MIDIが良く分かる。バンドマンのためのDTMの基礎知識
MIDIと聞くとどうしても打ち込みやシンセ奏者のためのもの、と思いがちですが、使いこなせば作曲やトレーニング、機材のコントロールまでバンドマンにとっても大変便利な規格です。
基本的なことをまとめてみましたので、はじめてDTMなどされる方の参考になれば幸いです。
もくじ
- MIDI(ミディ)って何?
- 世界共通の規格になった経緯
- MIDIを使いこなせるとこんなに便利!
- アンプチャンネル・エフェクトの切り替えが同期できる
- 1台の鍵盤で、何台もコントロールできる!
- DAWソフトのプラグイン音源のコントロールもできる
- MIDIファイルとして書き出せる
- MIDIは楽器やコンピュータの世界だけではない!
- 知っておきたいMIDIの基礎知識
- MIDIは音声ではない
- 接続の仕方
- 音の高さ=ノート・音の強さ=ベロシティ・音の長さ=デュレーション
- MIDIデータを操作する画面は大きく分けて4種類
- コントロール・チェンジ(チャンネルメッセージ)
- プログラム・チェンジ(チャンネルメッセージ)
- システム・メッセージ
- MIDI検定もあります!
- 最後に
MIDI(ミディ)って何?
MIDIとは、国際標準となっている電子楽器の規格のことです。
キーボードやシンセサイザーなどの楽器や、オーディオインターフェースやエフェクターなど機器に搭載しているあの端子のことです。
MIDI(ミディ、Musical Instrument Digital Interface)は、日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会)と国際団体のMIDI Manufacturers Association (MMA) により策定された、電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格。
物理的な送受信回路・インターフェース、通信プロトコル、ファイルフォーマットなど複数の規定からなる。
世界共通の規格になった経緯
1970年代の終わりから80年代初頭にかけて、アナログシンセサイザーが一般ユーザーに普及していきました。
シーケンサを使ってシンセサイザーを自動演奏させるという発想も、すでにこの時代に生まれていたようです。
ただ当時は、規格がメーカー間で統一がされていないと問題があったり、シンセサイザーを外部からコントロールするということは簡単ではありませんでした。
そしてシンセサイザーにマイクロコンピュータが内蔵されるようになり、演奏情報をデジタル化することが容易となり各メーカーはデジルタル信号による伝達方式を開発するものの、それぞれ独自の企画では普及までに至りませんでした。
そごで1981年頃からメーカー間でデジタル信号による伝達方法の標準化についての話し合いが始まりました。
1981年、ヤマハやコルグ、カワイ、ローランド等、国内外計6社によって規格案が整理され、初版のスペックができあがった。
その後、3年を経て協会(MMA: MIDI Manufacturers Association)も設立。
そして1982年1月にアメリカで行われた会合で最初のMIDI仕様が誕生し、その内容が同年10月に専門誌「KEYBOARD」誌上で初めて一般に発表されました。
MIDIを使いこなせるとこんなに便利!
使用例の一部をご紹介します。
アンプチャンネル・エフェクトの切り替えが同期できる
MIDI端子が搭載されているものであれば、チャンネル切り替えの情報や、エフェクトループのON・OFFなどにも使用できます。
例:ギターアンプチャンネル切り替え
1台の鍵盤で、何台もコントロールできる!
MIDI端子には、一般の音声ケーブル同様、INPUTとOUTPUTがあります。
それらを接続することで、MIDIコントローラー(例:鍵盤やPAD)で、鳴らしたい音源の音を鳴らすことができ、コントロール(演奏)が可能です。
使用例:複数の音源を演奏、PADで演奏
DAWソフトのプラグイン音源のコントロールもできる
コントローラーをパソコンもしくは、オーディオインターフェースに繋げれば、ソフトウェア内の音源を鳴らすことができます。
それら使用して演奏情報(MIDIデータ)を入力すれば、そのデータは記憶できます(再生すると、自動演奏が可能)。
使用例:ドラム、シンセサイザーなどの打ち込み
MIDIファイルとして書き出せる
MIDIファイル(演奏情報)としての扱いも可能です。
例えば楽譜ソフトにMIDIファイル取り込むと、演奏したデータの楽譜が作成できます。
使用例:楽譜作成・書き出し
MIDIは楽器やコンピュータの世界だけではない!
通信カラオケや携帯電話の着信メロディの自動演奏装置などは、MIDIのデータなのです。
- 街のカラオケルームの「通信カラオケ」はお店にMIDI音源がおいてあり、カラオケの演奏データは、MIDIで送られて来るのです。
- 携帯電話の着信メロディの送受信にも活用されています。
- また、テーマパークやアミューズメント・スペースでの自動演奏装置の多くはMIDIシステムによるものです。
- さらに、MIDIシステムは、照明装置や、各種スイッチングの自動制御装置とも連動し、ステージやホールなどでも大活躍しています。
知っておきたいMIDIの基礎知識
演奏情報や機器の操作をコントロールするために知っておきたい基礎知識です。
代表的な事柄をざっくり上げますが、すべて覚える必要はありません。
自身が使用する項目だけを覚えておくといいと思います。
MIDIは音声ではない
MIDIはあくまで音や機材をコントロールする規格です。
音声の情報は含まれていません。
接続の仕方
MIDI機器の接続には、MIDIケーブルが必要になります。(PCならUSBケーブル)
MIDIケーブルの中を流れる信号は一方通行のため、ルールに合わせて接続しないといけません。
MIDI INPUT端子
演奏情報を受け取るための端子です。
受け取った情報を基に音楽を演奏するためのもので、音源側に接続します。
音源のなかにはキーボードが付いていないタイプのものもあります。
MIDI OUTOUT端子
演奏情報を送り出すための端子です。
演奏情報を出力できる機器のほうに接続します。
キーボードタイプの他に、管楽器型・ギター型・ドラム型などの入力装置があります。
MIDI THRU端子
受け取った情報をそのまま送り出すための端子で、MIDI OUTと役割は若干異なります。
例えば、キーボードを弾かなくても、MIDI INから受け取った情報がMIDI THRUから出力されます。 こうすることで「1台のキーボードで複数の音源を鳴らす」というような使い方が出来ます。