人と音楽をつなぐWebマガジン
menusearch

ボイストレーナーが語る。鼻呼吸をオススメする理由とは?

ほ乳類である人間は本来、口ではなく鼻で呼吸するように設計されています。

しかし、私のボイトレ教室で「のどがすぐに痛くなる」「のどが弱い」と訴える生徒さんのほとんどが、普段口呼吸をしているんです。

私は皆さんに、口呼吸から鼻呼吸へ習慣を変えることをおすすめしています。

私がなぜ鼻呼吸をおすすめするのか、今回は「口呼吸」と「鼻呼吸」についてお話ししたいと思います。

人はいつ、鼻呼吸から口呼吸へ?

鼻と口

http://www.photo-ac.com/

人はみんな赤ちゃんのときは鼻呼吸だったはずです。

それなのに、大人になるにつれて口呼吸をする人が増えてくるのはなぜなのでしょう?

その謎を解く鍵は、赤ちゃん時代の成長過程にありそうです。

前回のコラムでも触れましたが、私は2人の子どもを出産し、2人とも母乳で育てた経験があります。

私が出産前に想像していたのは「チュッチュ」とかわいらしく母乳を飲む生まれたての赤ちゃんの姿。

しかし、実際は私の想像とはかけ離れていて、赤ちゃんは「ギュッ!ギュッ!!」と物凄い吸引力でおっぱいを飲みます。

それはお母さんの乳首が伸びてしまうほどのパワーです。

吸い方にも驚きました。

赤ちゃんは「吸う」というよりも、乳首を舌と上あごでサンドして舌の力で「しごく」ように母乳を飲むのです。

もうお分かりでしょうか?

赤ちゃんは母乳を飲むとき、舌や唇、口の周りの筋力が鍛えられているのです。

しかし、赤ちゃんは離乳食が始まったり、言葉を発するようになったりして、口を開く時間が増えていきます。

その過程で口呼吸を覚え、鼻呼吸から口呼吸に切り替わってしまうそうです。

残念ながら、人間は母乳を飲むとき以外に、舌や口周りの筋肉を鍛える機会はほとんどありません。

つまり、離乳の後は舌や口周りの筋力は衰えてゆくことが多いのです。

口呼吸から鼻呼吸へ切り替えよう

鼻呼吸

http://www.photo-ac.com/

「鼻炎で鼻が詰まっていて鼻呼吸ができません」と訴える生徒さんがたくさんいらっしゃいます。

そのような生徒さんには、まず耳鼻咽喉科で鼻炎の治療をすることをお勧めしています。

しかし、鼻詰まりが解消されたからといって、すぐに口呼吸から鼻呼吸にシフトできるわけではありません。

一説によると、口呼吸になり鼻で呼吸する機会が減ることで、鼻の中の風通しが悪くなり、鼻炎などの鼻の疾患が引き起こされると言われています。

鼻が詰まるから口呼吸になるのか、口呼吸をしているから鼻が詰まってしまうのか。

ニワトリが先か、タマゴが先か……の話のようですね。

つまり、今まで口呼吸だった人が鼻呼吸に切り替える(本来の状態に戻す)には、意識的に訓練することが必要だと私は思います。

おすすめの記事あわせて読みたい

こんな記事も読まれています