和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
ジャズという音楽ジャンルに興味がない方であれば、何となく外国の音楽といったイメージがあるかもしれません。
実はここ日本において、世界に誇る名プレイヤーは多く輩出されていますし、素晴らしい名盤も数え切れないほどにリリースされているのですよ。
今回は、そんな日本人ミュージシャンによる「和ジャズ」の名盤を集めた内容でお届けします!
60~70年代を中心とした往年の名盤を中心として、90年代から00年代に発表された作品にも目を向けたラインアップとなっております。
海外のジャズとは一味違う、日本人ならではのジャズ・ミュージックをぜひお楽しみください!
もくじ
- 和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
- ルパン三世のテーマ大野雄二
- Aqua Marine鈴木勲
- XYZ上原ひろみ
- Watarase森山威男
- Tell Me A Bedtime Story笠井紀美子
- California Shower渡辺貞夫
- Like Miles日野皓正
- Romance鈴木弘
- ハチ山下洋輔
- Green Sleeves高柳昌行
- Michelle佐藤允彦
- Lullaby for the girl土岐英史
- Liquid Fingers渡辺香津美
- 黄色い長い道秋吉敏子
- Swanee原信夫とシャープス&フラッツ
- Sunny綾戸智恵
- Spritual Nature富樫雅彦
- スターダスト美空ひばり
- Softly As In A Morning Sunrise本田竹曠
- Circle/Line菊地雅章
- コンファメーション富樫雅彦
- 宮城野Jazztronik
- Metropolice→Pia-no-jaC←
- Early Summer福居良
- キック・アップエリック・ミヤシロ
- 未来予想図Ⅱ藤村麻紀
- Yura YuraOvall feat. 青葉市子
- 恋するフォーチュンクッキー平井堅
- It’s MagicT-Square feat. Marlene
- ひこうき雲四十雀
- Ai-No-TabiSleep Walker
- 歌うたいのバラッド吉田沙良
- Float In AfternoonJAFROSAX
- 夢で逢えたらたなかりか
- 夏をあきらめてJUJU
- JiLL’s blueJiLL-Decoy association
- Water Ways Flow Backward AgainKylyn
- キャラバン大西順子
- First Love寺井尚子
- JupiterMaiko
- 産業革命JAM
- 上を向いて歩こうDennis Lambert
- Almost ThereHideo Kobayashi
- ラブストーリーは突然にSOLO-DUO
- ラーメンたべたい矢野顕子×上原ひろみ
- コンファーメーション渡辺貞夫
- ムーンライト伝説エリック宮城スペシャルビッグバンド
- ドラえもんのうた小曽根真
- Babylonia Wind杉本喜代志
- Sao Paulo本多俊之
- ウィスキーがお好きでしょ矢野沙織
- Jubilee土井一郎トリオ
- さよならの向こう側ギラ・ジルカ
- アローン・アローン・アンド・アローン日野皓正
- Mrs. RobinsonHiroki Miyano & Earl Klugh
- チュニジアの夜矢野沙織
- リターン・オブ・カンフー・ワールド・チャンピオン上原ひろみ
- Love Addict中島美嘉
- 女の子は誰でも東京事変
- Find Your WayBlu-Swing
- 糸伊藤大輔
- ガンダーラ伊藤大輔・ギラ・ジルカ・吉田沙良
- ワインレッドの心KEIKO LEE
- やわらかな夜orange pekoe
- Whisky’s HighQuasimode feat. Afra
- Unicorn Lady中村輝夫
- Summer Time安田南
- Trinkets & Things川崎燎
- Theme MustacheTakeshi Inomata & Sound L.T.D
- Englishman In New York青木カレン
- 時代CHAKA
- Ai-No-KawaSleep Walker
- Life’s A FlameYuji Ohno feat. Lileth
- リバーサイドホテルFried Pride
- 大きな古時計クリヤ・マコト
- りんご追分伊藤君子
- 遠州つばめ返し渡辺香津美
- Nice Shot渡辺貞夫
- 上を向いて歩こうマヤ・ハッチ
- Make Her Mine中塚武
- くちばしにチェリーEGO-WRAPPIN’
- Merry Christmas Mr. Lawrence坂本龍一
- Romance鈴木明子
- ソー・ロング山中千尋
- 街の灯り市川愛
和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
ルパン三世のテーマ大野雄二
ジャズ・ミュージックやアニメのサウンドトラックという枠内をこえて、日本人のDNAに刻まれているBGMであると断言してしまいましょう!
日本が誇るジャズ・ピアニストであり作曲家としても膨大な名曲を生み出し続けている大野雄二さんが手掛けた『ルパン三世のテーマ』は、たとえ作品を見たことがないという人であっても、どこかで必ず一度は耳にしている不朽の名曲ですよね。
本稿で紹介している『ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック』は『ルパン三世』のテレビ第二期シリーズにおけるサントラであり、オリジナル版は1978年にリリースされてオリコンチャート8位を記録しています。
テーマ曲以外でもオシャレかつムードたっぷりの大野さん流儀のジャズ~ファンク・ミュージックがたっぷり楽しめる内容となっており、アニメのサントラならではの登場キャラクターのセリフが入っている、という趣向も楽しいですね。
あのゴダイゴのドラマーとしても著名なトミー・スナイダーさんが歌う、ポップなAOR調の『Lovin’ You(Lucky)』も良い雰囲気。
まずはこのアルバムから和ジャズの扉を開く、という選択肢も大いにありではないでしょうか!
