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バンドマンの演奏能力と運動能力に相関関係はあるのか?
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バンドマンの演奏能力と運動能力に相関関係はあるのか?

私達人間には、様々な能力が備わっていますが、バンドマンとして気になるのは、「演奏能力と関係がある能力」ではないでしょうか?

中でも、演奏能力に関係がありそうな気がするのが、運動能力。

楽器演奏や歌唱も、体の筋肉を使って行う運動の一つであることは間違いないので、一見この二つには相関関係がありそうな気がします。

特にドラムは、「ドラムはもはやスポーツでは?」と思う程激しい運動を伴いますよね(笑)。

「自分は運動はイマイチだけれど、楽器や歌をやって上達するかな?」

そんな疑問をもたれる方もおられるかも知れませんし、またそれが故に音楽を始めるのを躊躇される方もおられるかも知れません。

そこで今回は、演奏能力と運動能力の相関関係について考えてみたいと思います。

運動も音楽もイケてるスーパーマン

バーニー・ウィリアムス

http://matome.naver.jp/odai/2136095149039756801

この方はバーニー・ウイリアムスさん、90年代以降のニューヨーク・ヤンキース黄金期を支えた名スラッガー。

現在は引退しミュージシャンとして活躍する、運動も音楽もイケてしまうスーパーマン。

7歳の頃から父親にギターと野球を教えてもらっていたそうです。

 論文:「音楽的能力と他の能力について」

兵庫教育大学で同じような研究をされた方がおられました。

「音楽的能力と他の能力について」

http://www.art.hyogo-u.ac.jp/hrsuzuki/students/oka.pdf

19年前の研究ですので少し古い資料ですが、参考にさせていただきました。

内容をまとめると、

仮説:リズム感に関連を持つ可能性のある能力を含む運動能力とリズム感との間には、相関関係が成り立つ。

「音楽の三要素(メロディ、ハーモニー、リズム)」において、時間の芸術である音楽は「リズム」は必ず含まれる。

リズム自体は音楽に内在しているが、リズム感は、それを感覚で受け取った人間に内在する。

運動の中には、跳び箱や走り幅跳びといった、タイミングを計る必要のある、ある種リズム感を必要とする種目が存在する。

従って、それらの運動とリズム感の間には何か関係があるのではないか?

検証:滋賀県と茨城県の中学生計487名に対し、数々のリズムテストと運動テストを実施し、結果を比較

リズムテストとして、「シーショア音楽才能テスト」や「クワルワッサー・ダイケマ音楽テスト」等8種のテストを実施。

運動テストとして、「50m走」や「走り幅跳び」、「スポーツ歴の有無」や「スポーツの好き嫌い」を調査。

調査結果:仮説に反し、運動能力とリズム感の相関関係は認められなかった

とのことです。研究結果として数字的に明示されると説得力がありますね。一方で、このような記事もあります。

7歳までに音楽をはじめると人生が変わるって本当?

幼児・子供の情操教育として幼少期に音楽を始めるメリット

https://www.studiorag.com/blog/fushimiten/music-education

「もっと幼い頃から音楽を始めていればよかったな」と思ったもので、同じような思いを持ったことのある方も多いのではないでしょうか。

一般的にも「7歳までに音楽を始めると人生が変わる」とも言われています。

7歳前から楽器を習っている子は頭も運動神経も良くなると判明:カナダ大学調査

http://irorio.jp/sousuke/20130214/46985/

7歳までに音楽を始めると、右脳と左脳との間で情報を交換する「脳梁」がよく発達し、結果運動神経も良くなる、ひいては計画実行能力にも優れるとのこと。

ああ、7歳までに音楽のレッスンを受けていればよかった…と後悔しても、すでに後の祭りなのですが…。

小さい頃にピアノを習っていると、絶対音感が身に付くとも言いますね。

また、このような記事もあります。

音楽を聞くと身体能力が向上する:EUROPA(エウロパ)

