【ピアノの先生が解説】back numberのクリスマスソングを弾いてみよう!
私が学生の頃といえば、ピアノ教室でコードを教えてくれるようなところはほとんどありませんでした。
クラシックでは、コードを勉強しなくてもよいと思われていたのかもしれませんね。
コードは、ロックやジャズをやる時はもちろんですが、実はクラシックをよく知るための助けになります。
今回は例曲とともに解説していきたいと思います。
もくじ
実際の曲でコードの3種類どう使う?
さて、最近ではピアノのコードを学ぶための本もたくさんありますが、実際に弾きたい曲の中でどう弾けばよいのかわからないという人も多いそうです。
ピアノもコードの押さえ方は1種類ではありません
以前にお話ししたように、コードには基本形、第1転回形、第2転回形などの押さえ方があります。
ギターのコードにもさまざまな押さえ方があるのと同じですね。
基本型、第1転回形、第2転回形の3種類は、主に片手でコードを押さえる場合で、ピアノソロではこの形で押さえることが多いのですが、バンドでキーボードなどを担当する場合や弾き語りの場合はメロディーを弾かないので、両手でコードを押さえることもよくあります。
いわゆるオープンコード(オープンボイシング)の形です。
つまり、Cと書かれてあれば、ドとミとソの音を使ってどのように押さえてもよいのです。
実際には奇麗に響かせるためには順番なども考える必要がありますが……。
そうはいっても初心者が簡単にピアノソロを弾く場合は、左手だけでコードを押さえることになることが多いでしょうから、まず基本型、第1転回形、第2転回形の3種類を覚えましょう(7thを含む4和音の場合は4種類あります)。
コードは覚えただけでは使えない!
コードを弾く位置は、ピアノの中央のド(一点ハ)が含まれる位置が響きとしてよいのですが、絶対というわけではありません。
基本形にするか、第1転回形にするかは響きも重要なのですが、まずは前後で押さえやすいものを選びます。
当然、はじめのコードが基本形だったからといって次も基本形になるわけではありませんので、コードのチェンジの方法を知ることが大切です。
チェンジの方法については以下の記事を参考にしてください。
関連記事:ピアノ初心者のための。分かりやすいコードチェンジの練習方法
back number「クリスマスソング」を弾いてみよう!
back numberのクリスマスソングに出てくるコードについて考えてみましょう。
back numberのクリスマスソングは、毎年クリスマスの時期の人気曲。
クリスマスに弾き語りをしたいという方も多いのではないでしょうか?
コードの押さえ方は人それぞれですが、コードチェンジしやすいポジションを考えます。
以下は、back numberの「クリスマスソング」に出てくるコード進行です。
ここでは、Eは第1転回形、B・C#mは第2転回形、F#は第1転回形にしていますが、自分で近い位置で押さえられるポジションを考えてみましょう。
midi動画を公開しましたので、コードを左手で押さえる「ピアノソロ」と、右手でコードを押さえる「弾き語り」の形の練習動画(midi)を一例として参考にしてください。
クリスマスソング(ピアノソロ練習用)
クリスマスソング(弾き語り練習用)
クリスマスソング(E)コード鍵盤図
秦基博の「ひまわりの約束」のコードチェンジ
もう一曲解説していきます。
秦基博の「ひまわりの約束」もずっと人気の曲ですが、このコード進行も、できるだけ動きが少ないようにとっていきます。
ここでは、B♭第2転回形、Fは基本形、E♭は第1転回形としています。
Gmは基本形、Dmは第2転回形、E♭は第1転回形Fは基本形です。
同じ曲の中で同じコードが別の場所で出てきた場合でも、絶対同じ押さえ方というわけではないので、注意が必要ですが、初心者が覚えるために、1曲の中での押さえ方を決めておくのは悪いことではありません。
〇m7や〇7など、4つの音のコードはどう押さえるの?
曲を弾いて行くと、〇m7や〇7、〇dim7などと書かれている場合があります。
この場合、4つの音で構成されているのですが、はじめはC7はCに、B♭7はB♭に変更して弾いても問題ありません。
できれば、その調のVは、Ⅴ7ととれるようになるとよいですね。
クリスマスソングはEのキーなのでB7がⅤ7、ひまわりの約束はB♭なのでF7がⅤ7となります。
CのキーならⅤ7はG7です。
V7などについて詳しくは前回の記事に載せています。
関連記事:ピアノ初心者がコードを簡単に弾けるようになるには?
F7の場合、次のような押さえ方になりますが、4和音は、第3音(下図・黄緑)を除く形で押さえる形で押さえることが多いです。
コード付きメロディー楽譜で、左手が弾けるようになれば、後は右手(メロディー)ですが、両手で弾くためには、とにかく指使いが重要です。
片手でよいなら人差し指1本で弾いてもよいわけですからね。
指は5本しかないのですから、どこで「くぐる」か、どこで「ひろげる」か、どこで「跳ぶ(引っ越す)」かの計画を立ててから練習しましょう。
過去の指使いの記事です。
関連記事:ピアノ初心者のための指使いの基本
以下のサイトからひまわりの約束で使うコード表がダウンロードできます。
ひまわりの約束・コード表B♭
ひまわりの約束・コード表C
ひまわりの約束の練習動画(ピアノmidi)です。
ひまわりの約束(B♭)
ひまわりの約束(C)
決まったコードの形で押さえていないところもあるのですが、参考にしてください。
おわりに
はじめに、コードはとりあえず3和音でというお話をしましたが、ジャズの場合は7thは必須で、たとえばC7の場合「ドミソシ♭」の中で実際に鳴らすのは、「ルート(ド)と7(シ♭)」や、「3・(13)・7・9-ミラシ♭レ」「7・(9)・3・13-シレミソ」というように、第3音と第7音を含む形でテンションノートを押さえるようにとなるので、ジャズをやりたいという人は、はじめからこういった形で押さえる練習をオススメします。
ライタープロフィール
ピアノ講師
岡太淳子
横浜在住、ピアノ・電子オルガン・リトミックの指導を行いながらバンド活動を続けています。
音楽が好き、ピアノが弾きたい方のために、初心者でも楽しめる方法を提案します。
コードで始める大人のピアノ
http://happy.ap.teacup.com/otona-piano/
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