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【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲

ミニマル、という言葉を耳にしてあまり音楽に詳しくないという方であれば、おそらく「ミニマリスト」といった言葉などを連想するかもしれません。

今回の記事の主役である「ミニマル・テクノ」はテクノ・ミュージックの発展形であり、最小限の音数で1つのパターンを反復していくスタイルが1つの特徴なのです。

現代音楽から生まれたミニマル・ミュージックが必ずしも基盤となっているわけではなく、自然とミニマルの様式を導入したアーティストも多くいるのですね。

そんなミニマル・テクノというジャンルはかなり細分化されていますから、本稿では広義の意味での「ミニマル・テクノ」の名曲を集めてみました。

初心者の方も、ぜひお楽しみください!

【反復の美学】ミニマル・テクノの名曲。おススメの人気曲

TendencyJan Jelinek

Farben名義での活動でも知られるドイツはベルリン出身のヤン・イェリネックさんは、ミニマル・テクノやグリッチ~エレクトロニカといったジャンルのファンの間では名の知れた存在です。

同業者からの評価も高く、2000年代以降のミニマル・テクノ~クリックを語る上では欠かせないアーティストなのですね。

本稿では、2020年代の現在も現役として活躍するイェリネックさんが2000年にリリースした初期の名作EP作品『Tendency EP』と、翌年の2001年にリリースされたクリック・ハウス~エレクトロニカの金字塔とも呼ばれる大傑作アルバム『Loop-Finding-Jazz-Records』に収録されている大名曲『Tendency』を紹介します。

アルバムは長らく廃盤タイトルでしたが、2017年から2018年にかけてアナログとCDとで再発されて話題を集めていましたね。

そんな『Tendency』ですが、アルバムのタイトル通り古いジャズのレコードを秒単位でサンプリング、ループさせて再構築していく独特のサウンドは今もなお色あせることはありません。

引用された元ネタは全く原型を留めてはおりませんが、ジャズ特有の温かみのようなものが随所に感じられるというのが実に興味深い。

聴けば聴くほど、そのディープな音世界へと没入してしまうことを保証します!

KOH-1

Move – OnBABY FORD

日本でも2000年前後に大流行したようなハウスミュージックが非常にミニマルな装いで鳴り響きます。

イギリス出身のベイビー・フォードさんはアメリカのシカゴで盛んだったテクノのスタイルを取り入れ、アシッドハウスというジャンルの礎を築いたアーティストのひとりになりました。

昔のシンセサイザーが持つ特有のチープな音色が刻む美しいメロディと和音が冴え渡っていますね。

繰り返されるフレーズを口ずさみたくなるような、くせになるテクノです。

また、打楽器の中でも特に高音がていねいに処理されていて、ボリュームを上げても耳がまったく疲れません。

増田文化

PassionMarkus Nikolai

こちらの『Passion』は、リカルド・ヴィラロボスさんやルチアーノさんといった大物の作品もリリースしている、ドイツはベルリンの名門レーベル「Perlon」の立ち上げメンバーとしても著名なマルクス・ニコライさんによる楽曲です。

1999年に同レーベルよりリリースされて以来、ミニマル・テクノ~ハウスファンの間では高い評価を受けているクラシックな名曲なのですね。

硬質で無機質なミニマル・テクノとは一線を画す、ボーカル入りのポップさを兼ね備えたキラーチューンで、ハウスとミニマルテクノの融合といった雰囲気のサウンドは「ミニマルハウス」のひな形といっても過言ではないでしょう。

残念ながら、マルクスさんが世に発表した楽曲はそれほど多いものではありませんから、この曲が気に入った方はぜひ他の楽曲もチェックしてみてくださいね。

KOH-1

MagnezeSurgeon

英国テクノの大ベテランにして鬼才、アンソニー・チャイルドさんによるソロ・プロジェクト「Surgeon」は、ハード・ミニマル~インダストリアル・ミニマルといったジャンルの先駆者として知られるレジェンド的な存在です。

多くのミニマル・クラシックな名曲の数々を世に送り出したサージオンのディスコグラフィの中でも、今回はサージオンと同じく英国ミニマルのパイオニアである「Regis」の名義で知られるKarl O’Connorさんが主催する「Downwards Records」より1994年に発表された初期の名作EP『Surgeon EP』の1曲目『Magneze』を紹介します。

数える程度の音数で構成されながらも、緻密な計算の上で成立したトラックの圧倒的な説得力、訴求力はリリースから30年近くがたった今も鮮烈の一言。

ハードミニマルという枠内をこえて、90年代のテクノ・クラシックの1つとしてぜひ体感してみてください。

KOH-1

Lay in a ShimmerPantha du Prince

ドイツのテクノミュージシャン、ヘンドリック・ウェバーさんによるソロプロジェクト、パンサ・デュ・プリンス。

ディペッシュ・モードやブロック・パーティなどのロックバンドにもリミックスを提供しており、テクノファンだけでなくロックファンにもよく知られています。

2010年にイギリスの名門レーベル、ラフ・トレードからリリースされたアルバム『Black Noise』は、LCDサウンドシステムのメンバーや!!!が参加。

みすみすしさのあるメロディアスなサウンドが魅力です。

もも@ライター

ArthurKelly Lee Owens

ウェールズ出身のケリー・リー・オーウェンズさんによる『Kelly Lee Owens』は、幻想的な歌声やゆったりとした自然音をフィーチャーした、ドリームポップのような雰囲気の作品です。

東洋、西洋それぞれまったく異なる民族音楽が奇妙な形で混ぜ合わされていたり、アルバムの途中でリズムやテンポがまるきり変わってしまったりと、映画のサウンドトラックを聴いているかのようですね。

古いサイケデリック系のロックやフォークが持っていた世界観が、現代のテクノロジーを通して興味深い形で再解釈されています。

増田文化