを続けていくコツみたいなものってありますか?

ねじ梅タッシ:仕事に関していうと、バンド結成した時点で僕はもう板前修業に入っていて。

他のメンバーはみんなフリーターだったんですけど、他のメンバーが正社員になったり結婚したりした時でも、誰もバンドを辞めるっていう選択肢はなかったんじゃないかな。

メンバーの中には就職する前に、仕事を始めたら今までのペースでライブできなくなるかもしれないって相談してきたやつもいたけど。

俺ずっとそうやし大丈夫やで、バンドやりたかったらやろうやって話して。

常々メンバー同士が、自分は今どんな環境にいるのか、どんな状態なのかってことは話し合ってますね。

スタジオに来る前に仕事でミスしたとか、家で喧嘩してから来たとか、そういうのって話さなくても顔見たら、何かあったなってわかるところもあるし。

だからバンドに生活を持ち込むなっていうようなバンドもあるかもしれないけど、僕らはメンバー4人の背景にある家族とか仕事とかをひっくるめてバンドやってる感じです。

———インディーズのバンドマンってバイトしながらバンド活動に打ち込んで、寝ても覚めても音楽のことを考えてるっていうイメージがありました。

ねじ梅タッシ:でも、僕らも寝ても覚めてもバンドのこと考えてますね。

魚さばきながら、これをステージで取り入れられたらって考えることもあるし。

———バンドをしている人は、仕事をはじめたらバンドはもうできないって思いそうですよね。

ねじ梅タッシ:コツの話にはなってないけど、最近ねじ梅のみんなとよく話すのは自分たちより若い世代のバンドが、就職するからバンドやっていけるかなって思った時に、ねじ梅のこと思い出してくれたらいいなって。

就職したからってユルいことしてないやん、めっちゃガチガチのイベント組んで、バチバチの音出してるやんって。

就職しても上見て本気でやってるバンドが近くにいるやんって思ってもらえる存在になれたらいいなって話してます。

めぐれる

メンバーがいたりお客さんがいたり方向を指し示してくれるものが、自分の中だけじゃなくてまわりにもある

———たなかさんは、最近ソロで弾き語りをたくさんされていますが、それによって何か得たものってありますか?

たなかけんすけ:純粋に僕は音楽のことがずっと好きなんだろうなということにあらめて気づいて。

ずっと知ってはいたんですけど、一生辞められないんだろうなっていうことがわかりました。

大臣ズをしていた頃は売れたい気持ちがあったんですけど、売れても売れなくてもどっちにしろ音楽が好きで歌いたいんだということに気づいたというか。

ねじ梅タッシ:けんちゃん(たなか)新しいバンド始めるんやんね?

やっぱりバンドをメインでやりたいっていう気持ちがあるの?

たなかけんすけ:はい、ずっとソロで行くつもりはないです。

やっぱりバンドがやりたいです。

ねじ梅タッシ:大臣ズやめて新しいバンドを作る。

やりたいことってあるの?

こんなバンドにしたいとか。

たなかけんすけ:音楽的なこととかはもしかしたら変化していくかもしれないけれど、ロック大臣ズが解散したからって僕自身は何も変わらないので。

たとえレゲエをやってもヒップホップをやってもそれは表面的なことが変わるだけなので、結局表現してる人間は同じで。

僕は僕でしかないので。

———良くも悪くも「THEロック大臣ズの……」っていうのが、たなかさんの冠についてると思います。

大臣ズを知っていた人の中の残像というか。

ねじ梅タッシ:それはあると思う。

僕はずっとNUMBER GIRLが好きで。

向井さんがその後ZAZEN BOYSをはじめて、今やZAZEN BOYSの方が長いんですけど、「NUMBER GIRLの向井さんが始めたバンド」っていうのはやっぱあって、ZAZEN BOYSってどんな人らと、どんな音出すんやろうって最初は思いました。

でも、やってる本人はまわりほど気にしてないんじゃないのかな?

———たなかさんにとって新しいバンドっていうのは以前のバンドの延長線上にあるんですか?

それとも、音楽的に変化を求めたり、全く別のコンセプトで始めたりとか、意図的に違うことをしようというような気持ちがあるんでしょうか?

たなかけんすけ:僕はまわりに影響されやすい方で。

大臣ズの時も曲を作るときは、メンバーに向けて作っているようなところが結構大きくて。

ベースががつおっていうやつだったんですけど、基本はがつおが気に入ってくれるかどうかが、曲を作る上で結構重要なポイントでした。

あとの2人は気に入ってても気に入ってなくてもどっちにしても文句を言わないんですけど、がつおは好きとか嫌いとか口には出さないんですけど、ベースを弾いてる表情を見てると気に入ってるかどうかわかってしまう。

だから、ロック大臣ズのほとんどの曲はがつおが気に入るように作ってるところがありました。

だから次のバンドでも、きっとその新しいメンバーが気に入ってくれるような曲を作っていくんじゃないかな?

軸がぶれてるって言われるかもしれないんですけど、僕はメンバーに揺さぶられることを指針にしているとこがありますね。

そうやって曲を作っていくんだと思います。

———大変そうですね。

たなかけんすけ:僕にとってはその方がラクなんだと思います。

TODAY!っていう曲に関しても「ページめくる、その手いつも震えている」っていう歌詞があって。

1日1日をページにたとえているんですけど。

明日になるっていうことは怖いことだったりしますけど、メンバーがいたりお客さんがいたり方向を指し示してくれるものが、自分の中だけじゃなくてがまわりにもあるから、それで何とかやっていけるかなっていう感じですね。

めぐれる

ねじ梅タッシと思い出ナンセンス 2nd アルバム「二度とない日々」

二度とない日々

レーベル:十代暴動社 / 品番:RIOT-123 / JAN:4582237838848 / フォーマット:CD

01:生きてきた数
02:海へ行って
03:夏の三角関係
04:赤白黄色
05:二十歳の約束
06:TODAY
07:ギザギザハート
08:稲妻
09:マリーゴールド
10:死ぬなよ

10曲入り2300円

発売中

たなかけんすけ ソロアルバム「FOR SAIL」

フォーセイル

01:BOYS WONDER/冒険
02:WAITING FOR THE SUN/太陽を待ちながら
03:MOON DANCER/月の子どもたち
04:WHAT IS LOVE/愛っていったい?
05:HAZEL/ヘーゼル
06:ONLY LOVE(IS HERE TO STAY)/オンリー・ラブ

6曲入り1000円(税抜)

発売中

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めぐれる

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めぐれる

京都発!

めくるめくめぐりあいフリーペーパー「めぐれる」による、webマガジンです。

京都の街と人と店と音楽と映画と美味しいものやもろもろが、あちこちでまぜこぜにめぐりあいます。

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