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Aqua Marine鈴木勲
ジャズ・ミュージックにダンディズムやハードボイルド、色気といった要素を求める方であれば確実に聴いて頂きたい70年代日本ジャズの金字塔!
ジャズ・ベース~コントラバス奏者として知られ、80代後半を迎えた2020年代の現在もバリバリの現役プレイヤーとして活躍する鈴木勲さんが、1973年に発表した『Blow Up』を紹介します。
1973年度のスイングジャーナル「ジャズ・ディスク大賞・日本ジャズ賞」も受賞した本作は、鈴木勲さんを中心としてピアニストの菅野邦彦さん、ドラマーのジョージ大塚さんという凄腕のミュージシャンが集結し、ベーストリオが鳴らすスリリングかつドラマチック、迫力のアンサンブルを楽しめる名盤中の名盤としてジャズの歴史にその名を残すアルバムなのですね。
ベーシストの水橋孝さんが参加したツイン・ベースを味わえる楽曲もあり、ジャズ・ベーシストを目指す方であれば必ず一度は耳にしておくべき作品とも言えそうですね。
余談ながら、本作はその名演のみならず洗練されたジャケットのデザインや音質の素晴らしさといった面からも高く評価されており、可能な限り高音質の再生が楽しめる環境で、できればレコードを所有してジャケットの素晴らしさも堪能していただきたいところです!
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XYZ上原ひろみ
あまりジャズという音楽ジャンルに詳しくない、という方であっても上原ひろみさんの名前くらいは知っている、テレビなどで目にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。
上原さんは幼少期の頃から早熟な才能を発揮していた神童であり、ジャズのみならずクラシック音楽の素養も持ち合わせ、その突出したピアノのテクニックは世界中の著名なミュージシャンたちからも大絶賛されています。
まさに天才と呼ぶにふさわしい、存在自体がジャンルを超越したクロスオーバーなミュージシャンと言える上原さんは多くの作品をリリースしており、代表作を1つ取り上げるのはなかなか難しいですが、今回は上原さんにとって記念すべき世界デビュー盤となったアルバム『アナザーマインド』を紹介しましょう。
全曲が上原さんが作曲を手掛けたオリジナル曲で固められており、スタンダードナンバーのカバーなどは一切なしといった潔い構成となった本作は、2004年度の第18回日本ゴールドディスク大賞「ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞」を受賞するなど高く評価されたアルバムです。
当時23歳の上原さんによる天才的なプレイはもちろん、楽曲の持つダイナミズムや疾走感は、むしろロック・ファンやプログレ好きな方も楽しめるはずです!
(KOH-1)
Watarase森山威男
森山威男さんは、日本のジャズの歴史においてその名を刻む偉大なジャズ・ドラマーです。
ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんが結成して、圧倒的な演奏と群を抜いた個性が織り成すフリージャズを展開した「山下洋輔トリオ」のメンバーとして世界的な知名度を得て、グループを脱退以降は自身をリーダーとする森山威男カルテットとして活躍。
演奏活動をほぼ停止していた時期もありましたが、活動を再開後は精力的に海外ツアーなどもこなし、2002年には文化庁芸術祭レコード部門優秀賞など複数の賞を受賞するなどの輝かしいキャリアを誇るミュージシャンなのですね。
そんな森山さんが1981年に発表したアルバム『スマイル』は和ジャズの傑作と言われており、メンバーとして名を連ねているピアニストの板橋文夫さんが作曲した屈指の名曲『ワタラセ(渡良瀬)』が初めて録音された作品としても知られているアルバム。
オープニングから12分に迫る圧巻の大作『Exchange』から幕を開け、前述した『Watarase』で魅せる日本的な情緒豊かな旋律、ダンディかつメロウ、哀愁のロマンチシズムが胸を締め付けるラスト曲の『Good Bye』など全曲が素晴らしい名曲、名演となっています。
フリー・ジャズをけん引していた時代の森山さんとはまた違った、正統派のモダンなジャズとして大推薦の1枚です!
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Tell Me A Bedtime Story笠井紀美子
1970年代の日本におけるジャズ・シーンにおける伝説的なシンガーであり、80年代以降のシティポップ歌手としても世界中の音楽ファンから熱い視線を浴びる京都出身の笠井紀美子さん。
音楽活動と並行してジュエリーデザイナーとしても活動していた笠井さんは、1998年に活動30周年を迎えたのと同時に音楽業界からきっぱり足を洗ってしまいますが、その潔さも含めて伝説たるゆえんと言えるかもしれませんね。
そんな笠井さんが1979年にリリースしたアルバム『Butterfly』は、ジャズ界の巨人ハービー・ハンコックさんと共同名義で発表され、時代を反映したフュージョンやディスコ・ミュージック、シティポップ的な感性で織り成す先鋭的なサウンドは、リリース当初はその価値が認められなかった面もあったそうです。
むしろ本作の評価は時がたてばたつほど高まるばかりで、幾度かのリイシューも行われ、現在では日本のみならず海外の音楽ファンからも愛される作品となりました。
ハービーさんの名曲を自分流に歌い上げる笠井さんの歌声はまさにマジカルな魅力を放ち、スティーヴィー・ワンダーさんの楽曲をカバーした『As』もナイスな出来です。
ジャズ・ファンはもちろん、シティポップに興味のある若い音楽ファンも必聴の1枚ですよ!
(KOH-1)