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日本のクラシックの名曲。おすすめのクラシック音楽
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日本のクラシックの名曲。おすすめのクラシック音楽

クラシック音楽、と言われるとやはり誰でも知っている海外の作曲家による作品を思い浮かべますよね。

日常の場面でアレンジを変えて使われることも多いですし、ごく自然に多くの人が一度は耳にしていてすぐに名前を挙げられる作品は多く存在します。

それでは、日本人作曲家によるクラシック音楽の作品で知っているものを挙げてください、と言われてさっと答えられる方は少ないかもしれません。

ここでは日本人の作曲家が手掛けたクラシック音楽に注目、代表的な作品をピックアップしています。

日ごろからクラシック音楽を愛聴されている方々の中でも、あまり日本人の作品は聴いたことがないな、という方にもおすすめです。

日本のクラシックの名曲。おすすめのクラシック音楽

ピアノ協奏曲矢代秋雄

1929年に東京で生まれ、幼いころから西洋音楽に親しみピアノの演奏や作曲などを早熟な才能を発揮していた矢代秋雄さん。

ヨーロッパの偉大な作曲家たちの影響を受けながらも、独自の美学に彩られた作品を生み出した矢代さんは、残念ながら46歳という若さでこの世を去っています。

そんな矢代さんの最高傑作とも言われ、日本人の手によるピアノ協奏曲の傑作と名高い作品が1967年に誕生した『ピアノ協奏曲』です。

初演は1967年の7月、若杉弘さんが指揮を務めたNHK交響楽団とピアニストの中村紘子さんの演奏によって披露されています。

それぞれ違った世界観を持つ全3楽章で構成され、20世紀以降の音楽史にその名を刻む傑作として世界中で演奏されている作品なのですね。

ピアニストに高度なテクニックが求められる作品としても知られており、初演を務めた中村紘子さんの名演はもちろん、他のピアニストやオーケストラによる録音を聴くことで、作品の本質的な魅力が理解できるのではないでしょうか。

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ノヴェンバー・ステップス武満徹

日本が世界に誇る現代音楽家の巨匠、武満徹さんの代表作にして国際的に知られている歴史的な名曲が『ノヴェンバー・ステップス』です。

通常のオーケストラ編成に琵琶奏者と尺八奏者が加わり、西洋音楽と日本の伝統音楽が時間軸も文化もこえて向かい合うエポックメイキング的な作品であり、初演はあのニューヨーク・フィルハーモニックによって実現しました。

もともとはニューヨーク・フィルハーモニック125周年記念の委嘱作品として制作され、タイトルの『ノヴェンバー・ステップス』は初演が1967年11月9日という11月であったこと、作品の音楽的な構造として11の段を持つということに由来しています。

初演の大成功から世界中で演奏され続けている本作ですが、琵琶と尺八のソロ・パートのほとんどを薩摩琵琶演奏家の鶴田錦史さん、尺八奏者の横山勝也さんが演奏し続けたことでも有名ですね。

作曲者の武満さん、そして鶴田さんと横田さんが亡くなられた現代においても、彼らの精神は若い演奏家たちによって受け継がれています。

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新・祝典行進曲團伊玖磨

1993年の6月9日に行われた皇太子徳仁親王(今上天皇)と小和田雅子様(現皇后)の結婚の儀のパレードにて演奏された、と言えばピンとくる方もいらっしゃるのでは?

こちらの行進曲『新・祝典行進曲』は、クラシック音楽の分野のみならず童謡や映画音楽など幅広い作曲活動で知られている團伊玖磨さんが、冒頭で述べた結婚の儀のパレードのために吹奏楽編成で書かれた作品です。

勇壮さと軽やかさを兼ね備え、ご本人いわく「男性的な華麗さと女性的な優美さ」対比させたというのも納得の作風となっています。

團さんは1959年に当時は皇太子というお立場であった明仁親王と正田美智子様のご成婚の際に『祝典行進曲』という作品を作曲しており、時代背景の変化も含めてそれぞれの違いを感じながら聴き比べてみるのもおもしろいですよ。

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軍艦行進曲瀬戸口藤吉

思わず背筋が伸びてしまう勇壮なメロディが特徴的な『軍艦行進曲』または行進曲『軍艦』は、一般的には『軍艦マーチ』として親しまれている名曲です!

日本国内においては、アメリカの『星条旗よ永遠なれ』やドイツの『旧友』と並んで「世界三大行進曲」と呼ばれることもあるのだとか。

海上自衛隊の儀礼曲でもあり、昭和世代にとってはパチンコ店のBGMとして記憶している方々も多いのではないでしょうか。

一般的な軍歌という枠内をこえて国民的な楽曲と言えそうな『軍艦行進曲』の作曲を手掛けたのは、明治時代に海軍軍楽師を務めた瀬戸口藤吉さん。

戦前の愛唱歌として知られる『愛国行進曲』なども手掛けた瀬戸口さんは、「日本行進曲の父」と言われるほどの存在なのですね。

もともとは1893年に鳥山啓さんによる詞が先に作られており、その後瀬戸口さんが新たに作曲して1900年に生まれたのが『軍艦行進曲』です。

実は楽曲の中間部では『海行かば』という戦前の国民歌謡が盛り込まれているのですが、皆さんはご存じでしたか?

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日本狂詩曲伊福部昭

クラシック音楽にあまり詳しくないという方であれば、伊福部昭さんの名前は主に映画音楽で目にしているのではないでしょうか。

誰もが一度は耳にしたことのある『ゴジラ』の超有名なテーマ曲を始めとして、数え切れないほどの邦画の劇伴を手掛けた伊福部さんは、映画史においても欠かすことのできない存在ですよね。

とはいえ本稿の趣旨は「クラシック音楽の名曲」ですから、今回はほとんど独学で作曲を勉強したという伊福部さんによる管弦楽曲の名曲『日本狂詩曲』を紹介します。

1935年に書かれたこちらの作品は、伊福部さんによっても初めての管弦楽曲であり、ロシア出身の作曲家であるアレキサンドル・チェレプニンさんが主宰する賞で見事1位に輝き、世界デビューを果たすきっかけとなった記念すべき楽曲でもあるのですね。

当時21歳だった伊福部さんは、北海道庁の森林官として勤務しながら作曲したというのですから驚きです。

打楽器を全面に押し出したアンサンブルが放つ国や文化をこえた祝祭のような力強さと、日本的哀愁を帯びた旋律を聴いていると、何とも言えない郷愁にかられてしまいますね。

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