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最新ドラムペダルビーター。Kitano F3500、TAMA CB900AS踏み比べレビュー
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最新ドラムペダルビーター。Kitano F3500、TAMA CB900AS踏み比べレビュー

ビーターとはバスドラムペダルに装着させ打面を叩く棒のことです。

バスドラムは、ドラムセットの音の中で占める割合が最も多く、アンサンブルの中でも存在感が大きい楽器です。

それを叩くパーツを変えることでもサウンド全体に変化が現れるのです。

今回は最新ドラムペダルビーターの叩き比べレビューです。

最新ドラムペダルビーター踏み比べ

Accu-Strike Cobra Beater

「ドコドコ」「ディキディキ」「チキチキ」

皆さん、バスドラムの音ってどう聴こえていますか?

大太鼓らしい太い音や機関銃のような硬く鋭い音……

ドラマーさんによって理想とするバスドラムの音には違いがありますよね。

そんなドラマーにとってプレイ、サウンドに大きな影響を与える存在「ドラムペダル」

その中でも特にサウンドに影響を与える部分「ビーター」について本日はレポートしたいと思います。

今回比較対象として私が紹介するペダルは、メタルドラマー御用達、業界屈指の鬼アタックで有名なキタノビーター「F3500」と昨年モデルチェンジした際にスピードコブラに標準装備されておりますTAMAのNEWビーター「Accu-Strike Cobra Beater(アキュストライクコブラビーター)」です。

この両者はビーターの形状がよく似ていることから気になっていた方も多く居られるかと思いますが、詳しいレビューなどがネット上にない関係で購入を迷われている方も多いかと思います。

今回は両方のビーターを所有、使用している私の個人的な感想を述べたいと思います。

この記事が誰かの役にたてば幸いでございます。

キタノチタンビーター

まずこちらが両方キタノチタンビーターの状態。

税別9500円が2本……

右側のペダルを新型スピードコブラに標準装備のアキュストライクコブラビーターに変更。(僕はツインペダルで普段使っております)

価格は税別3,000円ということでキタノビーターの約3分の1ですね!

これでキタノビーターばりの鬼アタックが得られるならば大変お買い得、かつ優秀なビーターなのですが結果やいかに!?

踏み比べた感想

ビーターの長さをそろえてシングルバス単体で踏んだり、実際のツーバスプレイで使用してみました。

まるで同じ種類のビーターを付けているんじゃないかと思えるくらいかなり似た踏み心地、サウンドキャラクターです。

仮に画像の様に片方をキタノ、片方をコブラビーターで使用したとしても……違和感無く踏めます!(ドーン!)

キタノビーターはチタンシャフトのため、通常の鉄素材の物よりも重量が圧倒的に軽いのは有名な話であります。

それに対してタマの新型コブラビーターは鉄のシャフトであるにもかかわらず重心バランスを見直し、設計された事によってキタノビーターに似た踏み心地と打面に新素材ブタジエン樹脂を採用した事による優れたアタック感を実現していると私は感じました。

ではここからが僕のぶっちゃけ本音レビュー!

とても良く似た両ビーターではございますが、本当に全く同じかと言われますと良い意味で少し違います。(どちらが優れている、劣っているというというわけではなく)

キタノビーター (Kitano F3500)

チタンシャフト特有のしなりの効果で音量、音の硬さに関してはキタノビーターの方が強いです。

とにかくベチベチ感を優先したい方はキタノビーターをお勧めします。

ただ、ダイナミクスの幅が広いというか同じ音質をキープするにはプレイヤーの技量が問われます。

コブラビーター(TAMA CB900AS)

コブラビーターの特徴としてはとにかくコントロールのしやすさです。

キタノビーター特有の踏み込んだ瞬間に足に伝わるしなりが苦手で踏み始めから踏み終わりまで一定の重さ、アクションで踏みたい方にはこちらの方が向いていると思います。

小音量でのプレイにおいても音の硬さが変わらず、連打の際の粒も非常にそろいやすいです。

キタノビーターの場合、小音量で踏んだ場合にアタック感よりも低音の効いたファットな音色になるのでキタノビーター自慢のバキバキツーバスサウンドを求める方はある一定以上の音量を鳴らす事が必要となります。

しかし逆を言えばいろいろなジャンルに使えるビーターでもあると言えますね。

ですのでメタル一筋なドラマーにはコブラビーターの音の硬さ、粒立ちの安定感がピッタリな気がします。

その上、この安さ……キタノビーターの約3分の1ですよ。

キタノビーターは高くて買えないけど、近い方向性のビーターをお探しの方にはピッタリのビーターかと思います。

至高のキタノビーターももちろんすごいですが、お手頃価格でキタノビーターに勝るとも劣らない素晴らしいビーターを作り上げたタマの技術力の高さには感動の一言。

とりあえず迷っている方はだまされたと思って一つ買ってスタジオで試してみてください!

新型コブラビーター……すごく良いですよ!

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ライタープロフィール

八田頼樹

ドラマー

八田頼樹

兵庫県出身。

へヴィロックバンド KROWZET HEAD のドラマー[mokison] として 2011 年まで活動。

サウンドクルーエルよりファーストアルバム「K.Z.H.E.P」を発売。

パラノイドレコーズよりコンピレーションアルバム「HELLGATE」に参加。

音楽雑誌に掲載されるなど注目を集める中、惜しくも解散。

バンド解散後は日本が世界に誇るプロドラマー[ 手数王 ] 菅沼孝三氏に師事。

ウェブサイト:http://mokison.com

ブログ:http://ameblo.jp/drum-n-didgeri

Twitter:mokison_drum

Facebook:yorishige.hatta

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