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【エフェクターの使い方講座】センドリターンの活用方法
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【エフェクターの使い方講座】センドリターンの活用方法

どうも音音堂です。

マルチエフェクターを使った際の音痩せに悩ませているギタリストは多いのではないでしょうか?

今回はそんな音痩せを改善できるかもしれないマルチエフェクターの接続方法についてご紹介します。

センドリターンを活用する

前回に引き続き、センドリターンのお話、最終章です。

エフェクターのセンドリターンを使った接続法を解説しましたが、今回はマルチエフェクターの話です。

マルチエフェクターというのは読んで字のごとく、「マルチなエフェクター」です。

歪み系や空間系、イコライズ(高・中・低域の調整)、コーラスやフランジャーなど、多くの音響効果が詰め込まれたものです。

電子辞書に例えるなら、普通のエフェクターが和英英和だけの機能のものだとしたら、マルチエフェクターは中国、韓国、フランスなど多彩な言語に対応したもの……と例えると分かる……かな(笑)?

さて、このマルチエフェクター、接続方法は、多くの人が勘違いしたままなのを発見することが多いです。

おそらくこんな感じでつないでいるのではないでしょうか?
マルチエフェクター 接続これはこれで正解なのですが、通常、説明書等に書いてあるつなぎ方はこうなんです↓
マルチエフェクター 接続

前者と後者のつなぎ方の最大の違い、みなさん分かるでしょうか?

前者と後者、電気信号の流れの図でみてみましょう↓
電気信号の流れ電気信号の流れ

そう、後者のリターン接続は、プリアンプがすっ飛ばされているんです!

この2つのつなぎ方の是非は、結局のところ「好み」に分かれてしまうんですが、個人的に僕はリターン接続を推します。

なぜならば、電気信号と言うのは、間に機械をかませばかます程に劣化が起きてしまうからです。

特にデジタル機器が入ると顕著です

特にマルチエフェクターは、そのものがプリアンプの機能も持っており、その後にプリアンプが入ると二重になってしまいます。

そうなると音の表現の幅は広がってきますが、副作用としていわゆる劣化による「音痩せ」がひどくなります。

特にライブやスタジオでドラムやベースに負けまいと大音量出すときに、この「音痩せ」が致命傷になります。

痩せた厚みのない音を無理やりボリュームを上げれば、耳に刺さるような、とげとげしい音になってしまいます。

そして、マルチエフェクターの説明書には、このリターン接続を基本として書いているのですから、もちろんエフェクターの開発者が音をテストしたり調整する時は、このつなぎ方をしているわけで、このつなぎ方こそが、その能力を最大限引き出せるように作ってあるハズだ……というのが僕の個人的持論です。

ただし、副作用として、アンプのボリュームを含め、あらゆるツマミは機能しません。

プリアンプはすっ飛ばして接続されてますので無視されています(笑)。

つまり、純粋にアンプ固有のスピーカーの特性の違いが出てしまいます。

そのためのボリュームを含め調節つまみがあったのが無視されてますので、エフェクターの方で調節しなければならなくなり、アンプ機種によって調整し直さなければなりません。

ただ、この問題もボクの持論では気にしなくて良いと考えてます。

最近はスタジオもライブハウスも、だいたい3種くらいの決まったメーカーのモノばかり置いているので、マルチエフェクターの方で三種類設定を用意して内部メモリーに保存しとけば事足ります。

ローランドのJCシリーズ、マーシャル、フェンダーくらいが大体ほとんどです。

昔はヤマハだとか、Line6だとか、抜き打ちで変わったアンプ使ってるところがありましたが、最近はこの三大メーカーに押されてきたのか、シェアが塗り固められてきた気がします。

ヤマハなんて、ギターはアコースティックしかもう作ってないですしww

いかがでしょうか?

「マルチエフェクターは音痩せする」というイメージが未だ一般的なんですが、僕の個人的な感覚では、多くの場合、この記事で述べた「接続方法の違い」が原因のように感じます。

昔のマルチエフェクターなどは、まだまだデジタル技術が甘かったせいもあり、かなり音が痩せてたので、多分そのイメージが残ってるのだろうと推察しますが、最近はかなり高精度に再現できるようになり、音にも厚みが出てきました。

今ではマルチエフェクターとは言わず「アンプシミュレータ」と呼ばれることが多いです。

両者は呼び方だけでなく意味も全然違うのですが、僕個人は「同じに考えて問題ねーだろ」と思ってます(笑)。

ただし、今でも古き良きレコードのアナログ音を愛する人が居るように、「真空管アンプ直結のアナログ音こそが最強!」だという主義の人もたくさん居ます。

マルチのデジタル音がどうしても「嫌だ!」という人も居ます。

音は工学的に言えば、オシロスコープ(心電図のような波形を見る機械)で見ると分かるんですが、アナログの音(生音)が奇麗な曲線を描いているのに対し、デジタル音は細かく見れば曲線は曲線ではなくギザギザになっているのです。

坂道と階段の違いですね。

自転車で坂道を降りると奇麗にスーッと降りられますが、階段だとガコンガコンいって、へたするとこけます(笑)。

これは、人間の耳に「波」として伝わる音に関しても同じではないかと、僕は思っています。

大音量にすると、やはりデジタル音はアナログには勝てないのは実際に聴けば分ります。

とはいえ、最近は技術も進みそのギザギザもより細かくなって滑らかに近くなってきており、「まあ及第点かな」と割り切ってマルチエフェクターを使っています。

知り合いのベースさんにも「抜けの良い音」だと褒めてもらっています。

おそらくこのリターン接続のおかげだと自負しています(笑)。

まとめ

さて、どうでしょうか?

もしこれを読んだあなたが、自分が使っているマルチエフェクターに満足できてないのなら、接続方法を変えてみるのも一つの方法だと思います。

後は本人の「好み」で、「絶対」はありません。

ですがこの記事のように「一般的にはどうすればセオリー通りなのか」を知ることで、自分が工夫していく中での「核」や「基準」となるものが確立されていくのではないかと思います。

ではではみなさん、ギター生活ごゆるりと……。

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ライタープロフィール

音音堂ギター倶楽部

音音堂ギター倶楽部

ギタリストとして音楽活動中です。

アコースティック、エレキ両方可能で、主にRockとPOPS中心です。

作編曲からレコーディングまで全て一人でしております。

少ない機材でローコスト、ハイクオリティを目指して研鑽中。

ブログ:http://neondo.blog.fc2.com/

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