http://freeride7.blog82.fc2.com/blog-entry-3180.html

科学的に判明! 運動中の音楽はパフォーマンス向上に効果アリ:ライフハッカー

http://www.lifehacker.jp/2013/03/130327music-helps-exercise.html

どうやら、「運動能力に優れる=演奏能力にも優れる」かは分りませんが、「音楽を聴くことや演奏することは、スポーツにもいい影響を与える」とは言えそうですね。

私の運動・音楽経験として

私は運動神経は全くもって「並」ですが、中学生の時はサッカー部に所属しました。

県内でも有数の弱小サッカー部でしたが、それなりに努力はし、チーム内である程度評価されるくらいにはなることができました。

しかし、それはサッカーばかりひたすら練習した結果であり、運動神経そのものが向上した訳ではなく、他のスポーツについては相変わらず「並」のままでした。

中学3年生の途中でサッカーの能力に限界を感じ、もとより勉強など興味なし、今度はグレて(笑)バンドを始めるという、私の世代には「あるある」な感じでスタートした音楽生活。

こちらもひたすら練習した結果、ある程度周りからも評価される程度にはなれましたが、やはり天才ではなく「並」でした。

しかしライフワークとして音楽を今も続けられており、それはそれで幸せなことだとは感じています。

運動も音楽も「並」な私にとって、そこに相関関係があったかと問われれば、「あまりなかったかなぁ?」くらいにしか感じません。

強いて言うならば、まだ音楽の方が得意かな?とは思いますが。

ただ、これまで出会って来たバンドマンの方々を見るにつけ、「運動能力に優れた人は音楽をやらせても上達が早い」ということは、必ずしもなかったと思います。

むしろ、やはり勉強嫌い・部活でスポーツとか合わない、ひたすら家でギター弾いている、みたいな方は上手かったですね。

大学生の時に軽音楽部の仲間とサッカーをしたのですが、皆あまり上手くなく、というより体力無さ過ぎてサッカーとして成立してたかすら怪しかったです(笑)。

結局のところ

例えば、世の中自分以外の全ての方が、7歳より前に音楽を始めているような状況で、これから音楽を始めるとするならば、劣等感しか感じられずすぐ挫折してしまうでしょう。

しかし、7歳より前に音楽を始められる方は、今もまだ少数派ではないでしょうか。

また、たとえ上達のスピードが7歳より前に始めた方より遅いとしても、たとえ運動能力の高い方が上達に有利だったとしても、どれだけ好きでどれだけ練習できるか、楽器や歌の上達に必要なのは結局のところそこではないでしょうか。

そして運動と音楽で決定的に違うのが、勝ち負けを競うものではないこと。

何を美しいと感じ、何をかっこいいと感じ、何をいいと感じるか。

そう、心の筋肉が大事ですよね☆

ライタープロフィール

平田 浩康

ライブスポットラグ

平田 浩康

Live Spot RAGの平田浩康です。

15歳の時、音楽特にロックのカッコ良さに痺れギターとバンドを始めました。

生まれ故郷の高知県は、ライブハウスやコンサート会場も少なく生の音楽に触れる機会が少ない、当時は情報源も雑誌やCD、VHSビデオ(!?)という時代でしたが、音楽というとてもキラキラしたものに魅了され、勉強そっちのけでギターと音楽を楽しむ毎日でした。

大学進学から京都に移住し、大学では軽音楽部を卒業(笑)。

それまでは邦楽ロックや洋楽ハードロックを中心に聴いていましたが、先輩や同期から世の中にはもっとたくさんの音楽があることを知らされ、今では「いいな」と思えるものはジャンル隔てなく聴いております。

大学卒業後にRAGに入社、約6年のオフィスや約10年の音楽スタジオを経て、現在は創業39年の老舗Live Spot RAGにて勤務、主にプロモーション業務を担当しております。

日本トップミュージシャン達が奏でる「本物の音楽」に触れ、お客様に届けることで、あらためて音楽の煌めきを実感する日々です。

今でもギター、バンドはゆるく継続しており近年は今更ながら歌も歌ってみたりしています。

もうすっかりおっさんになってはしまいましたが、あの頃「音楽に描いた夢の向こう側」を、今後もみなさんと追っていければと思っています。

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