知ってる?パッシブベースとアクティブベースの違い
エレキベースやエレキギターなどの電子楽器にはパッシブとアクティブというものが存在します。
このふたつの違いはピックアップの回路です。
簡単に言ってしまえば、電池を必要とするか、しないかの違いです。
どちらが良い、悪いというものではありませんが、ベースを購入する際にどちらにしようか迷っている方や、パッシブをアクティブに改造したいと考えている人の参考になればと思い、今回メリット、デメリットをまとめてみました。
パッシブのベース
メリット
パッシブのメリットとしては、やはりピッキングなどのニュアンスを表現しやすいという点でしょう。
弾き手のプレイに素直に応えてくれるといった感じです。
温かみのある、自然な低音が出しやすいのは断然パッシブでしょう。
パッシブの魅力はなんといっても「ナチュラルさ」です。
また、構造もシンプルで余計な味付けがされていない分、使用されている材など、そのベース本来の特性が活かされやすいと言えます。
シンプルが故にベース本体におけるトラブルも少ないと言えるでしょう。
演奏する際にトラブルにつながる要素はできるだけ少なくしいたいものです。
パッシブなら電池切れの心配などもないので、より演奏に集中しやすくなります。
デメリット
一番のデメリットはシールドやジャック部による音質劣化やノイズの影響を受けやすい点です。
また、湿度や天候などいった外的な要素にも影響されるので、管理にも多少気を使わなくてはいけません。
そういった点で、パッシブは調整が少し難しいですし、安定性にも欠けます。
また、アクティブに比べ、出力も小さいですし、エフェクターのノリも悪いと言われています。
音の立ち上がり(弾いた瞬間からピークの音量までにかかる時間)もアクティブに比べると良いとは言えません。
アクティブのベース
メリット
アクティブのメリットとしては音の劣化が少なく、ノイズなどの影響も受けにくいという点です。
また、出力も大きく、音の立ち上がり早いです。
外的な影響も受けにくいため安定性があります。
アクティブにはプリアンプというものが搭載されており、そのプリアンプによって手元で音の調整が可能です。
ピックアップのボリュームとトーンの調整しかできないパッシブに比べ、音のバリエーションも豊富で、調整しやすくなっています。
音質的にもハリがあり、モダンなサウンドが得られると言えるでしょう。
アクティブには音圧、パワー感といったものがあるように思います。
スラップ奏法向きのいわゆる「ドンシャリ」なサウンドも作りやすいかと思います。
デメリット
よく言われるのが、音がフラットすぎて細かいニュアンスが表現できないという点です。
しかしこれは弾き手次第だと僕は思っています。
アクティブだから細かいニュアンスが表現できないというのはただのいいわけのように感じます。
確かにパッシブに比べればそうかもしれませんが、この点に関しては弾く人やその他エフェクターなどの機材次第なのではないでしょうか。
一番はやはり電池が必要ということです。
ライブ前にはしっかりと電池の残量チェックを行うなり、新品のものに交換するなりしておく必要があります。
シールドを挿しっぱなしにしておくと電池が消耗してしまうので注意しましょう!
ランニングコストもパッシブよりかかってしまいます。
また、構造も複雑なため、パッシブに比べトラブルの原因となる要素も多いと言えるでしょう。
まとめ
パッシブの方がメリットが少なく、デメリットが多いように感じますが、パッシブ独特のローファイな音色を好む人は多いのではないでしょうか。
年齢層でいうと、若い人はアクティブ、年配の方はパッシブを好む傾向にあるように思います。
パッシブにはパッシブの、アクティブにはアクティブの良さがあります。
曲やバンドによって使い分けている人も結構いらっしゃいますし、パッシブとアクティブを切り替えられるタイプもあります。
どちらも向き、不向きがあるので、しっかりとそれらを理解した上でご自身の求める音、プレイスタイルやジャンルに応じて選んでみてください。
ライタープロフィール
ベーシスト・サウンドクリエイター
Broad Person
ベーシスト、サウンドクリエイター、ブロガー。
14歳の時にベースを手にし、バンド活動を開始。
その後、大阪の某音楽専門学校へ進学。
これまでにいくつかのインディーズバンドを渡り歩き、全国規模での活動を展開してきたが、限界を感じてあえなく就職。
就職後はベースの講師業も隠れてこそこそ行い出す。
DTMにも手を出し、ひとりで曲作りも開始。
自身のペースで地道に活動中。