音楽を愛する全ての人へおすすめするバンド漫画「音楽と漫画と人」
今回ご紹介する漫画は、ショートストーリーの奇才、戸田誠二さん著書『音楽と漫画と人』です。
この漫画は、雑誌『音楽と人』という音楽月刊誌にて6年間にわたり連載されていた漫画。
見開き2頁で1話という読み切りの境地ともいえる異色の短編集。
音楽に携わった人、諦めた人、影で支えている人。
全ての人に様々な物語がある。
そんな様々な人の人生を見開き2頁で綴った作品。
2頁で1つの物語を記す凄さ
プロローグとなる最初の2頁の最初の言葉。
『拝啓、ミュージシャン様。
誰も入れないその場所に、あなたの音楽だけは入っていけます。
あなたがその音を、魂のかぎりに心の底から絞り出してくれたのなら、自分たちの日々を生きぬいてみせます。』
音楽が自分の力になっているというのがよく分かる最初の物語ですね。
このように2頁でひとつひとつの物語が紡ぎだされていきます。
6年間で紡ぎ出されたこの作品は、正直読んだ人にしか伝わらないと思います。
もしお近くの書店などで見かけた場合は是非とも一度手にとって読んでください。
音楽をやる楽しさ、辛さ、苦しさ、喜び。
様々な人の人生模様が垣間見える、読んだ後に音楽が聴きたくなる。
たかが2頁。
されど2頁。
この作品をオススメするポイント
何故この2012年に発売された本をオススメしたいかというと、近年の人と人との繋がり方、人と音楽の繋がり方に違和感を感じているからです。
スマートフォンが普及し始め、Youtubeなどで簡単にライブやPVが見れ音楽ファンにはいい時代になりました。
しかしその反面、勝手にダウンロードをしそれをさらに不特定多数の人間に配布する。
音楽や漫画といった、ある種娯楽といわれるものの扱い方が悪くなりだす、いや悪くなっているからです。
買わなくてもネットにおちてるやん。
え、そのアルバムのデータちょうだい。
漫画なんか買わんでもダウンロードしたらええやん。
受け手側の音楽や、漫画に対しての価値観が落ちすぎていると筆者は思います。
見る側聞く側はそれでいいかもしれませんが、書き手や演奏者には何もプラスがありません。
するとどうなると思いますか?
発信されてくる曲や物語がドンドン衰退してきます。
結果回り回って受け側も、コンテンツがなくなりその文化自体がなくなっていきます。
少し前にネットの掲示板で、お金を払ってまで聞きたいと思うような曲がないから
という言葉を見たことがあります。
ならば聴かなければいいじゃないか。
見なければいいじゃないか。
その漫画家、演奏者は一生懸命頑張って自分の作品を好きになってくれる人に対して頑張っているのです。
漫画家の久保帯人さんの言葉で好きな言葉があります。
『才能も無く、努力もせず、そのくせ与えられるものに不平を言って、努力する人間の足しか引っ張れないような奴は、目を瞑ってどっか隅っこに挟まって、口だけ開けて雨と埃だけ食って辛うじて生きてろ。』
は?という人もいますが、筆者もその通りだと思います。
叩いている人もちょっとした事で手のひらを返して賞賛したり、自分が気にいらないから急に叩き出したり、それは言論の自由とはいわないのではないでしょうか?
この記事を読んでいただいている全ての人に伝えたいのは、
人それぞれに物語があり、読んできた漫画や書籍があり、聴いてきた音楽があるから今のあなたは生きているのだと思いませんか。
ということです。
ですが、実際問題受け手がいるから作り手側が生活できているのが現実です。
筆者もバンドをやりベースを弾き歌を歌っている身として、聞き手がいないととても辛いです。
作り手側もこだわりをもちつつ、ニーズにあう聞いてもらえる曲作りも考えないとダメな時代になったのではないでしょうか。
しかし受け手側も作り手側に対して、少しだけ考え方を変えて受け取れるようにならないといけない。
なかなか難しいかもしれません。
この作品に出会ってから少しだけ筆者は考えが変わりました。
そのぐらい素敵な作品だと。
記事を読んでくれた方の1人・2人だけでもいいので、少しでも考え方が変わるきっかけになればいいなと思います。
ライタープロフィール
小野慎也@愼鵺
スタジオラグ伏見店スタッフ。
赤髪を捨て漆黒の侍に。
社会と戦い幾星霜。
鉄の愛馬と四弦武器に低音轟音かきならせう。
紅牛に命を預け、己が魂四弦と声にのせたもう。
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