ピアノ発表会のビデオ撮影で失敗しないコツ
ピアノ演奏や各種コンサートなどの発表の場を臨場感あるカタチで残しておきたくないですか?
映像だけではなく「音」も奇麗に録音することで、あとから見返しても価値の高いものへとなるでしょう。
今回はいい音で録音するためにやっておきたいことを紹介します。
もくじ
いい音で録音したい
音楽の演奏をビデオ撮影するって難しくありませんか?
最近は家庭用のビデオカメラも高画質のハイビジョンで撮影ができ、確実に映像クオリティーは上がっています。
でもなぜか素人チックな動画になってしまうのでしょうか?
特に音楽は音のクオリティが悪いと折角の演奏もチープな映像になってしまいます。
音の録音に関する知識を知り、ちょっとした工夫グレードアップさせましょう。
お子様のピアノ発表会などの楽器演奏はもちろん、学校行事のさまざまなイベントを撮影するときも知っておくと便利な基礎知識を紹介します。
デジカメを使う機会も多く映像に関しては見た目で解りやすいけれど音に関しては必ず押さえておかなければならないポイントがあるんです。
高価格の機材をそろえればすべてが解消できるわけではありません。
ビデオカメラ内蔵の標準マイクでもセッティング位置や録音レベルの調整などでかなりの音質改善が見込めます。
1. まずは試聴環境を整える
音のクオリティが低い動画はそもそもきちんと音をモニターせずに撮影しているケースが少なくありません。
音楽を撮影するときは必ずヘッドフォンを持参しましょう。
日頃から携帯音楽プレイヤーで使用しているものでも構いません。
ビデオカメラのヘッドフォンプラグに差し込み、カメラが拾っている音声を聞いてみましょう。
2. 演奏が気持ち良く聞こえるポジションを探す
発表会の会場や音楽ホールの特性(もちろん楽器編成なども)により、音の響きが変化します。
カメラにヘッドフォンをつないで拾っている音を確認しながら演奏が気持ち良く聞こえるポジションを探してください。
ホールでのピアノ発表会であればステージが見える中央よりやや右側の客席、お客さんの耳の位置よりやや上部がおおよその基本です。
外付けのマイクを使用できない場合は映像の撮影アングルを含めてのベストポジションを探るようにしてみてください。
ヘッドフォンをしてモニターすると会場内の空調ノイズや観覧者による雑音も気になるかもしれません。気になる場合は客席前方や演奏者との間に観覧者を挟まないようなポジションも検討してみてください。
3. 録音レベルを他の演奏できっちりと調整
リハーサルができない場合は邪魔にならないように他の演奏者で必ずテスト撮影してください。
2のポジション設定とともに音声の入力レベルの調整をします。
こちらが音のクオリティを決定づける大切なポイントです。
ビデオカメラの機種にもよりますが音声レベル調整には自動モードがあります。
特に音楽の演奏にはこちらのモードを使用しないことをお勧めします。
上の画像のような画面がおおよその機種であるかと思います。
ヘッドフォンで音を確認しながら曲の最も音量が高くなる部分で録音レベルメーターが振り切れない(上でいうと右側のゼロ)ように設定します。
大編成で強弱と多いブラスバンドなどは事前に演奏する曲を確認して最大ポイントを確認しておきましょう。
録音になれていない方はよしとしたレベルからもう1段階下げておくことをおすすめします。
失敗のおおよそがレベルオーバーのケースが多く、大きすぎるとひどいノイズを発生し音楽を聴くに耐えうるものになってしまいます。
※自動レベル調整を推奨しないワケ
おおよその民生機のビデオカメラにはリミッターという音声レベルを自動調整するための回路が組み込まれています。
音声はデジタル録音されるのですが、レベルが大きいと極端に音が歪んでしまいます。
リミッターはそれを回避するための機能で大きな音量を感知した瞬間に強制的に音のレベルを押さえ込む効果が働きます。
映像でいえばオートフォーカスみたいなみたいなもので一見便利なのですが、音楽専用のビデオカメラ以外のビデオはこの回路のクオリティが非常に低く、演奏を台無しにしてしまうケースが多いです。
リミッターは音楽のレコーディングでも多く使用されるものですが、楽曲や楽器の特性に応じて繊細なセッティングをしてこそ大きな効果が期待できるのですが、簡単さを優先するせいかどうしても大味な効果になり、演奏を奇麗に収めるには障害になるケースがほとんどです。
音楽を撮影するときはレベル調整をしっかり行い自動モードを極力使用しないことをお勧めします。
やっぱり心強い外部マイクの接続
音楽を撮影するならやはり外部マイクを接続した方が確実にその集音クオリティは上がります。
延長コードなどもあるので映像位置に左右されずに良い音のセッティングがしやすくなります。
1万以下でもかなりの効果が期待できると思います。
音楽専用ビデオカメラは圧倒的
時代のニーズに沿った音楽専用のビデオカメラはすごい実力です。
リニアPCMレコーダーと同等のマイク性能を備えた音質はもちろん、細かなレベル設定など専用機ならではの機能がたくさんあります。
ニッチなカテゴリーのために、超大型の専門店でもなかなか現物を拝むことができませんがSONYのミュージックビデオレコーダーは本当に素晴らしいですね。
パソコンなどで簡単に編集する余裕があるならこちらを音質優先で固定カメラで撮影し、サブアンブルの映像をスマホなどで撮影すればすごくいい演奏動画が作れると思います。
まとめ
撮影してそのままお蔵入りになってしまう動画より、何度も見返したくなるものにしたい。
音楽はその臨場感を記録するのが難しい……だからこそ奇麗に残しましょう。
誰でもそれなりの撮影ができるようになったからこそ、その性能を活かしきるにはやはり細やかな気配りと事前準備につきますね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ライタープロフィール
サウンドクリエイター
yamakaWA
「色褪せたMusicをこの世から撲滅させたい….」音楽のリフォームを提案するHybridSoundReform.comの山川です。
失敗したレコーディング&マスタリング音源の改善、ライブハウス音源のコンテンツ化、動画や講演会などの音声ノイズ除去。
非効率な音質改善サービスを運営しています。
ウェブサイト:http://www.hybridsoundreform.com